わたしのはなし/その1 ユニバと映画
わたしは小さい頃から映画が好き。
ユニバによく行ってたから。
わたしは大阪府出身でわたしが1歳の時にユニバーサル・スタジオ・ジャパン、いわゆるユニバ(大阪出身やからUSJと言うのに抵抗がある)が開業した。
11歳年齢が離れた兄は、小さい頃よく両親に海やら釣りやらキャンプやらに連れて行ってもらっていたみたいだけど、わたしはその辺のレジャーはさっぱり。逆に物心がつく前からユニバによく連れて行ってもらっていた。
ユニバ通の母の友達とわたしにとってお姉ちゃんのような存在だったその娘さんと、年パスを買って年に4回は行っていたんじゃないだろうか。
当時一番お気に入りだったアトラクションは『E.T.アドベンチャー』。
前かごにE.T.が乗った自転車に乗り、森を抜け、夜空を飛び、E.T.の故郷を目指すアトラクションが大好きだった。
最後にゲストの名前をE.T.が呼んでくれる演出を初めて体験したわたしは、「本当にテレパシーってあるんだ!」って思って感動した記憶がある。
今はもうないけど、家の近くにあったTSUTAYAでアトラクションになっている映画のDVDを全部借りて観たのは幼稚園のころ。
『ジョーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『スパイダーマン』『バック・ドラフト』『ターミネーター』
そのせいで、わたしが初めて抱いた将来の夢は恐竜博士だったし、幼稚園で蜘蛛を捕まえて手のひらに乗せて噛まれ待ちしたし、『ジョニー・B.グッド』をエアギターで演奏していた。
映画の魔法をアトラクションとして、現実で先に体験していたわたしにとって、アトラクションは作られた虚構ではなくリアルだということを証明する映像だった。
ユニバに行けない時は、DVDを借りて我慢した。
そのうち母が勧めてきた『グレムリン』や『メン・イン・ブラック』『バットマン』なんかのSFやヒーロー映画を見始めて、まだ見ぬ作品への興味をどんどん広げていった。
でもやっぱり当時アトラクションがあった作品はわたしにとってとても大切なもの。
昔に撮った写真や動画を見返して当時の思い出に耽るように、ユニバ映画を観ることであの頃のパークの雰囲気や匂い、思い出、若かった両親の姿を思い出す。
ユニバがあったから映画が好きになったし、ユニバ映画たちによって今の自分の「好き」や「心」の形の土台が形づくられていると思う。
あんなにユニバに行ってなかったら。
マルチユニバースのわたしに思いを馳せる。
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