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【過去記事】「友人」の結婚式なんて行くもんじゃない

20年ほど前。
学生時代の友人の結婚式に出席した。
私の周りは未婚率が高いので、現状結婚式に出席したのはこの1回のみ。

この元・友人。
中学・高校の時は常につるんで遊びまくっていたけれど、お互いに働きだしてその子に彼氏(後のご主人)が出来てから本当に疎遠になった。

たまに地元で見かけて声をかけても、興味なさそうにあしらわれた事なんて数知れず。

完全に周りの人間関係が変わり、それぞれのフィールドも違ってしまったんだと「別世界に行った人」なみの認識にすらなっていたある日。

彼女から結婚式の招待状が届いた。

あんなにぞんざいに扱ってきたわたしに花嫁姿を見られたいですか?いや、見せたいのですか?という疑問が拭えない。

挙式当日は阪神タイガースのファン感謝祭とモロかぶり。どうしても鳥谷を見たかったわたしは本気で悩んでいた。

しかし、他の友人たちに諭された。せめて結婚式ぐらいは行ってあげようよ、と。今だから断言するけれど、それはそれはもう本当に渋々。完全に心は「鳥谷>友人」だったから。

礼服買って、美容院でヘアセットして、ご祝儀を包む。それなりのお金を使い馳せ参じた次第だが、そこで

「あ。これ、人数合わせで呼ばれてんじゃね?」

と、察知してしまった。

そりゃそっか。
道で会ってもぞんざいに扱われてたのに、こんな時だけ「あなたには絶対来てもらいたい!」なんて懇願してくる人の言葉を鵜呑みにしたわたしが浅はかだった。


案の定、挙式以降更に疎遠になり年賀状を送っても「宛先不明」で戻ってくる始末。住所変わったの?と連絡すると「言ってなかったっけ?」とさらっと交わされたりもした。

親密さと突き放しの往来が激しくて、もう無理だなと悟ったわたし。

「やっぱり出席するんじゃなかったな……」と後悔の念が押し寄せる。やっぱり自分の直感を信じれば良かった。


これが私の結婚式の思い出話。
未だに、一緒に出席した友達に語り継いでいる単なる黒歴史。

随分時が流れて、時折里帰りをしている彼女とスーパーでバッタリ鉢合わせた事もあった。
向こうは一瞬ハッとした表情を見せたけれど、こちらはスルーを決め込んだ。大人気ないんだろうけど、あの時の憂さはそれで晴らさせてね。



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