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「私に沈深なるは淵のごとく、人に接して活発なるは飛鳥のごとく」(学問のすゝめ)

 こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いています。自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てるとうれしいです。

 今日の一言は、日本の明治時代。いまから100年ほど昔の言葉です。

(意味)

 一人でものごとを深く考えて、一方、人に語るときは飛ぶ鳥のように活発に話そう。


静かに思考し、明るく語る

 論語に「巧言令色鮮(すくな)し仁」という言葉があります。言葉巧みにしゃべるような人は、大概仁者ではないから気をつけよ、という戒めですが、福澤は「明るく活発に」話すことは必要だと言っています。

「活発なるは飛鳥のごとく」とは、勢いを持って明るく話す、ということで、中身は、深慮のもと導かれた内容なのです。

 巧言令色とは、話す内容が脚色的であり、うまいように話すこと、つまり偽りや、大げさなことを含むのはいけないのだ、という意味なので、似ているようで違うことです。

演説のすゝめ

 福澤は、日本では当時馴染みのない、「演説」を推奨しています。人の前に立って熱弁を振るう、当時、身分制度が厳格であった江戸時代、武士でさえも殆どそのように意見を述べるということは稀有なケースでした。殿様の前では、頭を上げず床に向かって慇懃に具申する、というのが、武士が意見表明の精一杯といったところでしょう。

 欧米に渡り西洋文化を見聞した福澤にとって、自由闊達に意見を述べ、議論を行う環境に衝撃を受けたことでしょう。

 帰国後慶應義塾を設立し、「三田演説館」という建物を造り、演説と談話の訓練をしました。

明るい未来

 福澤の思考は、とにかく明るいのです。以前の記事にてご紹介しましたが、「活発」であるべし、と何度も説いています。

 明治という時代にそういった空気があったのかもしれません。


 最後に、今回我が子に齋藤孝さんの「こども学問のすすめ」を買い与えました。以前「こども論語」を気に入って読んでいましたので、今回も読んでくれるかな。とにかく子供は恐ろしい吸収力と記憶力で驚くばかりです。

(参考)


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