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ミドルリーダー🚩|トップの神経回路の一部になれ 〜韓非子的考察

 こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いて、自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てる人間になれることを目指しています。

 さて、この「ミドルリーダー」連載では、「ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技」(木村尚敬著 日本経済新聞出版)から学んだこと、中国古典との関連性などについて考察していきます。


「上位職の神経回路になれ」
 「ダークサイド・スキル」ではミドル層のリーダーを対象に、持っておくべき行動指針について解説していますが、今回取り上げるのはトップマネジメントとの付き合い方です。

 トップマネジャーは、大局的な視座から事業に判断を下す立場ですが、そのためには生きた一次情報が欠かせません。よってトップマネジャーたちは参謀からの提案を判断する際に必要な情報を欲しています。

 どうしても上位層への報告というものは元の情報から丸められて報告されるものです。そして報告者や参謀達の主観が入りこむ余地が多分にあります。

 ミドル層のマネジャーは、
「この事業の現場はどうなているのか、生の情報はあいつに聴こう」
とトップに思ってもらえるような立ち振る舞いをすることが重要になります。

「観聴参せざれば、則ち誠聞こえず」(韓非子 内儲説篇)

 トップリーダーは、情報と事実を照合して確かめなければ実情を掴むことができないのです。現場を一番よく知るのは、課長クラスのミドル層ですから、偽りなく、しっかりと実情を伝えることが重要です。

 同じく韓非子に、「市に虎あり」という話があります。


「夫れ市の虎無きは明らかなり。然れども三人言えば虎を成す。」

 一人の臣下が、魏の国の王にこのように忠告しました。しかし、その臣下が趙の国へ人質となり不在の折に、他の臣下達にありもしないことを告げ口し、魏王はそれを信じてしまい、晴れて臣下が帰国した際、とうとう魏王の目通りを許されませんでした。

 リーダーはよくよく気をつけないと相手の意のままになってしまいますし、伝える側も権謀術数(自らの利益や保身のために進言を利用する)のではなく、正しく事業を成すことで会社や社会に貢献するべく誠実に進言をするべきです。

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