MBA Essentials 2021<総合コース>春 第1回 MBAイントロダクション春
春。学びがはじまる季節ですね。
昨年の「秋」につづいてMBA Essentials 2021(早稲田大学ビジネススクール、日経ビジネススクール 主催)を受講するので、アウトプットしていきます。
一緒に学びましょう!
MBA/MBA Essentialsって何?
MBA:
経営学修士(Master of Business Administration)
MBA Essentials:
・早稲田MBAのカリキュラムから「ビジネスに役立つエッセンス」をピックアップし、一流講師が講義する屈指の人気プログラム
・今期(春)も800名以上が受講! 前回の秋より3割くらい増えてる
・東日本大震災の援助のために受講料を寄付することがスタートのきっかけ
第1回 概要
MBAイントロダクション春
講師:内田 和成 先生
早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授
ビジネススクールで学ぶ基本中の基本である戦略とマーケティングについて、 通信販売大手の「ジャパネットたかた」を取り上げて、ケースメソッド(ディスカッションスタイル)で実演します。ビジネススクールのオリエンテーション合宿やWBSの説明会などでも行われた看板授業の再現です。
「学びは楽しい」を感じる回
実は、
今回は何か持って帰れるものを学んでもらうためじゃなく、
「学ぶって楽しいな」を感じて欲しいと内田先生はおっしゃっていました。
講義の最後に😁
先生、それ最初に言った方がいいです!
というのも、
この講義に参加される方って、みんなすごい勉強熱心なんですよね。
Zoomのブレイクアウトルームでのディスカッションの時間もすごい前のめりで議論されます。
みんな「何か持ってかえるぞ!」って気がまんまんなのです。
まぁ私も、なんですが。
題材「ジャパネットたかた」
題材自体は古い情報です。
①2001年の新聞記事
②2016年くらいの映像
を見て → 課題について個人で考え → 5人くらいの部屋でディスカッションし → 先生とみんなの前で自分の考えを発表する。
という流れです。
課題はこんな内容です。
1.ジャパネットたかたの戦略について考察する。
✅マーケティング戦略の特徴
✅顧客は誰か
✅競争相手は誰か
✅自社の強み(コアコンピタンス)は何か
2.今後想定される課題を検討する。
ちなみに、私はジャパネットたかたで買い物したことはないです。
参加者で買い物したことある人も2割弱でしたね。
講義で使用された動画では、ニコン一眼レフカメラD3300 ダブルズームキットが、ケースやプリンタ(!!)等10点セット、下取りありで69,800円でした。
Amazonで調べたら、カメラとレンズだけで9万以上していたのでめちゃ安い!
買うつもりのない人を引き込む力はほんとすごいですね。
講義でのポイント
参加者から出た意見と先生の補足の中から、ポイントを紹介します。
なお、「今後想定される課題」は時間がなく議論できませんでした。残念。
✅マーケティング戦略の特徴
①抱き合わせ、オールインワン
カメラなら、SDカードは別途量販店で買う、なんてことをしなくていいように全部セット(オールインワン)で売ります。
これは顧客が初心者/ビギナーであることとリンクしています。
②取り扱うのはナショナルブランド(NB)
これはユーザーが安心しますね。たとえ「ジャパネットうちだ」とか言う新興の業者だったとしても、扱っている商品がNBであればユーザーは安心です。
③品揃えを絞る/選択肢を少なくする
「2色から好きな色を選ぶ」くらいで、残りのセット内容は同じです。選択肢が多すぎると返って買わなくなってしまうというジャム理論(ジャムの法則)でお馴染みのやつです。
④自分で使ってみせる
「あ、結構簡単に使えそう」「○○な場面で使えそう」とユーザーが使うシチュエーションをイメージできます。
⑤消費者目線(メーカー視点ではない)
今回見たカメラ販売の動画では、「カメラの説明をせずに写真っていいよね」って話を長々としゃべってました。カメラの機能説明も最小限です。モノ売りじゃなくコト売りに近いかもしれません。
⑥ラジオ(信頼、人柄で売る)
実はラジオでの売り上げが多いのは驚きです。内田先生から「ラジオで(見えない)ジュエリーが売れるのは驚き」という話があったのですが、信頼・人柄のなせるわざです。
