在宅酸素療法に関して
いま、あなたには大切な人はいますか。
大切な人のために
あなたのやさしさに知識を加えてください。
この知識は、だれかを助けるだけではなく、あなた自身を救うことがあるかもしれません。
そして現在、在宅酸素療法をはじめられた方々と治療補助、介護補助をされている方へ
「皆様、お疲れ様です」
これから在宅酸素療法を必要とされる方々に、少しでも役に立てればと
執筆しております。
この中で説明している機種は限定されていますが、基本的には全体の
取り扱いは同じ要領ですので、参考にしていただければ幸いです。
在宅酸素療法とは
肺の機能が著しく低下することによって、血液中の酸素濃度が不足する場合に医療機関の支持のもとで自宅において酸素濃縮装置及び酸素ボンベタイプを使用する療法のことです。
取り扱い時の絶対守ってほしいお願い
直火には絶対に近づかないでください。酸素鼻孔カニューラに引火すると顔が大やけどの状態になりさらに酸素鼻孔カニューラから延長ホースで、まさに導火線のように火が走り機械から住宅に燃え広がる危険性があります。
(火傷した状態では速やかな消火作業はできません)
絶対に近寄らない、近づけないを、守ってください。
お願いいたします。
もしも引火してしまった場合は、酸素鼻孔カニューラをはずして、酸素濃縮装置の電源スイッチを切る。または、酸素ボンベは酸素吐出バルブをいち早く締めてください。
在宅酸素療法の室内装置と使用方法
ハイサンソ3S 酸素濃縮装置【帝人ファーマ株式会社】を使用していますので、この機種の取り扱いに関して説明をいたします。
機器の大きさは、幅345mm×奥行342mm×高さ508mmで、空気清浄機程度の大きさだと考えていただけければいいです。
(他機種に渡る機種があります、停電時に対応できるバッテリー内蔵の機種などもありますが、長時間の停電には対応は難しいので、多めに酸素ボンベを頼んで在庫しておいた方が賢明です)
設置場所
100V電気コンセントが近くにある場所で、水気のない場所、高所でなく転倒しない床設置、カーテンや物で空気の取り入れ口がふさがらない場所、室内に置き5℃~35℃の環境での使用などなど、いろいろと条件がありますが、機器の周りの空気を取り入れて濃縮してホースで送りますので、基本的には空気のきれいな場所となります。
※この機種以外にも供給されている機種等がありますので、詳しくは使用機器ごとの説明書をご確認ください。
使用方法
酸素濃縮装置を設置したら、機器右上部にある酸素取出口にホースを差し込みます。
機器に近い場合は酸素鼻孔カニューラ(ホース)を、また機器から離れて行動するなどの場合は延長ホース(3m)を必要な長さ分(10m以内)繋いで、最終部分に酸素鼻孔カニューラを付けます。 (トイレ、風呂などは延長ホースが役立ちます)
電源プラグを100Vコンセントに差し込みます。左側上部の運転スイッチを1秒以上長押しします。
ピッピッピッとブザーが3回鳴り、お知らせランプ、表示ランプ、異常ランプ、カニューラランプ、電源ランプが点滅します。
すべての表示が消えてお知らせランプが緑に変わり[運転を開始します。火の気がないことを確認してください]とメッセージが流れて酸素が出てきます。その後、設定流量のメッセージが流れますので、表示を見ながら医師から指示された流量に設定してください。
設定が完了したら酸素鼻孔カニューラをつけてます。
メンテナンス(定期的な点検や清掃)空気取入口フィルターを、出来れば毎日清掃してください。
在宅酸素療法のお出かけ用ボンベと使用方法
呼吸同調式レギュレータ サンソセーバー5【帝人ファーマ株式会社】とボンベを使用していますのでこの機種に関しての説明をいたします。
サンソセーバー5をタンクにセットするには上部に空いた穴に酸素ボンベを差し込みます。
が、手前に緑色、奥に赤色のしるしが、酸素ボンベとサンソセーバー5についているので色を合わせてセットした後右側の黒い大きなハンドルを時計回りに回して締めて固定します。
固定ができたらサンソセーバー5の左上部の酸素出口ノズルに酸素鼻孔カニューラを取り付けます。
