士は以て弘毅(こうき)ならざるべからず。 (論語 泰伯)
曾子曰く、士は以て弘毅ならざるべからず。
任重くして道遠し。
仁以て己が任となす。また重からずや。
死してしかしてのち已む。また遠からずや。
1フレーズずつ解説。
<人の上に立つ者は、弘毅でなければならない。>
弘=器量の大きく広いことを言う。つまらぬことで立腹してはいけない。
毅=強く断行できる、忍び堅く耐え、堪忍に堪忍を重ね、最後には断行する。
<任重くして道遠し。仁以って己が任となす。また重からずや。>
「任」とは、国を治める、組織を発展させる、といった人の上で組織を動かす立場であり、仁を尽くして責任を果たす。
<死してしかしてのち己む。また遠からずや。>
その責任を果たすにはあらゆる努力を生きる限り続けなければならない遠い道のりである。
度量を大きくし、忍耐と辛抱がなければ人の上に立つことはできない。
これが、この言葉に込められている主要メッセージとなっているのでしょう。
かつて孔子が「士」と呼んだのは一国の主であったり、組織の長たる将軍などの役割の人物です。
組織を運営するには様々な困難が立ちはだかります。理不尽極まりない出来事、自分ではなく、部下に降りかかる災難に対して対処しなければならないこと、天変地異や疫病など周辺環境の激変。
自分のせいではないあらゆる方向からいろんな矢が飛んできますし、組織の内側からも矢が飛んでくる、そんな状況と言えます。理不尽を治していくことは当然のマネジメント課題で、粛々と実行する必要があります。
耐え忍んでいる、そんな苦しみを外には見せず、表向きは飄々としている、だけど水面下ではその理不尽に対して懸命に対処するようなリーダー。
歴史の中では西郷隆盛や徳川家康などがその一例と言えるでしょう。
(引用)
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