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現場で得られる知見を起点に本質的な価値を創出する。

こんばんは。今回はハーバード・ビジネス・レビューの記事を読んで、そこで感じたこと、学んだことについて書きます。

記事 身体知こそイノベーションの源泉である
[インタビュー]時代が変わってもマネジメントの本質は変わらない
野中 郁次郎 :一橋大学 名誉教授


 経営学において人や組織の生産性を高めるアプローチとして、科学的管理法と人間関係論がありますが、日本企業は「人間関係論」を元来重視していたようです。
 そして野中先生は日本の企業研究を進め「知識創造企業」を25年前に著しています。これをさらに発展した形で「ワイズカンパニー」を執筆し日本では2020年に発刊しています。


記事の要点「パーパスの共感」で自律分散型組織の進む方向を統一する


 私見ではありますが、ロングインタビュー記事の中から要点を一言でまとめると↑のようになりました。

 日本のメーカーでは、(比較的未知の)新たな製品を開発する場合、スクラム型↓

自由奔放ですが、ラグビーのように仲間がガッチリと組み合わさる「スクラム」
(記事引用)


の手法が取り入れられていました。現在のアジャイル開発においても「スクラム」手法が採用されています。
 (これと対比的な方法がウォーターフォール式(記事では「リレー」)と言って、組織部署間で成果物を完全分離式で次に渡す手法です。)

 スクラム型開発においては商品の定義は徐々に育っていくものであり、プロジェクトスタート時点では完全な商品仕様ができていません。
 それでは何を作ればいいのかわからない!となりますが(職場でもよく開発設計部門と企画部門、販売部門の争点になります。。。)、そこで大事なのは、エンパシー能力です。
「相互主観性」と言って、様々な立場から一つの対象物を眺め、意見を戦わせることで共感を作っていく。ワイワイと議論を深めていくことで本質的な普遍的な意味づけや物語が生まれてくるわけです。
 スタート時点では、はっきり定義できていない雲を掴むようようなところに不安を覚えるかも知れませんが、世の中に前例のない商品、その企業にとって新たな領域であれば多少なりともこの要素は含まれるはずです。

 このような開発においては各組織や個人が自律的に動いています。個人の暗黙知を、組織の知恵に取り込み形式知化することが組織と個人の成長には重要になってきます。
 この循環をスパイラルアップさせる知的活動を経ることで、本質的な価値創出ができる、という主張をしています。
 そしてこの循環をワークさせるには、プロジェクト、戦略、事業は何のために行っているのか?(パーパス)を共通認識を得ること、共感を得ることがスパイラルのスタートになります。

気づきポイント オンラインの環境下で共感力を保つべし!


 さて、現在の出社制限のある中、現物を全員が囲んで、感じて、意見を言い合うような場作りが困難になってきています。そんな中で共感を得る工夫が、現在の環境下でマネジャーに求められています。
 オンラインツール、ARの技術なども進化してきており、これらをフル活用して共感力を保つ工夫をすべきだな、というのが私のこの記事からの気づきポイントです。

賓主互換 (ひんじゅごかん)


禅に「賓主互換 」という言葉があります。茶道でもよく言われる言葉です。
(意味)時には主となり、時には客となり、光ともなり影ともなる。相手のことを思いやる慈しみの心や譲り合いの気持ちも、わたしがあなたであなたがわたし、その心から生まれる。

 本記事で重視する「相互主観性」とは、お互いの立場に立って想像してみるということで、「賓主互換 」に通じるものがあると思いました。

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