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チームビルディング|チームエンゲージメントを高める

 こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いて自分、組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださったみなさんのお役に立てる人間を目指しています。

 今回は、チームメンバーが働きがいを見出し、チームエンゲージメントを高めるには何が大事か、という観点の記事です。

なぜ今エンゲージメントなのか

 昨今社員エンゲージメントの向上が求められるようになっています。会社は、全社員に対してサーベイを行いその結果をマネジャーにフィードバックし、マネジャーの率いるメンバーのエンゲージメントの度合い、改善ポイントを提示し、エンゲージメント向上を求めます。

 会社が社員エンゲージメントを重視するのは合理的な理由からです。米国のサーベイ会社の報告では、社員エンゲージメントと会社の業績に強相関があるというのです。
 この記事を書くにあたりあらためて「エンゲージメント」について調べましたが、その中でしっくりきたのは、以下のサイトでの説明でした。

 ここでいうエンゲージメントとは、
「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」
のことをいいます。こんな関係にあると、業績がいい、その相関は非常に得心するものがあります。何となく昭和的なウォームハートな関係性が重要である、という考え方を、米国の企業は、サーベイのデータに基づいて導き出した、ということも興味深いですね。

諸葛孔明の逸話

 これは古今東西普遍的なのでしょう。諸葛孔明のこのような逸話が残っています。 

 ある戦いにおいて孔明は、自軍兵十万のうち、二割を交替で帰国させ、残りの八万で守りを固めることにしていました。ところが、敵が接近して小競り合いが始まると、味方の参謀の間から、「このままでは危ない。帰国予定の要員を引きとどめて兵員確保しましょう。」という進言がありました。しかし公明は、「わしは兵士に約束したことは必ず守ると誓ってきた。次の交替要員はすでに支度を整えて、その日の来るのを待っている。また、国もとの妻子も首を長くして彼らの帰還を楽しみにしている。困難な状況に直面しているとはいえ、いったん約束したことは守らなければいけない。」と言って、予定通り交替要員の帰国を命じました。ところが、この話を聞いた兵士たちは全員、帰国の延期を願い出て、「命の限り戦って、諸葛公の御恩に報いようぞ。」と誓い合ったという。
 諸葛孔明は、自分の部下かから「恐れられながら、同時に愛された」と言われています。これは部下の掌握術としては最高のレベルということができるでしょう。
(【新装版】孫子の兵法 守屋洋 著 産業能率大学出版部)

孫子の兵法

孫子の兵法では、兵士を掌握するための要点を以下の4つとしています。訳文を交えて記載します。

1)無駄な兵の使い方をしない。戦略的に動かす。
 「兵士は多ければ良いというわけではない。やたらと猛進することではなく、力を合わせて敵状を知り急所を攻めなければ人命を失うのみである。深慮なく敵を侮るなら、敵の思う壷だ。」
2)兵士には温情をもって接し、軍律をもって統率する。
 「十分に信頼関係を持っていないうちに罰すれば、心からは従わない。逆に、信頼関係があるからといって、罪を罰することを怠れば、同じく従わなくなる。
 ゆえに、兵士には温情をもって接し、軍律をもって統率する。」
3)普段から規律を守る。
 「常に規律に忠実に賞罰をすれば、兵士は従う。逆に規律を普段守っていなければ、兵士はいかなる時でも従わない。」

 現代の組織においても、まさにこの言葉は納得感があります。
このバランスが取れているような組織では、従業員は安心して力の限り働くことができる、すなわち高いエンゲージメントの組織であり、従業員は働きがいを持つことができて、ハイパフォーマンスチームになれることでしょう。

(引用・参考)


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