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個展を始めて10年たって。その3(はじまりのこと)

その2からの続き。
https://note.com/hinatajunko/n/n8a076ddeeff0

その1
https://note.com/hinatajunko/n/n0c13b80a106d?nt=like_2258733

そんなことが、何度もありました。
そんな中、子供たちの作るもののエネルギーに
ノックアウトされながら、
ある日ワークショップでピアニストさん出会った。
彼女は、教室をやっていて、お互いもりあがって
「音楽を聴きながら大きな紙に絵を描こう!」
というイベントをしたのでした。
2009年の11月の末のことでした。

会場を探して、ピアノ付きの部屋を見つけましたが、
やはりそういう部屋は、絵具が使えません。
いろいろ話し合った末、ブルーシートをひいて
クレヨンならOKということになりました。
そして、実験的に彼女にピアノを弾いてもらって
画用紙にクレヨンを走らせてみました。
音楽と一緒にどんどん色とストロークが目の前に現れ
そして重なっていくのを見てると時間も忘れて描いていました。
そして・・・
子供たちにもやってもらいましたが、
わたしが、止まらなくなってしまったのでした。

イベントをやるまで・・・そのあとも

毎日毎日毎日、描きたくて仕方がなくて、
画用紙に毎日クレヨン(ソフトなものも)をグリグリ滑らせました。

「誰にも見せる気のない絵」というものを
物心ついてから描いたことがあっただろうか?
わたしは、見せる必要のない自由な絵を
ただひたすらに描いていきました。
どうにも止まらなくなってしまったのです。

今思うと、評価やお金のこと営業やニーズなど、
仕事として描いてきて背負ったすべての荷物を
このときおろしていたのです。
もちろんまだ仕事はしていますが、
描くということに、なんの目的も考えも方向も入れない。
そんなことをする時間は、禊で、
そのために犠牲にしてきた全てのものを取り戻した時間でした。
究極に乾いたのどがいくら飲んでも
もっと水を欲していくようなそんな時間でした。

ただただ・・・目の前にあらわれる色や形が楽しくて
楽しくて・・・・・
そして・・・一年経ちました。

続く。

その2
https://note.com/hinatajunko/n/n8a076ddeeff0

その1
https://note.com/hinatajunko/n/n0c13b80a106d?nt=like_2258733




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