酸素ボンベのバルブを少し開けるとサンソセーバー5の圧力計の針が残量の表示をします。この時酸素ボンベのバルブは全開に開けると全開の位置でバルブのパッキンが固着してしまう可能性があり、閉まらなくなるので1/3から1/2程度の開け方で十分です。次にスイッチを【切】から【入】にします。【入】にすると呼吸した時だけ酸素が供給されますので呼吸同調式となるわけです。この時に酸素が呼吸したら本当に出ているかの確認は、酸素鼻孔カニューラのホースをつまんで離すと酸素出口ノズル下の【呼吸 緑ランプ】が作動して確認できます。サンソセーバー5の圧力計を、2~3回呼吸した後に確認することをお勧めします、なぜなら酸素吐出バルブが何かの拍子に締まっていても、呼吸同調の作動はします。この時に圧力計が下がっていたら、酸素吐出バルブの開閉を確認してください。スイッチの【切】下側に【連続】の表示があります。その位置までスイッチレバーを回すと呼吸に合わせてではなく、そのまま連続で酸素が出ます。
酸素が出っぱなしになる状態では、すぐにタンクが空になりますので注意が必要です。
サンソセーバー5とタンクを布のケースに入れて台車でけん引しながら、外出先で使用しますが、台車でのけん引だけでなく布ケースは背中にリックのように担ぐこともできます。
ただし、通常使用する酸素ボンベタイプV2.1は約2.1kgの重量と布ケース0.5kgプラス、サンソセーバー5が0.64kgなので、外出が可能な患者様でも長時間の使用は負担が多くなります。(V2.1の総合計重量は、3.24kgです)
では少し小さめの酸素ボンベタイプV1.1は約1.5kgの重量と布ケース0.85kgプラス、サンソセーバー5が0.64kなので、少しだけ軽いですが、やはり大変です。
(V1.1の総合計重量は、2.98kgは約3kgです)
酸素ボンベのタイプと吸入流量によって使用できる時間に違いがありますので、取り扱い説明書をメーカーごとに確認してください。ちなみに同調モードで、酸素ボンベタイプV2.1で、吸入流量2ℓ/分で8時間15分が基準時間です。また、酸素ボンベタイプV1.1は吸入流量2ℓ/分で4時間15分です。
連続の場合では同調モードの約1/4の時間となります。
サンソセーバー5は裏側に単三電池を2本使って作動していますので、電池が切れると同期作動はしません、その時は連続にすると酸素の供給がされます。
(乾電池の予備を準備してケースのポケットに常時保管しておくことをお勧めします)
※ 単三電池、2本
携帯型酸素濃縮装置の仕様と利用方法
説明使用機種 ハイサンソポータブルα (帝人ファーマ株式会社)
仕様と性能呼吸同調式レギュレータ式で、呼吸同調式レギュレータ サンソセーバー5のボンベ式と同じです。
ハイサンソポータブルαは、電気で作動しますので電源が必要です。
消費電力 32w(同調3ℓ/分相当時)
使用できる電源は 100vAC電源。 DCアダプター(車シガライター等)
専用イオンバッテリー本体と予備携帯して、バッテリーで作動させた場合の時間の目安ですが、1ℓから3ℓ/分の場合約2時間30分 予備バッテリー仕様で、約5時間と仕様書ではなっています。
バッテリー満充電までの時間は、本体バッテリー、予備バッテリー共に約3時間です。
実際にこの時間内で使用していないので、バッテリーの劣化や外気温度の影響は実証していません。
寸法 240mm(幅)✕112mm(奥行)✕211mm(高さ)
重量 2.5Kg(本体のみ)
携帯用ではありますが、病人が背負うには少し重量があるので、台車で使用した方が良いと思われます。ただ、車で長距離移動などで、渋滞に巻き込まれたときなどは車に積み込んでおくと安心できます。
例えば、医療用酸素ボンベを使用分と予備の2本で出かけても、屋外での活動で消費した後の帰り道での渋滞では、ボンベ残量が持たない場合が考えられますから、DC電源利用で酸素供給ができるのはありがたいです。