⑦「型落ち品」は誤解
ジャパネットたかたで扱う商品が「型落ち品」というイメージは間違いで、現行品&定番品を扱っているそうです。
✅顧客は誰か
①ビギナー(何を買えばいいかわからない人にセットで売る)
②シニア層(テレビ/ラジオ視聴者、ITに強くない人⇔価格com)
③衝動買い(⇔目的買い)
④受け身
⑤主婦層
⑥ロジャースの普及理論 ★先生補足ポイント
Wikipediaより
ジャパネットたかたは真ん中(普及率50%)より後のレイトマジョリティ、ラガードな人たちをターゲットとします。それより前の人たちはビギナーではないので、ビギナー向けの商品は買わないのです。
✅競争相手は誰か
①量販店(商材/アイテムが同じ)
②町の電気屋さん
③YouTuber
「買うつもりがないのに買ってしまう」という点では、昔は町の電気屋さんでしたが、今はYouTubeですね。内田先生もYouTube見て買うことがよくあるそうです。
✅自社の強み(コアコンピタンス)は何か
①高田社長のプレゼン力
②受注から流通までトータル対応
③自前のスタジオ+生放送(状況見ながら売れる)
自前のスタジオを持つことは、コストダウンになる、という見方はちょっと違うそうです。
自前のスタジオを持つことで、希少資源である高田社長を有効利用しているのです。(TV局に行くと時間がかかる)
なぜナショナルブランドで勝負できるのか
実は、TVショッピングでナショナルブランド(NB)を売るのは大変なのです。
みなさんよく目にするTVショッピングは、価格がよくわからないプライベートブランド(PB)商品ではありませんか?(黒真珠のネックレスとか)
それって、もとの価格が想像できないので売るのがNBより楽なのです。
逆に、NBは「価格が消費者にバレてる(価格comで検索すればすぐに最安値がわかる)」「NBは価格コントロールができない」から売るのが難しいのです。では、なぜジャパネットたかたはNBを売ることができているのでしょうか?
✅ポイント
①メーカーで売れ残った機種を安く買う
年間でいくつも機種をつくっても、「すべてヒット」するわけではありません。ヒットしなかった、と言っても「機能的には何の問題もない」という点が重要です。
②ブランドを棄損を回避する
単純に安売りしてしまうと「このメーカー品は安物だ」という印象を消費者に与えてしまいます。これはメーカーが絶対に避けたいことです。
これを避ける手段が、「オールインワン(抱き合わせ)」と「下取り(値引き)」なんです。これによって、「単品で安い」という印象を受けづらくしているのです。全然そんなこと気が付いていませんでした。
→「三方よし」(ユーザー、メーカー、たかた)
まとめ
「初心者」に「量販店の価格」で「街の電気屋のサービス」を提供してくれる(と思わせる)
ことがジャパネットたかたの成功の秘訣です。つまり、
①顧客、②マーケティング戦略、③経営資源・オペレーション
に整合性がある
ということが大事なポイントです。
✅講義でつかったコンセプト・フレームワーク
①STP(Segmentation、Targeting、Positioning)
②3C(Customer/顧客、Competitor/競合、Company/自社)
③4P(マーケティングミックス、Product、Price、Place、Promotion)
④普及理論
⑤戦略とオペレーション
⑥コアコンピタンス
その他
・高田社長のTVと普段のしゃべり方は全然違うそうです。
・課題として、ロジャースの普及理論の右半分の商品が少なくなっている。
・高田さん本人の強みは本人にしか出せないので同じ方向性での引継ぎは難しい。
この記事を読んだだけでは「学びは楽しい」とはなかなか感じでいただけないと思います。「参加して、自分で考え、他の人の意見で気づきを得る」という体験が「楽しい」と思わせるものだと考えています。
私の力不足もありますが、ほんの少しでも「学び」を得ていただければ幸いです。
本日の学びはここまで。また来てください。
この記事を書いている「高橋ひろあき」とは?
内田先生の『仮説思考』と『マンガでわかる!仮説思考』を購入したので、別途アウトプットします。
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