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尾瀬縦走 - 燧ケ岳・至仏山(2019.09.21-2019.09.22)[2] - 2日目

↑1日目

2日目は、見晴キャンプ場から出発して至仏山に登り、鳩待峠に下山するコース。

至仏山とは?

至仏山は尾瀬ヶ原の西端の標高2228mの百名山。
燧ヶ岳は噴火でできた山だが、至仏山は隆起してできた山。山体が蛇紋岩でできており、蛇紋岩はもろく崩れやすく、登るときは滑りやすい。
至仏山には蛇紋岩地帯特有の「カトウハコベ」「ホソバヒナウスユキソウ」「オゼソウ」などが生育するが、蛇紋岩は植物の生育に不適切なため森林限界も1700mと低い。(燧ヶ岳は2200m)

至仏山への登頂ルートは、鳩待峠から悪沢岳分岐・小至仏山を通るルートと、尾瀬側の山ノ鼻から登るルートの2つがあるが、山ノ鼻からのルートは登り限定となっているので要注意。

起床

5:00に目が覚める。雨の予報だったので、寝ている間に雨降るかと思っていたが、爆睡で気づかず。
朝起きるとめっちゃいい天気だったので、散歩して写真を撮る。

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夜明けの見晴からの至仏山。盆地地形のため尾瀬自体はまだ山影の中。
7:00から自然観察会だが、ぼーっと写真とってたらすでに6時。慌ててテントをかたづけ、朝飯を食べる。

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朝ご飯はアルファ米+アマノフーズのなんとか丼+味噌汁。
ご飯など作っていたら割と時間がない事に気づき、食べるのは置いておいて先に荷物を片付ける。
6:50ぐらいに片付け完了。急いで飯を食べてコッヘルなども片付けて準備完了だが、結局、トイレ行ったり燧小屋にテントにつけてたタグを返したりなどしている内に自然観察会の集合には遅刻。

自然観察会

遅刻はしたものの、まだ近辺で解説をしていたので合流させてもらう。

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見晴から竜宮十字路方面に木道を歩きながら、植物、地形、動物など色々教えていただく。以下、教えてもらった知識など。

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トリカブト。この時期八ヶ岳にもよく植えてる。蜂が蜜を吸いにくるが、人間には毒なので養蜂家の人はトリカブトが植えてないところで養蜂するとか。

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ウメバチソウ。花が咲いた日は中央の白い雌しべに周りの黄色い雄しべがひっついた状態なのだが1日たつごとに雄しべが1本づつ離れていく。離れた雄しべの数を数えれば、咲いてから何日かわかるとのこと。

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ミヤマアキノキリンソウ。黄色小さい花がいっぱい集まっている。菊の仲間。綿毛になる。山の鼻の方は栄養豊富でもっと大きくなるらしい。

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尾瀬ヶ原の西側の風景。木道の先が至仏山。中央の岩がでっぱってるのが景鶴山。景鶴山は300名山なのだけど登山道はなく植生保護のため登山禁止で、雪で埋もれた植物を踏みつけない時期にしか入れない山。以前にガイドをお願いした三上さんがツアーをやってるので、いつか行きたい。

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イワショウブ。花が白い。実がつくとピンク色で綺麗になる。個人的には白いほうが好きだけど。茎がベトベトしていて、蜜を取りにくる蟻を登れないようにしているらしい。

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イワショウブの実になりかけ。ちょっとだけピンクになってきている。

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鹿の話。この赤いテープが貼ってある箇所は鹿の実数調査をするときのポイントのマーク。夜にここから強力なライトを照射すると、鹿の目に光が反射するのでその頭数や性別などをチェックするということを数カ所で行なって湿原に現れてる鹿の数をカウントするらしい。多い時で150頭ぐらいいるらしい。
もともと尾瀬にはあまり鹿がいなかったらしいが、この5年ぐらいで日光などの鹿が子育て時期に尾瀬に移動してくるようになって増えているとのこと。日光キスゲやイワショウブの実を鹿が食べてしまうため、以前は日光キスゲのシーズンになると黄色い花畑になっていた風景が今は見えなくなってしまっている。最近、鹿柵などを設置して回復を図っているとのこと。

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ヤマドリゼンマイ。葉っぱの形が山鳥の尾に似ていることから。食べられる。特別保護地区になる前は山小屋の食事に出てきたらしい。ヤマドリゼンマイが増えると湿原が乾燥化するという説もあり、取って食べた方がいいという人もいるらしい。ただゼンマイは食べるのが面倒らしい(あく抜いたり、揉んだりほぐしたりが大変だとか。)

