ルールを知らないオーナメント #毎週ショートショートnote
僕は星になりたかった。
クリスマスツリーのてっぺんにある星だ。
だから毎日少しずつモミの木を登ってたんだけど、他のオーナメントたちが笑うんだ。
「お前じゃダメに決まってるだろ」
「そうだそうだ、あそこは特別な場所だ」
どうしてダメなの?
いいよ。じゃあいっそクリスマスツリーから飛び出してみよう。僕はツリーから降りて、玄関にある別の飾りに聞いた。
「ねぇ仲間にいれて!」
「何言ってるの?私達はお正月飾りなの。違うチームよ」
「そうよ世界が違うわ」
世界が違う?そんなルール、どこにあるの?
僕がとぼとぼ歩いていると仲良しの天使のオーナメントが迎えに来た。
「もう帰ろう?」
「わからないよ...どうしている場所が決まってたり、違う世界には住めないの?」
「そういうものなのよ」
「そういうものって何?...あっそうだ、わかった。じゃあ人間になるのはどう?人間になったらもっと自由に動けるし、どこにでも行けるよね」
「それはどうかしら」
天使は寂しげに微笑んだ。
(414字)
ここから先は
0字
サポート、嬉しいです。小躍りして喜びます^^ いただいたサポートで銭湯と周辺にある居酒屋さんに行って、素敵なお店を紹介する記事を書きます。♨🍺♨