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本の繋がり(2021)

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読んで良かった本を紹介しながら、考えた問いを書いていくマガジンです。小説、エッセイ、人文書、漫画など、ジャンルは問わず。本を通すことで、偶然の繋がりが広がっていくさまを記録してい…
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記事一覧

「考える」をやめてみる|2021年に読んだ本のまとめ(54冊)

僕にとって2021年は、よく本を読み、よく考え続けた1年でした。 ひたすら考え続けてきたわけですが、2022年の今年は「考えること」をなるべくやめてみようと思ってます。 2021年の総読書数は187冊でした。そのうち、月ごとにおすすめした計54冊をまとめて、「考えることをやめてみる」という結論を書いていきます。 1月|暮らしを考える(5冊)・たちどまって考える|ヤマザキマリ ・オタク女子が、4人で暮らしてみたら。|藤谷千明 ・ニューヨークで考え中|近藤聡乃 ・ニューヨー

基礎を考える|2021年12月に読んだ本

考えすぎて煮詰まったとき、勝手に複雑にしていたのは自分の思い込みだったりする。基礎に戻ってみると、悩みのタネは大概はシンプルだ。年末は自分の基礎を振り返っていく。 2021年12月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみた。 誰かの選書のヒントになれば嬉しい。 青が散る|宮本輝大学という空間が好きだ。ひらけているようで、閉じられているような人間関係の曖昧さ。翻弄されつつも、どこか居心地が良かった。過去に戻りたいとはあまり思わない。だけど、大学時代に写真を始めて世界が広

生きることを考える|2021年11月に読んだ本

食べることと生きることは切り離せない。 どんなに苦しくて辛くともお腹は減る。そして、満腹になると苦しさが多少は和らんだりする。生きることに悩んだとき、「食べること」を考え直すと見えてくるものもあるのではないか。 2021年11月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみた。 誰かの選書のヒントになれば嬉しい。 おいしいもので できている|稲田俊輔食へのこだわりや食に関する細かすぎる描写が続く。良い意味で変態性を感じさせる偏愛に触れられる。 こんな文章を書けたら面白い

わからないことを考える|2021年10月に読んだ本

わからないことがわからない。自分が見えているならば、他の人も努力次第では見えてくるはず。そう思い込むと、認識のズレはどんどんと広がっていく。歳を重ねていくと経験したことが増えてきて、応用できるようになって生きやすくなったけど、わからないことや知らないことを咎めることはしたくない。自分の経験は自分だけのものだ。 2021年10月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみた。 誰かの選書のヒントになれば嬉しい。 イドコロをつくる|伊藤洋志 「依存」って悪くないのかなと思って

なくなることを考える|2021年9月に読んだ本

今まであって当然だったことが急になくなってしまう。切なくなったり、悲しくなったり、「だから言ったのに」という人も出てくる。でも、辛くて後悔することも悪くないことかもしれない。みっともなく喚くかもしれないが、なんであろうといつかはなくなるものだ。noteの下書きであっても。 2021年9月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみる。 誰かの選書のヒントになれば嬉しい。 52ヘルツのクジラたち|町田そのこ 誰にも声を届けられないクジラ、虐待、DV、毒親など、読む前にあらす

熟成を考える|2021年8月に読んだ本

最近、やりたいことを「寝かす」ようにしている。たくさんやりたいことはあるけど、理想と現実のギャップに打ちひしがれて、結局何もする気になれない状態が続いていた。「後回し」というと、良くないことのようなイメージがあったけど、アイデアを「熟成させる」と捉えると、不思議と無力感は消えたようだ。頭の中だけだと忘れるから、メモに使っているNotionにリストアップして、定期的に実行できるようにした。 2021年8月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみる。 誰かの選書のヒントにな

