ナチョス
短編小説『迷える手』をまとめました。 天才で変態な整体師のお話です。フィクションです。
私と友達とその家族の旅行中の、ちっちゃいお話を書いた『ウィーンが君を待っている』をまとめました!
私の好きな映画や本や洋楽を好きになった、小さい頃のエピソードを書いた『わたしのはなし』をまとめました!
わたしは小さい頃から映画が好き。 ユニバによく行ってたから。 わたしは大阪府出身でわたしが1歳の時にユニバーサル・スタジオ・ジャパン、いわゆるユニバ(大阪出身やからUSJと言うのに抵抗がある)が開業した。 11歳年齢が離れた兄は、小さい頃よく両親に海やら釣りやらキャンプやらに連れて行ってもらっていたみたいだけど、わたしはその辺のレジャーはさっぱり。逆に物心がつく前からユニバによく連れて行ってもらっていた。 ユニバ通の母の友達とわたしにとってお姉ちゃんのような存在だったその
私は数年前から、1年の映画鑑賞を振り返るために年間ベスト10を作るようになりました。 ベストを作ることで、「これも今年公開だったっけ!?」「この作品はあんまり他の人と被ってないなあ。」「この作品は本当に良かったなぁ。」などと楽しめるのも良いところ。 SNSで相互フォローしてる方のベストを見るのも面白いんですよねぇ。 私の昨年ベストはこちらです! この中で、私が他の方のベストでお見かけしなかったのが『長ぐつをはいたネコと9つの命』。 『シュレック』シリーズでお馴染みの
カタログみたいに、これは嫌だ、これは良いかも。 分別して、良いかもと思ったものに順番をつけて。 良いかもと思ったものに連絡したり、自分のことを知ってもらおうと思って話そうとしてみたり。 ここまでは、傷つかない。 ここまでは、自分が主導権を握ったつもりになって。 ここまでは、気付けない自分の愚かさにも気付けない。 我が物顔で良いなと思って順番をつけたものに、その全てにフラれることも知らずに。 フラれてやっとわかる。 そして、恐ろしくなる。 何度これを繰り返せば
先日鑑賞した『夜明けのすべて』の余熱がまだ心を温めている。 なので、感想をnoteにも。 トレイラーはこちら。 パニック障害とPMSを抱える2人。 2人は移動式プラネタリウム等を扱う、科学教育教材の会社で出会います。 会社やコミュニティという名の小宇宙で生きる彼らは大宇宙の星々と同じ。 夜空のかつての輝きは、私たちの今の闇をも照らし導いてくれる。 私はどっちも当事者として当てはまらないから、こう言うのは少し憚られるけれど、辛いのにとても心地が良かったです。 オ
今日は以前から楽しみにしていた『ロッタちゃんはじめてのおつかい2Kリマスター版』を鑑賞。 トレイラーはこちら。 スウェーデン絵本が原作の映画の2Kリバイバル。 絵本がそのまま映画になった、優しくてカラフルな作品。 ロッタも家族も、服装もお家も町も、全部がかわいい!わがままなところもあるけど、1人でなんでもできるし、お手伝いできるし、人を思いやれる。 お母さんと謝り合うところとか、最高にあったかくなる。 癒される。 大人の私たちがみても、ロッタから学ぶことがたくさ
子どもの頃って見えないものが見えたり、大人には感じられないものが感じられるって言いますよね。 映画や漫画でも、特殊能力を持っている子どものキャラクターってたくさんいるし、どこか神秘的な部分が子どもに備わっているっていう考え方は一般的に浸透していると思う。 みなさんは、子どもの時にはあったけど今はもうない、とか、子どもの時はできたけど今はもうできない、って言うエピソードありますか? 私は、確かに今と比べると子どもの頃の方が不思議な出来事があったっちゃありました。 けど、
私は中学生まで、週末に父親と映画を一緒に観たり映画館に連れて行ってもらうことが多かった。 観る映画を提案するのは私で、当時は鑑賞料金を毎回払ってもらっていたので、父親にトレイラーを見せたりプレゼンしたりして、観たい!と思わせなければならなかった。 色々な作品を観に行ったのに、あの頃の思い出を思い出すと決まって最初に頭に浮かぶ作品がある。 それは『インターステラー 』。 言うまでもない、クリストファー・ノーラン監督の傑作SF。 SF作品としてのスケールが大きく、惑星や
さざなみが寄せるビーチに差し込む、強烈な太陽の光。 サングラス越しに標準を定める男。 ターゲットになった女性は確実に仕留められる。 今日も、いつものように。 「ハーイ!」 「ハーイ、サンオイルなら用無しよ」 「まだ何も言ってないじゃないか。きみ、どの星から来たの?」 「星?」 「きみ、宇宙人なんだろ。こんな美しいひと地球にはいないよ。」 「ちょっと、私今本を読まんでるんだけど。冗談なら独り言にしてあげるわ」 「冗談じゃないよ!本気でそう思ったんだ!」 女
