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上越エリア高校生×起業家交流会  ~起業したい!高校生は、まずはここから始めよう!~  を開催しました。


去る2021年11月20日(土)に上越エリア高校生×起業家交流会 ~起業したい!高校生は、まずはここから始めよう!~ を開催しました。
地域の高校生向けに「起業」について知ってもらうことを目的とし、県出身、所縁の起業家を招いて、生の声に触れるという「交流会」。前半は講師からの講演形式、後半はクロストークという形での意見交換となりました。

企画の立ち上がり
 この企画が立ち上がった経緯は、スタートアップ拠点フルサットアップスで「若者向けの企画が必要」という声があり、市内の大学生にアプローチしたい、大学生に対して「起業」の意義を伝えるという話が発端でした。しかし、そうすると上越妙高には大学の数が限られるので、いきなり対象が狭まります。新潟市、長岡市近辺であれば「大学生」というターゲットもあるのかなと思ったのですが、別の方策を考えねばと思い、そこで「高校生」という言葉が出てきたのでした。知人に高校の先生をやっているHくんが居まして、水面下で準備に入ったのでした。高校生に向けて何か出来ないのか?この方向はこれまでも高校生の「探究の時間」では垣間見ていて、高校現場では導入されてもいたこともあり、私もメンター役をやったことがあったので、可能性があるかも?高校単位である程度ニーズを探れば面白い企画になる?と取り組みました。
 体制は新潟ベンチャーキャピタルと新潟県の主催に株式会社アイ・シー・オーにご協力頂き、会場を新しく出来たJM‐dawn(上越妙高駅西口エンジョイプラザ内ローカル5Gラボ)で行うことに。さらに県教育委員会に打診をし、教育現場にも届くように後援を頂きました。

【正】高校生起業家交流会チラシ1120_01

②フルサットと上越妙高駅周辺の現状
フルサットはヒト・モノ・情報が交わるハブである上越妙高駅前に立地するコンテナタウンです。飲食店中心だったフルサットに多職種、多世代による学びの場、沢山の人と思いをアップするフルサットアップスは昨年度の夏に新潟県から「民間スタートアップ拠点」として認定され、スタートした取り組みです。スタートアップセミナー「アップスセミナー」の開催や無料相談など行いながら、「何か始めたい人」が集まるコミュニティの形成を試みています。今回はフルサットアップスのコンテンツが上越妙高駅エリアで広がるための一歩として考えました。

③フラー櫻井さん、インサイトラボ遠山さんとのご縁
高校生向けに「起業」を語って頂く上で「新潟所縁」ということを意識しました。そこで、新潟と言えばフラー!ということで、櫻井さんに白羽の矢。フラーは渋谷さんをはじめとして誰もが知る新潟の旗手ですが、櫻井さんが上越出身だということは、実はあまり知られていないので、彼に「講師A」を打診。上越市出身ということで、高校生に目線を合わせて所縁の起業家として語ってもらえると期待しました。何より生まれ故郷で「講演する」って凱旋的でこの上ない素敵なことだと思いましたので、依頼。
 次に遠山さん、彼は村上地域がルーツの起業家ということで、最近は新潟を元気にするための活動(NIIB)も行っていて、新潟愛がこちらも強い。なんと上越妙高駅前(JMDAWN内に)にサテライトオフィスも設置が決まっているということで、迷わず「講師B」をお願いしました。妙高で業務が始まっている模様。地方DXを上越妙高から!という存在。
 そんな初回に相応しい新潟所縁の起業家2人が決まり、その人材たちと学生さんたちがクロストークしてもらい、ビンビンと若い感性を刺激してもらおう!と目論んだのでした。

④講演からクロストーク。2人のリアルな刺激的な話。
その1
櫻井さんの話


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フラー櫻井さん
参加者の質問に答える櫻井さん



期待通りに、掴みの簡単なクイズから盛り上がり、現在のスマホ、アプリ事情をザックリ説明しながら、自身の生い立ちからエモいメッセージの後半まで、櫻井さんでしか語れない内容。「今、経営者として生きる私の生きる道」というタイトルで一気に語ってもらいました。櫻井さんは「当たり前の考えに違和感を持つ」をモットーと伝え、「自分の夢はありません」と高校受験で答えたくらいこれといった夢がなかったという告白。(これはオーディエンスにはそれなりのインパクトでした)自分の今学んでいることが、どう役に立つのか?知りたかった。「カタカタの世界(プログラミング)」から「デザイン工学」の分野へ。同じモノづくりでもプロセスは真逆のものだと知ったこと。渋谷さん(現フラー会長)(彼はシブヤといってました(笑))からの一本の電話で会社設立を決意。即答、入学届と休学届を同時に提出(会場にお越しのご両親にお詫び、感謝、会場が(笑)に)設立後は月給5万円の生活。寝て、起きたら、それで出社の話など、これはスタートアップしたことのある人なら大きく納得。黎明期のエキサイティングでまさにローラーコースターを思わせるプロセスを語って頂きました。

 最後に櫻井さんが人生で知った3つのこと

① 「アンテナ」の概念
② 人生は掛け算
③ 人生のショートカット

当たり前と言われているモノゴトがたくさんある。周囲の言う当たり前を疑う。
そして
「終着点は重要じゃない。旅の途中でどれだけ楽しいことをやり遂げているかが大事なんだ」スティーブ・ジョブズ

で締めくくるという「会いに行ける起業家」としてまとめて頂きました。大人たちも感動なスピーチ。

質問で「すきなことでも走りつづけるべきか?」という問いに
「努力は知的好奇心に勝てない」「優秀な人は多いが、やり続ける人に勝てない。好きなことをやれる人は幸せ。毎日を大事にして欲しい。」

