4・25火曜-手記④-世界三大悪習
当然、多くのものにとって人生は長い。
「だから健康は大事だ」。そんなことは誰でもわかってる。それをできないのが人間なんだ……とか、思ったりするのか。
なぜそう思ってまうんだ? いや、私の中ではもうそのことについては仮説ができている。
それは、"子孫を残すという本能を源にした欲望は、自身の中長期的な健康よりも優先順位が上にくる”からだ。こう考えると私達の人生は実に多くの、
もの、こと、を子孫を残す目的に費やしている。
富、名声、支配、色欲……ここに挙げた代表例は、どれも子孫を残すという目的達成に置いて、追求し、手に入れられるのであれば、ほぼ間違いなく成果をもたらしてくれる。
しかし、残念ながらそれらの多くは個人の健康など度外視してくる。
さらに性別年齢問わず、このことで人間同士の争いが起こることは容易に想像できる。そしてその先は実に無秩序な、現代人の我々からみると"もしかしたら”野蛮な地獄絵図のような世界になる。
しかしながら、その内に誰ともなくこのまま争いを続けることは不毛だと、合理的ではない。と、その乱雑さと愚かさに気づき、強力かつ盤石な権力を作り出し、規律を定め、またそれを守ることで構造的に安定的により優れた遺伝子を残すようにした。
そんな規律ある社会で、我々は脈々と”それ”を続けている。
世界三大悪習は、その規律の悪弊の形と言えよう。
『コルセット、纏足、正座』
どれも"美"とやらの概念に隠れた人の薄汚い独占欲、支配欲、虚栄心が見えてこないだろうか? 私にはただただ悪趣味で、欺瞞的で、狂気的で、なんとも滑稽に感じられる。
現代ではハイヒール、徹底した脱毛、過度な整形などがそれに当たるかもしれない。なので、我々はまったく先人のことを笑えないある。
それどころか技術進歩し、巧妙になった分、現代の方が酷いことになっているとも言えよう。
より強い規律を自分に課し、さらにそれを権力者に示すことで、特定のコミュニティの一員となり、より多くの利権と安心を得、そうしてその中で適当な相手と番になり、子孫を残す。
故に、より多くの"困難”と"手続き”を経た恋愛や成婚ほど美談や語り草になりやすい。
上昇婚や成り上がりなどなど……
あゝ、くだらない!
だからさ、何が言いたいかっていうと……程々にしておきなさい。ちょっと体験してみるくらいにしときなさいってことだ。
現代は別に外反母趾にならなくても、関節痛にならなくても、靭帯を痛めなくても、全身の皮膚を定期的に荒らさなくても、一年後にはまったく別の定義に変わっている造顔美に大枚を叩かなくても、莫大な財産……家や車や不相応な投資資産、不動産、情報資産、なんかを持たなくても(それらは所詮、金持ちの道楽だ、騙されるな、ファッション金持ちは必ずバレる)
スニーカーを履いて、苦しくない服を着て、運動して、仕事して、友人を作って、健康的な食事をして、生活ができる。
そんな関係性や生活の上に、背伸びも少しも苦しくない恋愛だってできるかもしれない。
自分の中のどうしようもない本能でさえ、じっくりと向き合って観察して楽しめばいい。
今、世の中は良い意味でも悪い意味でも変化が早くなった。半年、一年も経てば、新しいテクノロジーやそれに合わせた規律がどんどん現れる。
そんな中、一個人としてのセオリーを持たず、
ただなんとなくある風習や伝統に流され、
世の中に流され、日々を忙殺されて生きるということは、
"マストのないヨットに乗って、大海に浮かんでいるようなものだ”
と、私は思う。
おわり
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