恋でしかない恋は、愛にはならない
わたしは彼に好かれていた。
周りのみんなも、彼がわたしのことを気に入っているのは周知の事実で、それをからかいのネタのように扱っていたし、彼も隠す気がなかったのかそれを否定しなかった。
成績も良く優秀で、先生や他の学年の生徒からも一目置かれていた彼。
好かれているのは正直まんざらでもなかったけれど、明らかな好意は感じるものの、特にそれをどうしたいというアプローチを彼から受けることはなかったので、わたしはその気持ちへ回答をするタイミングを与えられたことがなかった。
自分が彼を