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あたかも国は政府の私有にして人民は国の食客たるがごとし (学問のすゝめ)

こんにちは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いています。自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てるとうれしいです。

本日ご紹介する言葉は、「学問のすゝめ」から、明治時代福澤諭吉が日本国民の現状を表現した言葉です。

 江戸幕府の時代から、明治維新を経て制度やインフラを含め急激に近代化した日本において、日本国民のマインドは残念ながらお上頼みでした。江戸幕府から明治政府に、お上が変わっただけ、という状況に、福澤は大きな危機感を持ちました。

日本にはただ政府ありて、未だ国民在らずといふも可なり。

 国民も、政府と同等な主役なのだ、という意識が無い限り欧米列強と渡り合える国家は築けない。だから、国民には自ら学び成長し、国に意見できるようになれ、そして政府に対してはそれを提供できる環境を作れ、ということを、「学問のすゝめ」で主張しています。

 政府と国民は上下関係ではなく、対等な位置にあり、契約関係にある、という斬新な考え方を導入しました。

さてさて。

あなたの会社でもそんな感覚を持ったことはありませんか?

従業員は、事業においてやるべきことを提案することなく会社任せ、事業部長任せ、上司任せ になっていないでしょうか。

 企業は一体となって同じ方向を目指すべき、ということから、会社の大方針を受けて各事業が方針を立て、各部署へ方針展開を行う、この体系自体は間違いではありません。

 しかし、この状態はお上頼みで、お上の正しさに完全に依存状態になると、変化の激しい時代には、これだけでは実は心許ないのではないかと考えます。

 福澤が主張したように、会社と従業員が平等な契約関係にあり、従業員からも草の根活動を通じて提案できる、そして精度だけではない採用の場を設けることが、流動する社会の中での企業のあるべき姿勢なのだ、「学問のすゝめ」を通じて福澤諭吉さんから言われているような気がしています。

気になる部下


 私の組織にも、自分での意見を主張することなく、組織批判に徹するメンバーがいます。職場環境に、提案の機会がないかというとそうでもないのですが主体的に動くことはなかなかありません。
 そうしないといけない環境に放り込むという荒療治も考えていますが、心折れないか、心配は尽きません。
 これにはまだ答えはありませんが、もしそんな事例があったときにどうしたらよいか、アドバイスあればぜひコメントお願いします。

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