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【1位はあの選手】最もネットで検索されたパリ五輪日本人メダリストは誰なのか

日本のメダル獲得数は海外大会で最多

昨週の日本時間8月12日朝に(現地時間8月11日)に閉幕したパリオリンピック。約2週間の激戦の中で、日本選手団は金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個を獲得し、金メダル獲得数では前回東京大会に次いで2番目、海外開催の大会では過去最多となった。金メダル獲得数ランキングでも、アメリカ、中国に次ぎ、世界第3位と好成績を収めた日本選手団。大会終了から1週間が経過した現在も、日本中がその歓喜の余韻に包まれている。

個人別にみるともっともネット上で注目された選手はだれなのか

今回獲得したメダルの競技数の内訳は、以下のようになったが、実際ネット上で最も注目された選手はいったい誰だったのだろうか。
金メダル・・・体操3、陸上競技1、フェンシング2、柔道3、スケートボード2、レスリング8、そして今大会の新種目ブレイキンで1だった
銀メダル・・・水泳2、レスリング1、セーリング1、卓球1,フェンシング1,柔道2、近代五種1、スポーツクライミング1、スケートボード2
銅メダル・・・体操1,レスリング2、卓球1,馬術1、フェンシング2,柔道3、バドミントン2、ゴルフ1

今回は、wikipedia検索数とwikipedia検索数上位5人のgoogle trendの人気度に着目することで、ネット上でもっとも検索されたパリオリンピックメダリストは誰なのか解析する。また、今回の解析では、団体競技のメダリストは除外し、個人種目またはペア種目のメダリストを対象にしています。

また、データの抽出期間は下記の通りとなっています。
wikipedia検索数・・・2024年7月26日~8月17日までのデータ
google trendの人気度・・・2024年7月26日~8月17日までのデータ

金メダリストのwikipedia検索数

図1 金メダリストのwikipediaPV数の推移

図1は、パリオリンピックの金メダリストのwikipediaのPV数の推移を表したものである。1日のPV数が最も多かったのは、日本勢で初の金メダル獲得となった柔道48kg級の角田夏実選手だった。開幕直後のムードの中でのパリオリンピック日本勢初の金メダルとなったことが、金メダリストの1日のPV数として最大の182,227PV(7月27日)につながったといえるだろう。次いで多かったのが、やり投げで日本勢女子フィールド種目史上初の金メダル獲得の快挙を成し遂げた北口榛花選手である。日本勢史上初となる金メダルのほか、プレー中の休憩スタイルも話題を呼び、メダル獲得翌日の8月11日のPV数が171,997PVを記録した。このほかに、1日で100,000PV以上を獲得したのは全て2連覇の快挙を果たした選手たちであった。開幕前より注目度の高かった、柔道66kg級で2連覇を果たした阿部一二三選手(148,637PV、7月28日)、スケートボードストリートの堀米雄斗選手(117,059PV、7月30日)柔道81kg級の永瀬貴規(102,987PV、7月30日)で、その快挙が強い国民の関心を引き寄せたといえる。
一方で、体操で3個の金メダルおよび1個の銅メダルを獲得した岡慎之助選手は、1日の最大PV数98,803もさることながら、連日の競技出場により、PV数のピークが複数あることがわかる。これは同じく、柔道団体戦決勝に出場した角田夏実選手や阿部一二三選手もみられる特徴で、選手たちの期間中を通した活躍が世間の持続的な関心の高さ結びついているといえる。

銀メダリストのwikipedia検索数

図2 銀メダリストのwikipediaPV数の推移

続いて図2は、パリオリンピックの銅メダリストのwikipediaのPV数の推移を表したものである。1日のPV数が最も多かったのは、柔道90kg級で銀メダル獲得した村尾三四郎選手だった。メダルを獲得した7月31日には、全メダリストの1日のPV数で最も多い317,510PVを記録した。その要因は考察が難しい部分が多いが、そのくっきりとした顔立ちからも伝わるニューヨーク出身のアメリカ人の母を持つ柔道家という異色の経歴や、疑惑の判定とも揶揄された試合により世間の関心が高まった可能性が考えられる。銀メダリストで1日のPV数が50,000を超えた日があったのは、スケートボードパークの開心那選手で、試合当日の8月6日に59,413PVを獲得している。

