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【じーじは見た!】 後編:IPCC WG3が示した不都合な事実⁉

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉

じーじはこれまで気候変動関連の記事をいくつか投稿してきましたが、今回は、2022年4月5日に発表されたIPCC(気候変動問題の政府間パネル)WG3(第3ワーキンググループ)が示した緩和策評価(CO2削減策評価)のレポートを紹介しています⁉

本編は後編です。前編から読んでいただくと話が繋がります。

✅緩和策(排出削減)って具体的にどんなもの?

緩和策の概要と、2030 年のコストと潜在力の推定範囲

英語なので分かりづらいと思いますが、上から「エネルギー対策」「農業林業・土地利用対策」「建物対策」「輸送対策」「産業対策」「その他対策」となっています。

グラフの右に伸びている幅がCO2排出削減効果の大きさです。
Wind Energy(風力発電)やSolor Energy(太陽光発電)の効果の大きさが見てとれます。

また、グラフの色は、CO2を1トン削減するのにどれくらいのコストが掛かるかを表わしています。青色が安くて赤色が濃くなるに従ってコストが高くなることを表わしています。

皆さん驚かれるかもしれませんが、AFOLU((Agriculture, Forestry and Other Land Use)「農業林業・土地利用対策」の効果は物凄く大きいのです。

森林減少を止めて、再生可能な樹木を持続的に植林して利用する形態を作ることができれば、風力発電や太陽光発電以上の効果を上げることができるのです。

ところが木は燃やしてもカーボンフリー燃料(カーボンニュートラル)とみなすという定義のまま、木を伐採して燃やしたら儲かるが、再植林しても儲からない現状ルールを放置し続けているため、日本でも植林資源が減っています。あ~情けない!

森林大国の日本こそが国内法でまず手本を示して、IPCCにルール提言することができれば、世界から一目置かれ、ルール形成に影響力を発揮できるのです。

その問題点は、じーじ初期の投稿で記事にしていますから、時間がある時に読んでみてください👇

✅WG3レポートを受けての環境大臣コメント⁉

山口環境大臣のステートメントを全文紹介しますね。

本日、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)による第6次評価報告書第3作業部会報告書の政策決定者向け要約が公表されました。
今回の報告書では、『COP26より前に発表・提出さ れた各国の対策では21世紀中に温暖化が1.5℃を超える可能性が高い』との厳しい見通しが示されました。
これは、気候変動緩和策の更なる加速を改めて全世界に呼びかけているものです。 温室効果ガスの大幅削減には、エネルギーの供給側だけでなく、需要側の取組も重要であり、需要側の取組強化により世界全体で2050年までに排出量を 40~70%削減しうるとの指摘がされています。我が国が現在進めている、国民一人一人のライフスタイルの変革や、地域脱炭素はまさに需要側の取組であり、脱炭素先行地域の創出を始め、更なる取組を進めていくことが重要です。
また、気候変動の緩和のための取組を加速することは、SDGsの達成にも不可欠であることが明記されました。
イノベーションや社会的側面についても言及されており、新しい資本主義の実現によって克服すべき 最大の課題である気候変動問題に取り組むに当たって、経済社会全体の大変革のためのグランド・デザイン(道筋の全体像)が必要であることを再認識いたしました。
地球温暖化のレベルを1.5℃に抑えるために、我が国を含めた世界全体の排出量を大幅に削減することは容易なことではありませんが、全世界の叡智を結集し、達成に向けて最大限努力しなければなりません。
国民の皆様におかれましては、脱炭素社会に向けて、一人一人が果たし得る役割は大きいことを認識 していただき、御協力を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。

IPCCによる第六次評価報告書に関する山口環境大臣談話より引用

✅結局まとめるとどういうことなのか?

西原さんというサステナブル歴30年の方がIPCC WG3の発表関連の記事を4月6日に紹介してくれています。

その中で紹介されていた読売オンラインの記事『温室ガス減少「25年までに」…IPCC作業部会が8年ぶりに報告書公表』に付いているグラフがすごくよくまとまっています。

読売オンラインの記事より引用

この図はよく出来ています。本当に分かり易い。
カーボンバジェットという考え方にあたるCO2排出許容量と気温上昇の関係を表わした図です。

産業革命以降2019年までの正味CO2排出(排出マイナス吸収)の累計が2兆4000億トンで、この時点での気温上昇は1.1℃です。
今後の累積排出量を3200億トンに抑えることができると2100年時点の気温上昇を1.3℃程度に抑えることができますが、8000億トン排出してしまうと1.6℃上昇してしまうことが理解できます。

そう考えると我々に残されたカーボンバジェトは、1.5℃上昇に抑えるためには、5000億トン程度だと想像ができます。

そこをターゲットにした緩和策を実行していくことが必要なのですが、毎年約500億トン排出している今のペースを続けていると後10年で閾値に到達してしまいます。つまり1.5℃未満に上昇を抑えることはできなくなってしまうまでのバジェット(予算)は残り僅かの状況にあるのです。

こういう情報が出てくると必ず陰謀説だとか、二酸化炭素は地球温暖化に関係ないといったことを声高に言う方が現れます。

そういう情報に左右されずに、現状バイアスで楽観的に考えることなく、脱炭素の社会構造を一人ひとりが考えることが大切だとじーじは思いますよ。

週末の小難しい話に最後までお付き合いくださりありがとうございました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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