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【風呂酒日和148-1】 宝泉湯(ほうせんゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


うーん今日も暑いねぇ。
風もない暑い日。さながらサウナのようですな...。まぁ、これからサウナ行くんだけどね。

この辺、なんか好きかも。街並みというか空気感というか。なんでかわからんけど好感度高し。住みやすそうだなぁ。
おっ、この店もよさげ。行きしなに居酒屋さんをチラ見しながら通過して宝泉湯に到着。

「いらっしゃいませ」

穏やかに迎えてくれる店主のおじさん。
お、PayPay使える。楽天Pay、メルペイ、d払いもある。いいね。
最近ほんとに現金を持ち歩かなくなってしまった。しかも仕事で使う経費などもクレカで切って現金で精算するため、もはやお金を下ろすこと自体が少なくなった。私はこれを錬金と呼んでいる。(別に増えているわけではない)
だがしかし、10円玉はいつも2枚以上かならず常備している。
だって銭湯のドライヤーで使うからね。ふふふ。


サウナセットは870円。バスタオルと手拭い、赤いバンドをもらう。この赤いバンドがここでの「サウナーの証」ということだ。
サウナの扉に差し込む取っ手を渡すスタイルの銭湯もあるが、私はどっちかというとバンドの方が好み。なんか「信じてる感」というかなんというかね。「入れなくする」よりも「目印」くらいの手段の方が好きだ。

脱衣室にはちょうど服を着て帰るところのおばちゃんが1人。おやすみなさーい。


さっさか身支度して浴室へ。
おぉ、広くて天井も高い。手前に洗い場、奥に浴槽。露天風呂もある〜!そして右手にサウナ、その手前に水風呂。完璧だ。

洗い場に桶と椅子を持って行ってしゅばばばっと髪と体を洗う。サウナを全力で楽しみたい時はいつも焦りがち。
基本的に仕事終わりに銭湯に立ち寄ることが多いけど、今度オープンと共に来て時間を気にせずのんびり入ってみたいもんですなぁ。
まぁお風呂だけなら仕事終わりでも余裕なんだけどね。わたくしにはその後一杯ひっかけるという大事な使命がありますので...。


さて、内湯からいってみよう。
メインの大きな浴槽はミクロバイブラとその隣が電気風呂、少し離れたとこに座風呂がある。まずはバイブラへ。

やや熱めだけどいい感じ。
ざぶんと浸かって「ふぁぁぁ」と声を漏らす。
ちょうど洗い場にいた先客のおばちゃんがあがって貸切タイムだったので、遠慮なく声をあげて味わう。
暑い中歩いてきたのに、熱いお湯に入って嬉しいとは人間不思議なもんである。

ペンキ絵はなく、白基調のタイルには時折アクセントっぽい模様が入っている。浴室内にある階段が補修されていたり上の方を見上げるとかなり年季が入っていることがうかがえる。
でもよく考えたらそうだよなぁ、床と違って高いところは毎日磨いたりできないだろうし、メンテナンスも大変だよね。
みんなと一緒に年をとってきたんだねぇというような長年の歴史を感じる。


隣の電気風呂に行ってみよう。ビリビリは苦手だけどスペースが広かったので挑戦しやすいぞ。後ろ向きで進んでいくとやっぱりいつも通り右肩周りや腕のあたりに効く。私、左の尺骨神経がどうも弱いっぽい。
くるっと向き直り、今度はふくらはぎをビリビリプレートに近づけてみる。おおお、これ、いいかも。足の方がかなり至近距離にいっても耐えられるし、しかも気持ちいい。
筋肉痛とかふくらはぎパンパンな人とか、あとは脛筋というのだろうか、表側のすじっぽいところが疲れてる人、おすすめです。

続いて露天へ。
露天も広ーい。岩風呂っぽい感じが旅館のお風呂みたいでいい。屋根があるが、風が通っている。と思う。
いかんせん外が暑い上に今日は無風気味だったのでちょっとよくわからん。
そしてシンボルっぽい「うたせ湯」がすごい。高いところから2本の線がダバダバと落ちているのだが、後ろが岩っぽいのもあってちょっと修行感がある。
そっと近づいて挑戦するも、肩幅が合わずどちらか一方に狙いを定めないと両腕をかすっていくみたいになってしまった。これはきっと私が巻き肩で幅が足りないせいであろう...。


露天を出て、ちらっと座風呂に寄り道してからいざサウナへ。
外から見るとサウナの中はちょっと暗めで恐々開けてみたのだが、扉を開けてびっくり。サウナもとても広い。ゆったりとした座面が二段。めちゃくちゃくつろげる。最高やん。
室内には大きめにジャズがかかっていて、テレビじゃないのもまたいい。テレビ、好きなんだけどね、テレビついてるともう夢中になっちゃうから。

壁の砂時計をくるっと回して一周目。
...あれ?もう終わった?予想よりも早く砂が落ち切った。5分計かな?
とはいえ初回なのでもういっかと水風呂へ向かう。

水風呂はキンキンじゃなくて程よい冷たさ。あー適温〜!
誰もいないのをいいことに「ぷひょぉぉおー」とか「ぱぁうあーー」とか小さく奇声をを発しながら堪能する。

そして露天のところにあった休憩スペースへ移動。
特等席かのように置かれている1人がけのチェアに座る。あぁ外気浴、最高。涼しいというよりは生あたたかくてもうこのまま寝ちゃいそう。あぶないあぶない。


椅子に座って抜け殻のようになっていると「こんばんは〜」とおばちゃんが露天にやってきた。

「あっこんばんは」

人が見たら心配されそうなくらい顔と体が溶けきっていたので、よそゆきの「くつろいでおります」の顔で大人しく座る。

さて2週目。
ここ、やっぱいいわ。ジャズに陶酔。ウッドベースが気持ちいい。音が大きいだけかもしれないけど、気のせいかめちゃくちゃ響いて聞こえる。目を瞑っているとまるでウッドベースの中にいるみたい。
当然ながらウッドベースの中に入ったことはないので実際はどう聞こえるのかはわからんのだが。


そこから水風呂、外気浴を繰り返し、3セットで完了。
途中から現れたサウナ利用のお姉さんともうまいことスイッチして水風呂も1人掛けチェアもいいタイミングで楽しめた。

着替えながら激しく喉が乾いてきてロビーにあったビールが頭をよぎる。
最近入浴料を払いながらちらっとロビーを見渡してビールチェックをする癖がついてしまった。
ビール、あったんだよねぇ。これはもう、飲んじゃうよねぇ。

はい、いただきます。
暑い日はロビール必須。許してください。(誰に乞うてるのか)

常連さん思われるおばちゃんが受付のおじさんと天気予報を見ながら「えー明日も暑いの?もうそんなの毎日ビール飲みたくなっちゃうよねぇ」なんて話している。
そうそう、それなんですよ。勝手に会話を盗み聞きして、これまた勝手に許しを得たような気持ちになりながら、ロビールを堪能し、私は宝泉湯を後にした。

【宝泉湯】
住所: 〒114-0003 東京都北区豊島8-23-5 (北区に豊島がある不思議)
電話: 03-3919-3906
アクセス:東京メトロ南北線「王子神谷」駅下車、徒歩5分
定休日:水曜日


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