その以(な)す所を視、その由る所を観、その安んずる所を察すれば、人焉んぞ廋さんや。人焉んぞ廋さんや。(論語 為政)
(意味)
第一に、その人の外面に現れた行為の善悪正邪を視る。
第二に、その人のその行為の動機は何であるかをとくと観極める。
第三に、その人の行為の落ち着くところはどこか、何に満足して生きているかを察知すれば、
必ずその人の真の性質が明らかになるもので、いかにその人が隠しても隠しきれるものではない。
深く、より深く 視る→観る→察する
人の行為は一見正しければ良いというものではなく、その奥には、動機がある。動機が正しいのか、動機の源は、その人のありたい姿、信条のようなもの。
段々と深堀すれば、その人となりを理解できるということです。
人材登用
いつの時代も何かを為すにあたり、人材登用の巧拙は成功の第一要件です。
徳川家康は譜代の酒井・榊原・井伊・本多などを登用し国の安泰をもたらしました。家臣の中でもその人物の行為の動機、信条を見極めていたのでしょう。
動機善なりや、私心なかりしか
京セラ・KDDI創業、最近ではJAL再生などで名経営者として知られる稲盛和夫さんは、自らを客観的に視・観・察する人でした。
動機善なりや、私心なかりしか
KDDI設立の時など、事業を立ち上げるケースにおいて、この言葉を何度も自らに問いかけていたそうです。
(解説)
大きな夢を描き、それを実現しようとするとき、「動機善なりや」ということを自らに問わなければなりません。自問自答して、自分の動機の善悪を判断するのです。
善とは、普遍的に良きことであり、普遍的とは誰から見てもそうだということです。自分の利益や都合、格好などというものでなく、自他ともにその動機が受け入れられるものでなければなりません。また、仕事を進めていく上では「私心なかりしか」という問いかけが必要です。自分の心、自己中心的な発想で仕事を進めていないかを点検しなければなりません。
動機が善であり、私心がなければ結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。
(引用)稲盛和夫OFFICIAL SITEより
https://www.kyocera.co.jp/inamori/philosophy/words47.html
(参考、引用)
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