先日、出先でボンベ2本の残量がなくなって、たいへんな思いをした経験から、自家用車での長時間や長距離のお出かけには、事前に業者様から貸し出ししてもらうと安心できます。
在宅酸素療法装置の貸し出し業者の選び方
基本的には、ご自分で決めるのではなくて担当医師の紹介となります。
患者様がかかっている病院の紹介か、または訪問診療の担当医師の紹介と言う意味です。
ただし、患者様とご家族でまだまだ旅行や地方の実家(故郷)へのお出かけや、海外旅行を計画されている方などは、担当医師の紹介だけでは対応できない場合もあります。
それは、日本国内の地方や海外の特定地域などに、酸素濃縮装置や酸素ボンベの手派ができる業者様であるかということです。(旅行支援サービスを参考にしてください)
【JIMGA 一般社団法人 日本産業・医療ガス協会】には、986に及ぶ会員登録をされた業者様がおりますので全国をもうらしていると思いますし、各都道府県で適切な業者様を医師または病院から紹介していただけますが、念のため相談は必要になると思います。
ここでは業者様のリンクは入れておりません。
ちなみに現在お付き合いさせていただいている業者様は
エア・ウォーター株式会社(本社 大阪市中央区)で
エア・ウォーター北海道、エア・ウォーター東日本、エア・ウォーター西日本と3社の組織
体制でヘルス&セーフティ事業内在宅医療を行っている部門に該当する下記の業者様のエア・ウォーター・ライフサポート株式会社 在宅事業部様にお世話になっております。
手当金支給
在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成認定申込みは、令和4年4月1日からすべての申請手続きの提出先が都道府県の本庁に一元化されます。令和3年3月31日までは保険所に確認していただくと申請書類等の内容がわかりますが、コロナ禍で保健所の業務が多忙なため、安定して支給認定業務を進めるための変更とされています。
認定された場合の支給日は申請日の翌月初め1日から適用となります。
在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成認定申請書には、医師の証明欄がありますのでご注意ください。尚、酸素濃縮装置の電気代相当が手当金支給対象です。
在宅酸素療法の費用
医療費負担1割は毎月7,680円、2割は毎月15,360円、3割は23,040円となりますが、装置のメンテナンス費用は医療保険の対象になるので、負担軽減で高額医療費控除、高額療養費制度を調べることも重要です。
注意事項
在宅酸素療法を使用しなければならないことは、生活に大きく負担がかかりますが、担当医師や看護士と家族に相談しながら頑張りましょう。
酸素ボンベの残量のチェックを忘れないようにしてください。
空になったタンク 二つのタイプのゲージ
酸素濃縮装置や酸素ボンベから酸素鼻孔カニューラを使っていても、自宅内である程度動ける患者さんの中には、ご自分で料理したり、コーヒー、お茶を入れたりとしたいときがあります。
メイン調理器具がガスコンロの住宅でIHクッキングヒーターに本格的に交換しなくても、ウォーターサーバーで薬を飲む水や、白湯を利用することができます。また、コンセントを差すだけで利用できる簡易IHクッキングヒーターも場所を考えずに利用できます。
現在は、とても便利に毎日利用していますので、安全面も問題ないと思います。
(簡易IHクッキングヒーターは食卓上で鍋料理に一番利用しています)
酸素自体は燃えませんが、酸素は燃焼するための促進剤と考えてください。ホースに火が付いたら【アッ】という間に燃え上がります。仏壇のロウソク、線香、たばこ、ガスコンロ、ストーブなどの直火からは2m以上離れて使用してください。火の燃える要素は、空気、燃料(燃える物はすべて)燃料に点火する火元、引火する温度です。ちょっとぐらい近づいて
も大丈夫とは思わないでください。
念のためにもう一度
火の近くは絶対にダメです。
こちらはキンドル本です。
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