James Ensor〈Portrait with Masks〉,1899 卒業制作を書くために様々なイメージをリサーチしている中で出会った作品。 仮面と骸骨の中に囲まれた、画家らしき人物。 画家らしき人物の顔は、実はルーベンスの顔。(らしい。) 鮮明でグロテスクで、一目見て、魅了された。 ジェームズ・アンソールは"仮面"というモチーフの中に、民衆の滑稽さや残忍性を見出した。 「私は仮面が支配する一人ぼっちの世界に喜んで自らを閉じ込め、徹底的に暴力、光、輝きになり
玄関を開けると、蝉が死んでいた。 目を閉じて、息を大きく吸って、夏が遅れてやってきたことを思い出した。 私は高校生の時、半分ウエイトトレーニング部の様な、男だけの和太鼓部で部長をしていた。 私の部活は1年に1度、秋に大きい舞台があり、その舞台では、部長だけのソロをやるのが伝統でみんなそれに憧れて入部する。 部長ソロの時は、舞台に立つ部員全員が、部長に向けてひたすら声を出し、鼓舞し、支えるという熱い伝統。 高3の夏。 太陽の下、蝉の声に囲まれ、グラウンドで朝から夕方
夕日。街。ビル。人。車。信号。窓。サラリーマン。OL。学生。おじいちゃん。おばあちゃん。妊婦さん。座席。つり革。ため息。生ぬるい。 黄昏。携帯。通知。写真。こども。笑顔。返信。まぶた。 窓。月。時計。アナウンス。人。ドア。ホーム。階段。改札。夜風。 外灯。鳴き声。虫。家。匂い。お魚。カレー。肉じゃが。家。窓。音。笑い声。 家。ドア。声。おかえり。ただいま。
大学一年生の時、私には彼女ができた。 彼女とは東京の大学で知り合った。 彼女と初めてデートに行った場所は映画館だった。(厳密にいうとその時はまだ付き合っていなかったけど。) ある夜、彼女と電話をしていた時、彼女も私と同じく映画好きであることを知った。 私も映画好きだからとても嬉しかったし、子供の頃どんな映画が好きだったとか、どんなジャンルが好きだとか、作品を通して彼女の性格を知っていく過程が楽しかった。 部屋が人となりを表すように、好きな映画もその人を表すもの。
『ショーシャンクの空に』を初めて鑑賞したのは、私が中学3年生か高校1年生くらいの頃だった。 当時、毎週土曜の夜は父親と映画を見るのが恒例で、作品選びは毎回私が担当していた。 作品の存在は知っていたし、面白いというのも聞いていた。 その時のサブスクの〈不朽の名作特集〉のラインナップされていたのを目にして、今こそ観てみようと思い、提案した。 「これ、観たことある?」 「あー、これかぁ。うーん、なんか観たことあるような気するけど、どんな感じやったか忘れたからみよか!」
先生をリビングの中に招き入れた。 マスクと防護服を想像していた私は、先生の格好にあっけに取られた。 ただの白衣姿でマスクすら着けていない。 流行病の検査でなかったとしても、マスクをしていないのは変だ。 「椅子に座って、マスクを外して、少し上を向いてもらえますか?」 「あっ、はい。」 先生の言う通りにすると、綿棒よりも細くて長いものを鼻の中に突っ込まれた。 「はい、いいですよー。」 マスクを付け直し、気になることを聞いた。 「先生はマスクしなくても大丈夫なんで
町の縮小理由には町長が絡んでいた。 町に何か世界で一番のものが欲しい。 広大で欲しいものなら全てが町の中で手に入ったのに、町長は"一番"という言葉にこだわったった欲深い人間だった。 その結果、世界で一番巨大な映画館を建てた。 その建設費用は増え続けていたにせよ、町民の税金で賄えるものではなかった。 唯一の方法が、町の一部を売ることだった。 そして町は小さくなった。 縮小された場所に住んでいた町民は、隣町の町民になった。 その結果、縮小が進めば進むほど、町民はど
私は小さい頃とても大きな町で暮らしていた。 そう言うと、まるでその後引っ越したみたいに思われるかもしれないけど、それは間違いだ。 私は生まれてから現在に至るまで、この町から一歩も出たことがない。 私が変わったのではない。 この町が変わったのだ。 ある転機が訪れるまで、この町に無いものは無かった。 私は母とのお出かけが大好きだった。 母と出かける度に、新しいものに出会えたからだ。 おとぎ話のようか遊園地。 あらゆるスポーツを観戦できるスタジアム。 ハンドメイ