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復習Tシャツ/隔週警察 #毎週ショートショートnote

「おぅ長野、どうだ?」

親父が制服姿の俺に聞く。

「進展は特に」

「そうか、あれは?加藤の家に倉庫があったろ。きっとそこに手がかりが...」

親父の同僚である加藤刑事が殺された直後、倉庫は何者かに放火された。そして放火及び殺人の罪を着せられたのが親父だ。
同僚殺しで無期懲役。長年服役する今は認知症で息子の顔もわからない。制服を着て会いに行くと、親父は必ず俺のことを長野と呼ぶ。


その日の収穫はなし。
翌週、俺は白いTシャツを着て親父に会いに行った。

「親父、調子はどう?」

「あ、あぁ」

誰だろうと戸惑うような顔。
今の親父の頭に残っているのは、加藤刑事の死を一緒に追っていた相棒の長野だけだ。

「今日は長野さんのこと聞かせてくれない?」

「長野?あぁ、あいつはな…」

自分が調べ上げた現在消息不明の長野の情報と擦り合わせながら話を聞く。まるで復習のように。

来週俺はまた、長野としてここに来る。
親父の冤罪を暴く鍵は、必ずそこに眠っているはずだ。


(410字)




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