障害者であること
先月、障害者になった。
病名は、「パニック症」。パニック障害というやつだ。先月から発症したわけではなく、診断されたのは、1年ほど前のこと。7〜8年前程前から症状自体はあり、誤魔化しながら生活をしていたが、会社員になって、そろそろしっかり向き合わなくてはと思って、重い腰を上げて病院に行った。案の定、という感じではあっった。
そんで先月、申請をしていた障害者手帳が届き、晴れて障害者となったわけだ。等級は3級。日常生活において困難なことはあれど、薬や周りのサポートや工夫次第でなんとか生きていける感じ。
受けられるサービスはいくつかあるようだが、今のところ、障害者になる前との変化をさほど感じていない。
「パニック症」は100人に1人くらいはいるらしい。あの強烈な不安や恐怖感を感じたことがある人がそんなにいるとは実感が湧かない。
僕の主な症状は、閉鎖空間(電車やバス、エレベーターなど)がダメなこと。自分の意思で、その場所から出たり、コントロールできない場面が耐えられず、パニック発作が起きてしまう。そして、その状態に陥ってしまうのではないかという、予期不安もある。また、それに近い環境にいると、頭痛、吐き気、めまいに襲われる。病院では、「広場恐怖症」とも診断された。
この辛さを経験したことがある人なら分かるかもしれないが、あの症状が現れ始めた時の恐怖は世界で一番恐ろしいものだ。僕は、これが続くなら死んだ方がマシだと思った。そして、そんな日常の恐怖に怯えていると鬱になる。定期的な抑うつ状態も僕の症状の一つだ。
今は、薬や生活を工夫することで、何とか症状を抑えているが、今後悪化しないとは言い切れず、その影に怯えながら生活している。
「パニック症」は世間でどれくらい知られているのだろうか。僕は、家族や会社、友人の中で理解があり、まともに話せる人とはまだ出会ったことがない。メディアでは、著名人がパニックを公表していたりするので何となく、広まっているように感じるが、実地の肌感ではめちゃくちゃマイノリティだと思う。僕が、病院に行かずほったらかしにしていた理由もそれだ。自分の症状を話しても相手に理解されず、病気として認識できなかったのだ。
パニックに苦しみ、同じ思いをしている人はたくさんいるはずだ。そして、孤独だと思う。パニックが起こる場面は人によって違うし、出来ること出来ないことの基準も全然違う。嘘みたいな話だけど僕は、日本や地球から出られないことや、自分というこの肉体から出られない事に対してもプチパニックに陥ったりする。
自分が自分であろうとする気持ちが強いとパニックはすぐに襲ってくる。自分の人生に真剣に向き合い、自分を大切にしようとすればするほどパニックは襲ってくるのだ。
正直、パニックが完全に悪いものだとも言い切れない。なぜなら、人よりも危険を察知したり、自分を客観視する能力が高いとも言えるからだ。物事を構造的に見すぎるがあまり、高電圧が流れるレールの上を鉄の乗り物が高速で走る密室の乗り物(電車)が怖く感じてしまうのだ。
僕は、毎日自転車を1時間以上乗るけど、一度も怪我したり事故に遭ったりしたことがない。それは、パニックのおかげなのかもな、と思いながら。
こういった、マイノリティの病気や症状で苦しんでいる人同士で、気軽に話せる場があったらどんなに楽だろうと思う。僕は親にも会社にも話してみたが、全く相手にされず、ひどく失望した経験がある。仕方がないことなんだろうけど。
もし、パニックで悩んでいる人がいたらぜひ、お話聞かせていただきたいと思います。
今回、僕の経験が少しでも同じ境遇で悩んでいる人の力になれば、と思い思い切って書いてみました。
元気に楽しく自由に生きたいだけなんですよね。パニックって。
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