まだお客様に「こうなれる」と言い切る自信がない。
自分の商品やサービス、お店や会社の魅力を伝えるには、商品の説明ではなくて、「相手にとってどういいか」「それで相手がどう変わるか」を伝える必要がある。
私は講座でも、本でも、いつもそう伝えているのですが、そう言うと、「でも、まだ、こうなれます! と自信を持って言えるものがありません」という答えが返ってくることがある。
それは、素晴らしいことだと思う。
だって、「こうなれると言えないこと」でも、ジャンジャン書いちゃえばいいじゃん、「嘘・おおげさ・まぎらわしい」全然OK〜! ではなくて、ちゃんと今の自分に書けることを書きたい、という誠実な姿勢だから。
〇〇ができるようになったら始めよう。もっと学んでから、もっと自信がついてから…… と何年も同じところに止まっていたり、学んだり資格を増やすだけで一向にビジネスになっていないという人をたくさん見てきました。それではもったいないのです。
まだ言い切る自信がない、とうつむく人に伝えたいことをまとめました。
今の自分の「立ち位置」を決める
文章を書く時も、キャッチコピーを作る時も、まず初めにすることは、「自分の立ち位置」を決めること。
どんな立場から書くか。
お客様や読者にとって、自分はどんな立ち位置にいるのか?
読み手と自分の位置関係を決めましょう。
専門家ポジションや、先生として教えたいのか。(前後の関係)
少し先をいく先輩ポジションなのか。(斜めの関係)
それとも、同じように悩む同士なのか。(横の関係)
初心者だからと言って、伝えられることがないわけじゃないのです。
遠くにいる有名な専門家よりも、身近な人に教えてもらいたい人だっています。
あの人に比べたら、自分なんてまだまだ……と言っていたら、一生、誰かと比べて「自分なんて」と言い続けることになります。だって、どこまで行っても自分よりも凄い人なんて絶対いるから(私たちは、何かの世界チャンピオンになりたいわけではない)。
そうではなくて、「今の自分」に伝えられることを探します。
たとえば、3年前の自分が悩んでいて、今の自分は解決できていることはなんだろう?
その時の自分に教えられることは何?
たとえば、人からよく「教えて欲しい」と言われることは?
周りの人を見て、これなら自分が役に立てるなと思うことは何?
大きなことでなくていい、他の同業者と比べてすごいことを言おうとしなくてもいい。
お客様は、そもそも「すごい変化」を求めているわけではないのだから。
相手が求めているのは、壮大なゴールじゃない。
講座の中で、「お客様に起こせる変化」を書き出すワークをすると、たいていの人が、こうなって、ああなって、さらにこうなって、という階段状の変化を書く。
たとえば、お片付けの仕事をしている人なら、
片付けが楽しくなって、探し物が減って、自分の時間が増えて、家族が仲良くなって、自分らしく生きられるようになって、人生が楽しくなる。とか。
子育てコーチングをしている人なら、
子どものいいところが見えて、自分の子育てに自信が持てて、ママが自分のやりたいことをやろうと思えて、家族がチームになって、自分の人生が最高に幸せになる。 みたいな
あーなって、こーなって、さらにこうなって、最高の人生になる!ハッピー!
いろいろ言いたくなるのはわかる。でも、相手が求めているのはそんなに壮大な物語ではない。
今、目の前のことに悩んでいる人は、壮大な物語を見せられても、「いや、そこまで求めてません」となる。
とくに、ここ数年の時代の流れとして、「目の前の小さな変化に目を向けたい」人が増えているように感じる。
「ああなって、こうなって、すごいことが起きるよ!」なんてことを伝えなくても、お客様や読者が求めていることは、もっと手前のことかもしれないのだ。
たとえば、ビジネスのコンサルをしているとして。
同業者の多くが、月100万円稼げます!とか年収1000万らくらく稼げる!と言っているとしても、
みんながみんなそこを求めているわけではない。
人によっては、1000万ではなくしっかり億稼ぎたい人もいるだろうし、毎月コンスタントに30万円稼げればいいという人もいる。
とにかく自力で3万円稼げるようになりたい、という人だっている。
何が正しいではないのだ。相手によって求めるものが違う。
ということは、無理して、「月に100万円稼げます!」なんていう必要はないのだ。「3万円稼ぐ」ことをしっかり約束してあげたっていい。
そして、もちろん、「月〇〇万円」みたいなことを求めていない人もいる。
自分が約束できることは何か?
