直きを挙げてこれを枉(まが)れるに錯(お)けば則ち民服す。(論語 為政)


(意味)

 真っ直ぐな材木をそり曲がった材木の上に置けば、下の曲がった材木も真っ直ぐの材木に押されて真っ直ぐになるように、賢く正しい者を取り立てて人の上に置けば、人民は自ずと正しくなり心服するものである。

記憶に残るフレーズ


 大変わかりやすい喩えであり、コンパクトにまとまった言葉ですね。大学受験の時に、英語の構文を一生懸命暗記していたことを思い出します。
 とてもテンポく、頭に残るフレーズとなるよう、工夫されていたのだと思います。

 ↑この表紙、すごく懐かしい。

 詩の才は全く無いのでわかりませんが、論語の短いフレーズも記憶に残りやすく工夫されているのでは無いかと感じます。
 学生時代に古文の授業などで論語のフレーズを聞いても、ふーん、で終わったのですが、この歳になると、古典の良さがわかってきたのかな、と想像します。

さて、本題。


 今回の言葉は、前回の記事で取り上げた

「その身正しければ、令せずして行われ、その身ただしからざれば、令すと雖も従わず」


と近しい言葉です。自分の身を正せ、そうすれば、従うものは自ずと正しくなります。

 人を動かすためには、自分が模範となる必要がある。それを周囲に伝播させることで自分と信条を一つにした人が育ち、一層強い組織になる。
 部下が崇める有能なカリスマ、或いはスーパーマンになれ、ということではなくて、模範たれ、模範とは原理原則に忠実で、仁者であることなのですね。

(引用)


この記事が参加している募集

#読書感想文

190,929件

#最近の学び

181,973件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?