その2
遠山さんの話


レルヒ像と遠山さん
トライアスリートである


遠山さんは「櫻井さんの話が感動で、良すぎて」と謙遜しながらも起業家ってどういう人なんだ?ということを参加の学生さんの親世代として語ってくれました。いつもお子さんにも夢を話し合う仲とのこと。大学で教員資格も取っていて、教育実習したこともあり。授業で話すこともあるとのことで、こちらもテンポよく進みました。起業家の「ろくろ回し」のポーズ(笑)の紹介。高校時代からの話、遠山さんの人となり、キャラクターが見える。イスラエルにもサテライトがあるという国際的な動き。中学生でプログラミングに出会い、「何をしたいか分からなかった」中学生時代。冬でも半袖短パンで過ごしていたとのこと(笑)。PCカタカタは落ち着くという自分がいて、目立たない存在だったが、プログラミングは落ち着く時間で、楽しく熱中。高校の時にクラスのともだちを登場させたゲームを作って、これがウケた。アメフト部で1日15時間PCに向かえる肉体精神力を身につけた(笑)のが大きかった。所縁の村上、新潟に恩返しをしたいという思いは人一倍強い。

 数年前にトライアスロンの友人が亡くなったことがショック。それは思ってなかったことだった。だから今の瞬間を大事に。今を生きる。持ち帰れるものみな持って帰って欲しい。二度とこない瞬間で、時間は有限、そしてみな同じ条件。他のことをせず、時間をどう使うか?マスターして欲しい。失敗はどんどんする。失敗すると成長が早くなる。好きなことをやり続ける。やらされていると続かない。好きキライがあるのは自然。好きな事を探す、見つける、やり続ける、社会に出ても同じ。徹底してやろう。

と熱い熱いこちらもメッセージ。

講師と参加者のクロストーク


櫻井さん、遠山さんをスピーカーとした参加者とのクロストーク
どんなことやりたい?起業したい?
自分の学生の頃は相当ネジが外れていないと起業したいなんて思わなかった(櫻井)
(参加者Aくん)義理の姉が建築士、そういう関係で働きたい。親から指示されたくない。やるなら自分で、指示を出したい。
(櫻井)上司のいうこと聞くより、やってみた方が早い。自分で起業したら自分でやれるから、考えは正しい。自分にはなかった感覚。自分は副級長、副会長が多かったから、自分でやることは考えていなかった。今から考えるのは素晴らしい。
(遠山)まわりに様々な職業、そういう人がいると、様々な世界を知ることが出来る。皆さんは良い環境にいる。起業はいつでもできる、50、60でも出来る。起業する武器を身につけることを考えて欲しい。
(櫻井)若いときに失敗すべき。大人になると責任を問われるようになるが、若いとチャレンジは当たり前。若いとなんでもできる。
(遠山)若いうちにミスしても忘れられるのは強み(笑)


(参加者Bさん)地域の課題を解決するという授業があるが、イベントをやるにも高校生だけではできない。どうすべきか?
(櫻井)学生団体もあるといい。社会にコミットするためのボランティアグループ。その場合、あなたたちに協力するとどんな良いことがあるのだろうか?が分かると良い。団体の立ち上げは自分がやりたいこと、自分はどうしたいか?を考えることになる。団体の作り方はテクニック。Bさんは次の回で登壇できるかも。是非スピーチして欲しい。
(遠山)環境が整いつつあるのは素晴らしい。

会場となったJMDAWNの様子

⑤まとめ・展望
起業家と高校生の交流会。初の試みとしては成功だったと思います。櫻井さんも遠山さんもお二人ならではの語り口で自身の経験をベースに学生たちに語り掛けてくれました。今回は下は小学3年生(笑)から中学3年生も3人参加。まさに中3!という進路に悩む、思春期の質問も飛び出し、ああ、中学生ってそうだったよなぁ・・・なんてオジサンたちは懐かしさもあり。しかし、待てよ、ひょっとしたらこの企画は高校生より進路に迷う中学生向け?なのかもと思うような回となりました。悩み相談という面からも、起業家と学生たちの距離が近づいたと感じまして、これこれ!この雰囲気!草野球、草サッカーに入団して、一つ一つ先輩から教わる感じだなと。「起業家塾」のような雰囲気。これだこれだ。遠山さんも櫻井さんも中学生の時は何も考えなかった。夢がなかったなんてことを言っていましたが、彼らに共通するのは、その時々に努力して、楽しいことを探すというのが重要ということ。遠山さんの「いまを生きる」というメッセージも刺さりました。真剣に楽しんで向き合う。学生たちはテストや試験もあり、スケジュール調整が難しいので、この日に集まれ!というのは難しく。出来るなら定期的に放課後Labo的に塾や部活感覚で集まる場所があれば、もっと「たまり場」になって良いなと。現代はショートカットだらけという話が出ましたが、たしかにショートカットツールは増えていて、実はそういうコミュニティが学生さんたちにとって、地域にとっての未来へのショートカットなんじゃないか?あとは遠山さん的な外に向く力、行動力が肝で、アクションするということを大人たち、地域がどうやって環境整備できるか?重要なのだと思います。それは結局のところ、放課後スタディLaboであり、図画工作教室の世界。様々な思いを繋ぎ、目に見えるカタチにする。そんな場、人、想いが募って行けばと期待します。

以下は最近の上越妙高駅周辺の様子

フルサット



フルサットアップス


JM-DAWN | 上越妙高 ローカル5Gラボ

参考記事 新潟日報  参照

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210313603939.html

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20210606621116.html


クロストーク
(株)丸互・半田取締役によるJMDAWNの説明


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