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【じーじのもろもろ】 後編:アメリカ人は部下の尊厳を守って上手に叱る⁉

前回の話からのつづきです。前回の話を読んでからお付き合いください。

さて、ゴルフ場のフロント業務の担当者はマネジャーを含めて全員で8名(シフトを組んでの勤務)。

8名が新しい電話応対のトレーニング対象者でした。

マイク(マイケル・エイビーさん)は、この8名の応対成績を可視化して、オペレーション受託後1か月目のミーティングで彼らに成績表を示しました。

どういった点が高評価につながったのか、成績上位者の応対をみんなで学び、応対成績トップにはインセンティブ(金一封)がありました。

また、2ラウンドパッケージの販売数に応じたインセンティブも準備していました。

成績最下位のMさん(マネジャー)に対してマイクは、別途1対1で対話をしました。

私はその場にいたわけではないのですが、どんな話をしたのかをマイクに教えてもらいました。

★☆★☆★☆★☆

Mさん、君はこのゴルフ場にとって特別の存在だ。

君は、マウイ島の伝説のPGA(ツアープロではないもののプロ資格を有している)として、今でも君のコースレコードが2つのコースに残っている。

君はマウイの伝説のプロだ。

地元でもみんな君のことが大好きだ。

だから君だけは、PLAYBOOKのことなど気にせずに君流の電話応対すればいい。

君は特別だ。

だけど、Mさん。

君は、マネジャーだ。

君のジョブディスクリプションにあるとおり、君には部下を指導する職務がある。

部下がPLAYBOOKのとおりに電話応対できていなかったら、君には部下を注意して指導する義務がある。

もし、それができないのだったら、申し訳ないが、君はFire(クビ)だ。

★☆★☆★☆★☆

どうですか?、この叱り方というのか、動機付けは?

全く相手を批判したり、叱責したりする訳でなく「君の思いどおりにやったらいいんだ」なんて、皆さんは言えますか?

どうなったか?

翌日、フロントの女性から電話が掛かってきました。

「ジョージ(じーじのニックネーム)、Mさんはどうしちゃったの? It's another beautiful day at~で電話に出ているんだけど?」と言うのです。

Mさんが初めてPLAYBOOKのとおりの電話応対をした瞬間でした。

部下を指導するためには、自分がやらない訳にはいきませんからね。

こういうところ、米国人は本当に人を動機付けするのがうまいと思いました。

根性論の日本のスポーツ界とコーチングの米国スポーツ界の違いくらいマネジメント力に大きな差を感じたものでした。


(ばーば)いつまでタブレット見てるの?

(孫)あと10分

(ばーば)じーじも何とか言ってよ。目が悪くなる。

(じーじ)まあいいじゃないか。

(孫)じーじはおおあま!

もっとじーじのボヤキ

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