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地方でライターをするには sentence「キャリア相談会」感想

「地方でライターとしてキャリアを積みたい」と思ったことのあるあなたへ。そんなとき、検索エンジンで求人を検索しても地方でのライター求人の(少)なさ、あったとしても単価の安さに愕然とした人がほとんどではないでしょうか。

私がその経験をしたのは2年半ほど前。現在、私は「sentence」という「書く」を学び合うコミュニティに入っています。

8月28日、sentenceでライターの「キャリア相談会」が開催。sentenceの運営母体である編集デザインファーム「inquire」から3名のゲストが招かれ、みんなでわいわいライターのキャリアについてお話しました。

中でも、これから本格的に地方でライター業を行っていこうとしている私にとって学びが深かった部分について取り上げます。なので、このnoteはこれから地方でライター業を行っていこうという方には参考になるかもしれません。

ゲスト①庄司智昭さん
東京から地元である秋田へUターン。現在は、東京と秋田の2拠点でライター・編集のお仕事をされています。

(↑庄司さんの運営するローカルマガジン)

地方での仕事の例:企業PRの伴走

庄司さんのお仕事の1つは企業PR。秋田県の介護施設とお仕事をされている例をお話くださいました。

人材不足が激しい介護施設は、求人検索サイトに求人を出したり、人材紹介会社に依頼することで人材不足の解消を図るのが一般的とのこと。

しかし、庄司さんが一緒に仕事をしている介護施設は、自ら発信を行って関係人口をつくり、県内だけでなく全国や海外から採用する方針だそうで、そのお手伝いを庄司さんがされているそうです。

このお話をうかがって、ライターのスキルがあれば、地方在住でも地元の企業さんと組むことで仕事をつくっていけるのだなと感じました。

ライターは書く仕事ですが、書くには聞くことが不可欠です。書くために必要なことをしっかりとヒアリングすることで企業さんの伴走的な役割を担うこともできるのかなと感じました。

地方と都市間での信頼関係づくりについて

庄司さんは茨城県の事業者さんとも一緒にお仕事をされているとのこと。

オンラインでも取材や会議が可能ですが、地方にいるなら尚のこと、「リアルで会っておいた方がいい」と庄司さんはおっしゃいます。

たとえば定期ミーティングはオンラインだったとしても、数ヶ月に1回は必ず実際に会って一緒にご飯を食べる時間も設けているそうです。対面できちんと思いを伝えあうことが大事なのだといいます。

オンラインだけで完結せず、実際に会いに行くことはやはり大事なのですね。食事をともにするなど、少しでも長く同じ時間を共有することで生まれる信頼関係は無視できないものだなと感じました。

ゲスト②岡本実希さん
クリニックでアルバイトをしながら、複数媒体での執筆、ブックライティング等、フリーライターとして幅広い分野で活躍されています。

ライターとしての得意分野を見つけるには

岡本さんはそのnoteを見たら分かるのですが、「得意分野」がはっきりとしていて、しかも多数あります。

実際、掛け合わせを重視して、仕事の幅を広げていくことを意識しているそうです。

得意なこと=自分が無意識的に積み重ねてきたこと、その領域に自分がすごく心動かされること、と考えるとよいかも」とおっしゃっていました。

下のnoteの自己紹介記事(佳き!!)は、ご友人から「ある特定の分野への想いが強いことも仕事を頼む動機になる」とアドバイスをもらい「想いも強みになる」と気づいて書かれたそうです。

私は岡本さんほどしっかりと言語化できてはいませんが、関心領域はある程度はっきりしています。それを洗い出したのは1年ほど前のこと。過去に書いた記事を整理してテーマごとに分けていく、という作業をしました。よかったら参考にしてみてくださいね。

メディアに企画を持ち込むときのやり方

ライターへ仕事が発生するには、一般的に言って
 ①メディアからお仕事の依頼が来る場合
 ②ライターががメディアへ企画を持ち込む場合
の大きく2パターンがあります。

②について実際にどうやって行っていたのか岡本さんに聞いたところ、書きたいメディアのお問合せフォームから送っていた、とのこと。

送る際に使用する実績はインターンしていたメディアで書かせてもらったものを使っていたそうです。企画を練って送っても返事が来ないことがあるので、「こういうことに興味があってこの人にお話しうかがいたい」くらいで送っていた、とおっしゃっていました。

このお話を聞いて、私も実際にライターを応募していないメディアのお問合せから企画を送ってみました。まだお返事は来ませんが…笑
みなさんもぜひ送ってみてはどうでしょうか。

ゲスト③藤原梨香さん
アナウンサーから、企業に眠るストーリーを発信するプラットフォームを運営するPR Tableへ異業種転職。現在はフリーライターとして複数の媒体で活躍されています。

今のキャリアを大事にすることが自分のオリジナリティになる

藤原さんは、ブックライターの上阪徹さんが営業職として働いているライター志望の方のお悩みに答えた言葉をご紹介くださいました。

曰く、書く技術はあとでも身につけられるので、今の経験やキャリアを大事にしてください、と。いろいろな経験をしていると、インタビューするときなどに活きてくるそうです。

「今の人生経験が自分のオリジナリティになっていくので、それを大事にしてください」とのアドバイスはとても納得のいくものでした。

キャリアや人生経験など、それぞれが持つ原体験は確かに人の話を聞く際にも文章を書く際にも立ち現れてくるもの。ライターにはなろうと思えばいつでもなれる、今のキャリアを大事にしよう、と考えるのも一つかもしれませんね。

最後に

私自身について書くと、2018年から、地元の数少ないメディアに有償無償を問わず書きはじめました。今はフリーライターとして「日向経済新聞」にかかわっているほか、地元で仕事をつくっていこうと準備中です。さまざまな媒体への応募も継続して行っていきます。

sentenceのキャリア相談会は地方でのキャリアの積み方に特化したものではありませんが、今回は私の悩みに関して参考になった部分を取り上げました。同じような悩みをかかえるみなさまの参考になったらうれしいです。




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