どうすれば、相手はあなたの話を聞きたくなるのか?
何かを書いたり話したり。誰もが情報を発信できるようになって、明らかに「読んでもらえる/聞いてもらえる」人と、がんばって発信しても思うほど読まれない、聞いてもらえないという人に分かれてくる。
どれだけたくさんの人に見てもらえるか=自分の価値ではないし、人数は少なくても、届けたい人に届いているならいい、という考え方もある。それで十分にいいならいいのだが、「もっと多くの人に知ってもらいたい」「バズったり超有名人にならなくてもいいけど、まだ足りない」と思うなら、どうすれば、相手が自分の話を聞きたくなるのか?と考えてみる必要がある。
どうすれば、相手はあなたの話を聞きたくなるのか?
1.自分に関係ある、自分にとって良さそうと思う
人は基本的に、自分に関係あることが知りたい。自分に必要だと思うから、自分にとって良さそうだと思うから、それを知りたくなる。
だから、相手にとって知りたくなるようなキーワードをタイトルや見出しに入れたり、話す時も、自分が話したいことではなくて、「相手が気になっていること」を話す。
自分が話したいことではなくて、相手が知りたいことを話す(=書く)。自分が話したいことを、相手が知りたいことに変換して話す(=書く)。
目の前の人に話す時も、相手が今何を知りたいと思っているかを知っておくことが必要。目の前にいない不特定多数の人に向かって書くときは、まず、今、自分が、誰に向かって書いているかを決めることが必要。
2.今の自分の悩みを解決してくれそう、自分を変えてくれそう(=必要性を感じる/頭で理解する)
1をもっと細分化して考えると、「自分にとって必要」「これをやれば上手くいきそう」と理屈(頭)で理解する場合と、
「なんか好き」「センスがいいな」「こんな風になりたい」「私に合いそう」と感覚(心)が動く場合がある。
頭を動かすか、心を動かすか。
頭では「必要だ」と思っているけど、気持ちが動かないこともある。
心では「なんかいいな」と思うけど、いや今の自分に必要ではない、と切り捨てられることもある。
必要性を伝えるには、相手が今ちょうど悩んでいること(悩みとまではいかないけど困っていたり、不安に思っていたり、不便に感じていること)を解決できる、ということを伝えたり、
この話を聞くと、こんな風に自分も変われるんだなと、ポジティブな変化を伝えるといい。
3.なんか好き、センスがいい、こんな風になりたい(=好き嫌い/感情が動く)
もう一つの場合(先ほど書いた後者)が、「心が動く」というパターン。
理屈ではなく、頭で理解するよりも先に「なんか好きかも」と思われたら最強。
「なんか好き」を作るには、「なんか」では作れない。
当たり前だが、「万人に好かれる」なんて無理なのだ。ここは自己開示。自分を開示して、自分の感覚に合う人が聞いてくれればいい。読んでくれればいいという割り切りも必要。
意図して人に嫌われる様なことを書いたり話したりするのはNGだけど、万人に好かれる必要はない、わかってくれる人がわかってくれたらいい、と割り切る。
そのためにも、やっぱり、「自分はどんな人に向けて話しているか」「誰に向かって書いているか」を決めることが最重要。
たとえば、100名の前で話をするにしても、100人全員の心に刺さることを言おうとすると、途端に何を言っていいかわからなくなる。100人の中でも、特にこの人に向かって話そう、という人を決めると、話しやすくなる。
「必要だ」と思われるよりも「好きだ」と思われる方が難しい。当たり前だ。相手の感情は、相手のものだから。
だからこそ、作り物ではない自分の言葉で話したり、書いたりすることで、相手の感情を動かすことができる。
「この人、私の感情を動かそうとしているな」と思われたらもうそこで終わり。見え見えの策略は、「胡散臭さ」という最悪な状況を生む。
4.この人が話す理由(背景、実績)がある、この人なら話を聞くにふさわしい
同じことを話していても、「聞く価値があるな」と思う人と、「あんたに言われたくないわ」と感じる人がいる。
「なぜ、これについて自分が語るのか」を持っている人は強い。
それは、別に、他者と比較して圧倒的な実績がなくてはいけない、ということではない。
もちろん、実績(数字や固有名詞で語れるような)や、「すんごい経歴」があればそれは「語る理由」になるだろう。
だけど、人はいつでも「すんごい人」の話が聞きたいわけではないのだ。
自分よりも少し先を行っている人、そのことについてマニアなぐらい深めている人、自分の知らない世界を見せてくれる人。
キラキラ、オラオラの実績がなくても、「この人なら、これについて語れるよね」と思わせる様なバックボーンがあればいい。
5.自分のことをわかってくれそう、自分の話を聞いてくれそう
人は誰だって、自分のことに関心がある。人の話を聞く前に、まず自分の話を聞いて欲しいのだ。
相手との会話においては、「話すよりも聞く」ことが大事だということは多くの人が感じているだろう。
たとえば営業でも、販売でも、「まず相手の話を聞こう」というのは鉄則だろう。
靴を買いに行ったとして、「この靴の良さ」「履きごこち」「革の高級感」を語り出す販売員さんよりも、「どういうシーンで履かれる予定ですか?」「今まで履いていた靴で不満なことはありましたか?」と聞いてくれる人の方がいい。
これは、不特定多数に話すときにも、文章で発信するときにも応用できる。
たとえば、clubhouseのルームでスピーカーになったら、蕩々と自己紹介をするのではなく、「今その場で話題になっていること」から話し始める。それまでの話の流れにのって、会話をつなげていく。相手の話を聞いて、十分に聞いて答えて、自分の話を聞いてもらうのはその後でいい。
文章を書くときは、読んでいる人が「なんでこの人はこんなに私の気持ちがわかるの?」と思うぐらい、具体的に書ける人が強い。
なんでこんなに私の気持ちがわかるの? まるで私のことを1日見ていたみたい、まるで私一人に向かって書いてくれているみたい、
そんな風に読者に思われれば、「会う前から信頼される」関係性が作れる。
会話しなくても文章だけで(不特定多数に向けて書いた発信だけで)、誰か一人との信頼関係をつくることだってできるのだ。
YouTubeでも音声発信でもnoteでも、それはできる。
この人は、なんでこんなに私の気持ちがわかるんだ。
それにはまず、自分がどんな人に向けて話しているか(書いているか)を決めて、その人のことをよく知ろうとする姿勢がスタートなのだ。
会う前から信頼され、ネットで長く売れ続ける人になるための具体的な方法を書きました。
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