そこにあるものを考える|2021年7月に読んだ本

効率と無駄。どちらでもなく、ただそこにあるものについて考えを巡らせることがあります。存在を認知するだけに留まること。あるいは妄想と呼ぶのかもしれません。そのような、なんともいえない感覚を言語化してくれた本に出会えた月間でした。 2021年7月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。 誰かの選書のヒントになれば嬉しいです。 断片的なものの社会学|岸政彦この世界にいたるところにある断片。断片的なものに触れることで、必ずしも何かのきっかけになるわけではなく、大半

調和を考える|2021年6月に読んだ本

「協調性」という言葉は「みんなが我慢して同じことをする圧力」のようなニュアンスが感じられて、言葉として好きではないのですが、それに対して「調和」は、相容れないものでも混ざり合って変化していく意識が含まれているようで、なんだか好きな言葉です。 2021年6月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。 誰かの選書のヒントになれば嬉しいです。 陰翳礼讃|谷崎潤一郎 日本文化の美意識や暗がりに対しての感情はどこから来ているのか。西洋近代化して便利になっていくことで、

選択肢を考える|2021年5月に読んだ本

選択肢は多ければ多いほどいい。 本当にそうでしょうか? 最近はさまざまな媒体で、自分の個性を発信する人が増えています。人それぞれの生き方のお手本が提示されているから、昔よりも辿り着く選択肢が増えたように感じます。 でも、選択肢の多さが生きやすさに繋がるとは思えないんです。今度はその中から「どの選択肢を選ぶのか」を悩んでしまうようになる。これが結構深みにハマると苦しいから。なかなかちょうど良くはならないものですね。 「正解はコレ!」と1つの選択だけ提示されるのも、「AかB

繋がりを考える|2021年4月に読んだ本

「繋がり」という言葉をよく使うようになりました。 人であったり、経験であったり、幅広い意味で使ってます。バイク事故で病院に行ってから自分の体の不調に気付けたので、心と体の繋がりも意識し始めました。 僕はどちらかと言えば、自分でなんでも決めたいし、1人の時間がたくさん欲しくて、自分でたくましく生きていける人だと思っていたんです。 ツラいとき、挫折したとき、いつだって自分の中で解決してきました。でも、最近はそんなときに周りの友人に話を聞いてもらうようになりました。パンデミック

正しさを考える|2021年3月に読んだ本

人が「正しさ」「正解」「正義」の言葉を口にするとき、「想像力」には注意が必要です。なぜなら、人や環境によって「何が正しいと信じているか」はそれぞれ違うからです。 話題の「教え魔」は、正しさの押し付けから生まれます。経験を積むと、知識が増えて、色んなパターンに対処してきたから、ある程度新しいことにも動揺しなくなるんですよね。だから、初心者や歳下の人がしていることに、つい「自分の正解」を教えてしまう。それが相手にとっては「的外れな意見の押し付け」に感じることがあるから、「教え魔

ルールを考える|2021年2月に読んだ本

ルールって何のためにあるのでしょう? 上手く活用すれば、ルールは「考える」という面倒な過程をスキップして、無意識に楽に過ごせます。だから僕たちは「何のためにルールを守っているのか」という本質をすぐに忘れてしまう。「ルールを守ること」が最優先になって、快適に過ごすためのルールに束縛され、疲れ果てていく。 先月は様々な自分の習慣が崩れがちで焦っていました。自分で作ったルールを何も考えずに守るばかりで、本質や生まれた疑問の解決を忘れていたような気がします。だからなのか、読んだ本

暮らしを考える|2021年1月に読んだ本

新しい本との出会いは、いつだって面白いです。 同じ本でもその人の状況やタイミング次第で、素晴らしく思えたり、全く理解できなかったりします。先月読んだ本たちは作者の暮らし方が書かれた本ばかりでした。新年という区切りのタイミングで、自分の暮らし方を見つめ直したかったのかもしれません。 2021年1月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。僕はnoteの記事から読みたい本が見つかることが多いので、この記事が誰かの読書のきっかけになれば嬉しいです。 たちどまって