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奥の方、黄色く色づいてきているのがヤマドリゼンマイ。湿原を彩っている。

さて、自然観察会はここまで。
これから至仏山へ向かう。

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中央の山が至仏山。森林限界が低いため、登山道もはっきり見える。
それにしてもめちゃくちゃいい天気。

龍宮十字路  -  山ノ鼻

自然観察会の解散場所から20分ぐらいで龍宮十字路へ。ここには龍宮小屋があり、トイレやベンチ、喫茶などができる。
実はトイレギリギリ状態だったので、急ぎ駆け込む。
朝もバタバタしていたので、ここでコーヒーを注文して一服してから山ノ鼻へ向かう。

いやしかし、綺麗な景色。写真ばっかりとって中々先に進まない。

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シミュラクラ現象。

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らしいのだが、特に吹き出てなかった。(次の写真がその場所)

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真っ赤なナナカマド。

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ヤマドリゼンマイ。

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背後の燧ケ岳。結構歩いてきた。

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先は至仏山。

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ゴマナだと思う。食べれる。

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池塘から上がってきたカモ。

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そしてこの記事のカバー写真でもある逆さ燧。
歩いているとここが逆さ燧スポットだよと表示がある。残念ながら風が強くくっきりとは映らなかったが。

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ミヤマアキノキリンソウ。山ノ鼻の近くのほうが栄養状態がよいようで立派だ。

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熊鈴。むやみに鳴らさないこと(熊が慣れてしまうから)。

というわけで9:45、山ノ鼻に到着。ここらへんの山小屋も立派。

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小屋でクラムチャウダーを食べて、10:10 至仏山登山開始。

至仏山へ

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おっ、八丁トンボか!?と思って写真とったけど多分ただの赤トンボ。
八丁トンボは目も真っ赤のようだし、もっと小さいようだ。

山ノ鼻から至仏山に登るルートは、登りの使用限定。
蛇紋岩の岩場で降りに使うと崩壊していくらしい。木道を取り付けているところとのことですが。

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最初はこんな感じ。階段続きでなかなか辛い。

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森林限界が低いので、あっという間にひらけた景色になってそこは気持ちよい。が、2日目の疲れもありしんどい。

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ずっと頂上というか稜線見えている感じなのだがGPSで見るとまだ遠い。
実は至仏山は頂上付近で勾配が緩くなっており、下から見えてる稜線と思っていたものは偽物なのでした・・


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8合目あたりから。尾瀬湿原と燧ケ岳。この風景は山ノ鼻側から登らないと見れません。

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ちょっとだけ鎖場があったり。大したことはないけど、蛇紋岩が滑りやすいから鎖がついているのだと思う。

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偽稜線まで来たけどまださらに階段が続く・・・

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風景を見る余裕があればとても綺麗。


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12:50 至仏山2228m、百名山18座目登頂。
お腹が空いたので、バーナーを出してアルファ米と麻婆茄子丼を食べた。
この写真の奥が南側だが、南側は雲でまったく見えない。尾瀬側はまだ大丈夫だが徐々に雲が流れており、天気が崩れそう。

ですが、あとは下山のみ。

小至仏山から鳩待峠

小至仏山への道は、若干雲がかかっているが気持ちいい稜線歩き。

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南側の谷はよく見えない。

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小至仏山を過ぎ、さらに降っていく。
だんだん木道が増えてくる。

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湿原のような場所もあり。
というわけだが、樹林帯をくだってゴール。

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15:30 鳩待峠到着!
足の裏痛い。ジュースを買って休憩。バスor乗合タクシーのチケットを買って50mぐらい歩いたところにあるバス停に。3連休なのもありバスの時間じゃなくても随時、乗合タクシーが動いていた。

乗合タクシーで戸倉まで行き、次は沼田へのバスに乗り継ぎ。
乗り継ぎの間40分ぐらいあったので、尾瀬ぶらり館で入浴。
入浴というか風呂にはつからず水シャワーで筋肉の熱を冷やした。

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バスで1時間半ぐらいで沼田へ、沼田で電車まで時間があったので酒とご飯を食べ、電車で高崎に出て新幹線で東京へ。

あー、遠い。

というわけだが、無事帰った。
久しぶりのテント泊登山、疲れた!

このあと、とくに左足の太ももが4日ぐらい壊滅的な筋肉痛だったけど、距離35km歩いたわけだし、かなり復活!!

来月は家族で北アルプス、涸沢へ。紅葉楽しみ。


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