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紫陽花(あじさい)

私が小学生のとき、

母が

紫陽花を数本切って、

新聞にくるみ、

学校に持たせてくれたことがある。


先生に

教室に飾ってもらい、

「今日は○○ちゃんが紫陽花を持ってきてくれました」と

紹介され、

ちょっと

こそばゆい感じがした思い出。


プロフィールにも書いていますが、

私は虐待児です。

なので、

子供時代に

あまり良い思い出がありません。


数少ない、

良い思い出の一つが

紫陽花。


だからなのか、私は紫陽花が大好き♡♡♡


我が家の庭には

3種の紫陽花が

にぎやかに

咲いている。


そして、その紫陽花を切り、

家の中にも飾り、

今の季節を

楽しんでいる。


我が家の紫陽花は

ピンク、

紫、

青、

白、

と、色とりどり。


母が持たせてくれた紫陽花は

いつも

薄い水色。


母はよく、

「肥料も、水も、

まともにやらんでも

紫陽花だけは咲いてくれる」と

言っていた。


肥料を買うお金も、

毎日の水やりも、

出来なかったのだろう。


「金、返せ!!」と、

よく、

やくざ?のような人が

ドアを叩いていた。

ドアのチェーンも壊れていた。


(今ならきっと違法行為だとは思いますが、

昔のサラ金の取り立ては

普通にこんなことあってました💦)


そんな家だったので、

食べることに必死で、

花 = 贅沢品

その贅沢品の花が

6月の紫陽花のときだけ

我が家にやってくる。

やってくる、というより、

団地のベランダの下に

咲いていただけなんだけど。


紫陽花を見ると、

いつも、

なんだか、

ちょっとだけ、

母が好きになる。


ギャンブル好きの父の

しりぬぐいばかりしていた母。

イライラするのか、

八つ当たりなのか、

私は、本当によく叩かれた。


そんな母も、

すっかり小さなおばあちゃんだ。

私を叩いていた、

あんなに怖かった母の手も

今では、

小さく、弱々しい。


父の借金のせいで

苦労したんだろうな、と思う。


でもね、

やっぱり、叩かないでほしかったな。

怒らないでほしかったな。


いつも、いつも、

紫陽花を切って

新聞でくるんで持たせてくれたときのように

優しくしてほしかったな。


お母さん、

今年も紫陽花が綺麗に咲いたよ。










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