銅メダリストのwikipedia検索数

図3 銅メダリストのwikipediaPV数の推移

最後に、パリオリンピックのwikipediaのPV数の推移として最後となる、銅メダリストについて見てみよう。1日のPV数が最も多かったのは、開幕前より高い人気を誇り、大会中にはけがを抱えながらも満身創痍のプレーを見せた卓球の早田ひな選手となった。早田選手は、メダルを獲得した8月3日に83,283PVを獲得したほか、団体戦での活躍時にもPV数を伸ばしていることが上図からもわかる。銅メダリストではほかに、ゴルフの松山秀樹選手(55,756PV、8月4日)や、柔道男子60kg級の永山竜樹選手、女子57kg級の舟久保遥香選手、男子73kg級の橋本壮市選手も、いずれも40,000PVを超える高い注目を集めていた。

全メダリストの1日最大PV数および期間平均PV数トップ10

図4 パリオリンピックメダリストの1日最大PV数および期間平均PV数トップ10

次に、全メダリスト(個人競技、ペア競技含む)の1日の最大PV数および期間平均PV数が多い選手トップ10を見てみよう。

1日の最大PV数および期間平均PVともに、トップ4は村尾三四郎選手、角田夏実選手、北口榛花選手、阿部一二三選手となった。1日の最大PV数が多いほど、期間平均PV数にも一定の影響があるため、1日で30万PV以上を獲得した村尾選手をはじめ、1日に10万以上のPV数を獲得していること選手が上位4位を占めるこの結果は妥当といえるだろう。特に、柔道の村尾三四郎選手、角田夏実選手、阿部一二三選手は、柔道団体決勝にも出場、銀メダルを獲得しており、世間の注目を継続的に集めたことが、期間平均PV数でのランクインに貢献したといえる。その中で、陸上の北口榛花選手がいずれも3位にランクインしているのは、海外勢が圧倒的多数を占める陸上界での女子フィールド種目史上初の金メダルという偉業をたたえる意味での、国民の注目の大きさがうかがえる。

一方、5位には1日最大PV数ではスケートボードの堀米選手がランクインしたが、期間平均PV数では体操の岡選手がランクインした。これも、上述した通り、岡選手が複数種目に出場し複数のメダルを獲得したことで、世間の関心を大会期間中常に集めた結果といえるだろう。この傾向は、卓球シングルスおよび団体でメダルを獲得した早田ひな選手や、これらとは異なる文脈ではあるが、そのルックスで海外でも話題を集めた志田千陽選手が大会期間を通じて関心を集めていたことが、1日最大PV数よりも期間平均PV数において、高い順位でランクインしている要因といえるだろう。

1日の最大PV数では8選手が金メダリスト、期間平均PVでも7選手が金メダリストであり、特に2連覇の快挙を達成した話題性のある金メダリスト獲得者が上位に名を連ねる中、1日の最大PV数は唯一の300,000PV以上獲得で1位、期間平均PVでも1位を獲得した村尾選手は、上述した以外にも、試合または試合後に世間の関心をつかむ要素があったに違いないが、筆者は決定的な要因にたどり着くことはできなかった。

最後にGoogle Trendで期間平均PVトップ5の選手の人気度を見てみる


図5 期間平均PVトップ5の選手のGoogle Trendでの人気度比較

Google Trendでは、全選手の中で最も人気度が高い時点を100として、それぞれの選手の各時点でのGoogleでの検索キーワード需要を見ることができる。相対的な指標ではあるが、どの選手が、どの時点で特に検索されていたのかが、一目瞭然である。

Google Trendで浮かび上がってきたのは、阿部一二三選手の圧倒的な検索キーワード需要である。上図のグラフは、金メダルを獲得した7月28日の人気度が、他の4選手のメダル獲得時の2倍以上の回数の検索が行われていたことを示しており、妹の東京オリンピックで金メダルを獲得した阿部詩選手とともに注目度の大きい選手の一人であった阿部一二三選手への関心の高さが如実に表れている。

一方で、Wikipedia閲覧数で上位4選手となったほかの、村尾三四郎選手、北口榛花選手、角田夏実選手はGoogle Trendでも3選手が同程度の人気度を示しており、媒体によらずこの4選手が総じてネット上での関心が高かったことを裏付ける結果ともなった。

オリンピックも、データで切り取ると、競技の結果だけでは測れない、世間の反応が見えてきて面白い結果となりました。

多くの感動と希望を選手たちから与えられた今回のパリオリンピック。本記事で注目したメダリスト以外にも、各選手が私たちの心に大きな勇気を与えてくれたことは確かです。選手のみなさんは、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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