お客様に約束できることと、約束はできないことをしっかり分けて書く。
「お客様に約束できること」と、「約束はできないけれどきっとこんな生活や人生が待っているよと想像させること」は、分けて考えないといけない。
私は、前者(約束できること)をメリット、後者(約束はできないけれど、きっとこんな生活や人生になれるよ)をベネフィットと呼んでいる。
メリットとベネフィットを分けずに、何でもかんでも、「これをやれば、必ず〇〇になれます!」みたいに語っちゃうと、クレームのもとだ。
過剰に期待させて、買ってみたら(やってみたら)そうなれなかった。では、がっかりされる。
どこまでは言い切れるのか。線を引くことで、自信を持って言い切る文章が書けるようになる。「とにかく言い切れ」「言い切れば自信があるように見える」という人もいるが、そんなことはない。言い切ってはいけない不確かなことを言い切っている人は、信頼されない。うさんくさいだけだ。
今の自分にできることの中で「お客様に約束できること」を決める。それをしっかり約束として守る。宣言したからには、そうなるようにやるしかない。それがビジネスだと思う。
自信がないですと言っていても始まらない。書いて、宣言して、そうなるように行動する。それが信頼になる。やっていくしかない。
もちろん、まだそこまで言えないと感じるようなことを無理して約束する必要はない。繰り返しになるが、お客様は、壮大な約束が欲しいわけではないのだ。今の自分にできる約束を設定して、それを守っていく。その繰り返し。自分のビジネスが成長すれば、お客様にできる約束も変わっていく。
言語化し、宣言することで、自分のビジネスが作られていく
まだ、今の自分には、お客様に約束できることがない。という人は、「こうなりたい」レベルでもとにかく書いてみることだ。
書いて、それを宣言して、その言葉に自分を近づけていけばいい。
言ったからにはやらなきゃ、と自分をそこに向かわせる。
そうなっている自分を設定して、言語化して、言葉に自分を近づけていく。
言葉が自分を引っ張っていってくれる。
例えば私の講座には、「今から、ゼロから仕事を作りたい」という方も来られる。その人たちには、「今の自分が既にできること」ではなく、「少し先の自分がこうなっていたい」「本当ならこういう仕事がしていたい」「本当ならこういうお客様に向かってやりたい」と思うことをベースにワークを書き出してもらう。
言葉にして、それをアウトプットして、宣言して、そこに向かって自分を近づけていけばいい。
その際にまず考えるべきことは、「どんな人のために」「どんな変化を起こしたいか」だ。
自分が何をやるかは最後の最後でいい。
「今の自分が既にできること」という小さな枠に囚われず、
・本当は自分はどんな人のために仕事がしたいのか
・これからの人生を賭けてどんな人の役に立ちたいのか
・その人たちにどんな変化を起こせる自分になるのか
・その人たちが求めているのはどんな変化なのか
そこをしっかり言語化する。そして、そうやって作った「お客様の変化」を起こせる自分になっていく。
はじめは「こうなりたい」という理想の自分かもしれない。今の自分から見たら背伸びに見えるかもしれない。でも言語化することで、ビジョン(こんな世界を作りたい)が生まれる。仕事に対するミッション(なぜこの仕事をしているか)が生まれる。
共感してくれる人が、自分のファンになってくれる。応援者になってくれる。その人たちの気持ちに応えるために自分にできることをやっていけばいい。
それが「自分で仕事をつくる」ということだと私は思う。
まず発信し、目の前のお客様と成長していく
むずかしく考えるよりも、まずは書き出してみよう。そして、それを発信して興味を持ってくれたお客様と一緒に自分のビジネスを作っていけばいい。
相手は何を考えているのか? ひとりで悶々と悩んでいたって答えは出ない。
今の自分を素直に出す。興味を持ってくれたお客様に向きあう。ひとりひとりの悩みを聞く、理想を聞く、何に困り、何を考え、何に興味があり、どうなりたいのか。リアルな声を聞く。それに応えるビジネスをつくっていけばいい。
はじめは小さな輪かもしれない。でも誰だって、どんな有名な人だって、「はじめの一歩」があるんだから。
「やってみる」ことでしか、自信なんてつかないと思う。
誰かの真似ではなく、自分らしさを言葉にすることで、自分のビジネスを作っていきたい人に向けて書きました。実践的なワークたっぷりです。
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