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こだわりのカレーもいいけど、やっぱりみんなティラミスが好き

先月の6/24に、Cafe戸田日和lab.というカフェにて間借りカレー屋をやってきました。

開催の発端は、カフェオーナーの方から「うちでカレーを出してみませんか?」とのお声がけをいただき開催する運びとなりました。ありがたや..!涙
カレーをはじめてから、こういったエキサイティングな事が起こるようになりました。カレーの世界に引き寄せられ、導かれ、次々と連鎖反応が起きてしまうのでカレー活動が続いてる(続けざるを得ない)わけです。

今回カフェ側からのオーダーとしては、常連のお客様を考慮して「辛さ控えめのメニューを一つは入れてほしい」「クセが強い食材は控えめに」「アイドルタイム用にデザートも作って欲しい」の3点でした。わりと、こんな感じで最低限のオーダーを注文をされることがあります。

この条件を照らし合わせて、目指す方向性を「誰もが楽しめる間口の広い味」に設定しました。

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今回のメニュー表

ここからは僕が作ったチキンカレーとティラミスについて解説します。上でも書いたように誰もが楽しめる味を目指しました。そのためチキンカレーはマイルドで辛さ控えめのクセも控えめなスパイス設計に。しかし、マイルドさ故のボヤケた味にはしたくない。そのためには「旨味」をできる限り追求しようと考えました。一口食べると思わず「あ、美味しい」と小声が漏れてしまう。そんなイメージを描いてカレーを設計をしました。

ということで、今回のカレーの軸である「旨味」を出すための工夫として使用した、2種類の出汁について書こうと思います。

(ここから少しマニアックな話になるので、興味のない人は飛ばしてティラミスの下りにいってください..)

1つ目は鶏ガラスープ。鶏ガラを強火で勢いよく3時間ほど煮立て、白濁した濃い出汁を抽出。鶏ガラスープはチキンカレーの味を飛躍的に底上げしてくれるアイテムで、これを使っておけば間違いなく美味しくなります。特に上質の丸鶏から出汁を取ると驚きの味になりますが、今回は原価を抑えるために、鶏ガラと手羽ハシという部位を使って出汁を取りました。

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鶏ガラスープ
くず野菜も適量入れているので黄金色になります

1点補足になりますが、カレーで使う出汁はかなり濃い目に取る事が重要です。出汁全般に言えることですが、一般的には上品で雑味のない透き通ったものが良い出汁とされますが、そのような繊細な出汁をカレーに入れてもなかなか味に反映されません。スパイス、トマト、肉、油、香味野菜などカレーに必須な食材の影響力はとても強く、出汁の旨味が無かったことのようにかき消されてしまいます。そのため、なるべく濃い出汁を抽出することが美味しいカレーを作るためのポイントとなってきます。

話を戻します。

もう一つの出汁というのは生ハム昆布出汁です。なんだそれ?と思われるかもしれませんが、その名の通り、生ハムの出汁と昆布出汁をミックスした液体です。作り方はまず昆布出汁をなるべく濃く取ります。昆布を一晩水につけたあと、火にかけて、薄っすらポコポコと沸騰したら、そのまま約20分ほどポコポコの状態をキープすれば完成です。本来、昆布出汁は沸騰の直前に取り出すのが日本料理のルール(ねばりが出て風味を損なう)ですが、カレーで使う場合は多少の粘りや風味の悪さなどは全く気にならないので、少しでも昆布の旨味を稼ぐために長めに煮込みました。

昆布の旨味がしっかり取れたら、鍋から昆布を取り除き、1時間ほど生ハムを弱火で煮込めば、生ハム昆布出汁の完成です。

(写真取り忘れました..)

生ハムは旨味成分の塊で、イタリア料理では、そのままだと提供できない筋の多い硬い部分や原木の骨は捨てずに出汁として活用したりします。生ハムは軽く煮るだけでもびっくりするほど美味しいスープが取れるので最高に頼りになる食材なのです!

と、長くなりましたが、それら2種類の出汁を使って作ったチキンカレーはなかなかの好評でカレーは全品完売になりました。今回も元イタリア料理人として、生ハムという食材でイタリア料理のエッセンスを無理なく加え、オリジナリティのあるカレーが作れたかと思います。

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バタバタして写真があまり取れなかった。
チキンカレーは右上にちょこんと置いてあるやつ..。

最後にデザートのティラミスは、ちょっとしたトラブルがあり、前日の夜22時ごろから急遽作ることになりました..。「俺はなんでこんな時間にティラミスを作っているのだ」と泣きそうになりながらメレンゲを泡立てたことは今となっては良き思い出です。

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泣きそうになりながら泡立てたメレンゲ
このくらいのツノの立ち具合がベスト

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ティラミスのクリーム部分の完成したもの
空気を含ませてふわっふわなもったり感に仕上げるのがコツ
柔らかくてエアリーだけど崩れない固さがティラミスのアイデンティティ


しかしその甲斐あってか、自分で言うのもなんですが、かなり秀逸な仕上がりになりました。食べていただいたお客様やスタッフ達は口を揃えて「これが一番美味い!」と言ってくださいました。間借りカレー屋なのに、ティラミスが一番美味しい..複雑だけど、、素直に嬉しかったです。

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一番評判の良かった渾身のティラミス

その後も、ティラミスを「食べたい」「作って欲しい」との声を多数いただきました。ティラミスがこんなに愛されているなんて初めて知りました。こだわって作ったカレーもいいけど、みんなティラミスのほうが好きだったんだね。でも、はっきり言って僕のティラミスはガチで美味いので今後も隙きあらば作っていこうと思います。ティラミスの作り方やこだわりのポイントはそれだけで記事にできてしまうので、また別途書いていこうと思います。

長くなりましたが、当日来て頂いた方々、ここまで読んでくれた方々、お声がけくださったCafe戸田日和lab.さん、本当にありがとうございました!

今後も間借りカレーの予定やイベント出店の予定がチラホラあるので、告知やレポートしていきます。


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