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異見を聴くリーダーシップとは

ソニーシニアアドバイザー平井一夫さん著「ソニー再生 変革を成し遂げた『異端のリーダーシップ』」を読みました。

企業管理職として、そしてコミュニティ運営で必要なリーダーシップ。
誰もがやっていそうな当たり前のことを、愚直にやり続ける姿に勇気と感銘を受けました。

■「意見を聞く」と「異見を聴く」

平井さんが新しい役割に就かれた際に、必ず行っていたことは「社員の話を聴く」ことでした。

「現場の課題は、現場でしかわからない」
と1on1を基本に続けておられ、社長になられてもマネジャー対象に、そして各地を回りながら地道に対話をされていました。

私はこれまで1on1を週1回30分のミーティングをメンバーと行ってきました。案件の優先順位付け、本質的な課題の特定、課題解決に向けての方向性議論がメインではあるものの、最初3分だけはスモールトーク(アイスブレイク)から入ることを心掛けてきました。スモールトークとは、ある種雑談なのですが、体調や気持ちの状態を探りながら本題に入っていく方がディスカッションが活発になり、双方向で考えることができるように思います。

私自身、課題について、すべての答えは持っていません。人的ネットワークやリスク対応については多少の知見はあるものの、新しい領域については「一緒に考える」ことで前に進めることができてきたと感じています。

そして、読後に振り返ると、
・どんなに意見が出なくても、自分が発言する前に、意見が出るまで待ち続ける忍耐力があったか
・誘導するつもりはないものの、ついつい突破口を見出してあげたくなってしまう気持ちが抑えきれず、発言していなかったか
・メンバーが発言する異見を、無意識のうちに退けたりしていなかったか
ということを考えさせられました。

人は同質が心地よいものです。
「うん、うん・・・」と順調に進むことがストレスを感じないのです。しかし、同じ方向からしか物事が見えておらず、もっとよい解決策だったり、検討すべき論点が抜け漏れているのかもしれないのです。

同本からの学びとして、発言にしっかりと耳を傾け、異見を聞いて受け止めてから発言することを心掛けていきたいと思いました。

そして、「異見を聞く」ことは、コミュニティの成長期において、非常に大事になると感じました。

■マネジメントチームを運営する上での3つの心がけ

平井さんによると、マネジメントチームを運営する上で、前提となる心がけについて3つを挙げられていました。

リーダーはまず聞き役に徹すること

上述の通りですね。 

期限を区切ること

仕事の期限については、かつての上司に言われた言葉があります。
「納期がない仕事はない。納期がなければ、それは仕事でなく、趣味だ」

同本では、一度の会議で結論が出なかった場合、

「いつまでに何をアップデートする」とその場でしっかりと決めてしまうことだ。

と書かれており、激しく同意しました。 

1カ月後にサービスリリースが迫っていても、「あーだこーだ」と様々な理由から議論がぐるぐると循環して前に進まない場合があります。もちろん、議論をすっ飛ばして決めきるつもりではなく、限られた納期の中で、何を選択して何の優先順位を下げるのか、を検討しなければならない場合も生じます。

「プロジェクトチーム全員が納得の上で前に進めたい」という想いと、進行役を担うプロジェクトリーダーとして、いかに納期までに、ある程度の形にしてリリースしなければならない、というせめぎ合いの葛藤があります。

そうした時に、「いつまでに誰が何を整理し再度議論するか」が非常に大事だと常日頃から思っていたので、頭の整理ができました。 

・最後はリーダー自身の口で方向性を決めること。そして、一度決めたらぶれないこと。

「腹をくくる」。これこそがリーダーの役割で、リーダーが責任を持つことをストレートに伝えるべきと書かれていました。

今後、ミドル世代アップデートコミュニティを立ち上げますが、同コミュニティの発起人として、1人のリーダー例として参考にしたいと思いました。

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