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スシローの賃金未払いについて思うこと


こんにちは。Hinaです。
今日は、大手回転寿司チェーンのスシローが、5分未満の賃金を支払っていなかったというニュースについて考察します。

ニュース概要はこちら。

では参りましょう💐


◇スシロースタッフ経験のある私から見たこのニュース


簡単にニュース内容を説明すると、スシローでは1分単位の賃金計算が原則となっているのにも関わらず、実際には5分単位での計算がされていたため、労働者が「切り捨てられた5分未満の時給を払ってください!」と訴えたという内容です。実は、私の学生時代のアルバイト先はスシローでした。あくまでも私の印象ですが、スシローはかなり労働者に対して正確に賃金が支払われている印象を持っていました。思い出してみると確かに1分単位での賃金計算ではありませんが、当時掛け持って働いていた経理事務のバイトでは30分単位の計算だったこともあり、「5分ごとに計算されるなんて!!」とむしろ感動していました。
(学生時代の私はかなりお金に敏感になっていたので、切り捨てられた時間が惜しく、17:00とか22:00とか、切りが良い時間ぴったりにタイムカードを押してよく注意されていたことも思い出しました。)

◇働き手の権利に注目しすぎていないか?

ライターさんにもよりますが、この記事に引用として掲載したニュースページでは、”働く側の権利”に主軸が傾いているように思います。
私は、”働き手が提供する仕事ぶり”あっての”働き手が持つ権利の行使”だと考えています。そのため、「1分でも多く換算されるならそうされるべき!!」と声高々に着替え時間までも労働時間に含めようとする考えに、素直に賛成できません。
もちろんすごく複雑な服(例えば工場勤務の方の殺菌防護服等)に着替える時間は換算してもいいかもしれません。しかし、スシローでの勤務のために、外から着てきた上着を脱いでエプロンをつける着替え時間を労働時間に含むのは、無理があるのではないかと感じます。
スシローのような飲食店では手洗いに時間と手間をかけますが、私のいた店舗ではその手洗い時間は労働時間に含まれていました。それは、「就業に必要な準備時間」としてカウントされていたからではないでしょうか。5分未満を切り捨てていたことだけがフォーカスされていますが、スシローはしっかり従業員の準備時間に対して十分に配慮していたと思います。

◇何分単位で計算するのが良いのか


ただ、契約上「1分単位で計算する」となっているにもかかわらず切り捨てられていたというのが論点だと思うので、この賃金計算方法について私の思うことを少し述べさせてください。1分単位で計算されるのが良いか、もっと大きな単位で計算されるべきか。私なりの考えは、1分単位での計算に賛成です。というのも、1分単位での賃金計算の方が、現場の生産性が上がるからです。
大きな単位で計算されればされるほど、労働時間内に仕事とは関係ない行動が増えやすくなります。サービス残業も含め、切り捨てられる時間があるとわかっていて働いている人たちは、仕事以外のことをする時間も増えやすいです。雑談や私用の電話、お菓子を食べたり少し休憩したりと、純粋に仕事のためだけに使っている時間が占める割合はどれくらいあるのでしょうか。それが悪いことだとは言いませんが、純粋に生産性の面で言えば下がる傾向にあると思います。

しかし、前述したとおりポイントは”働き手が提供する仕事ぶり”あっての”働き手が持つ権利の行使”という点です。
働き手に「賃金以上の価値を会社で生み出そう!」という意識がないままに賃金計算の方法をいくら変えても、生産性は上がらず会社の負担が増えるだけです。
そうすると会社側は「やっぱりもっと大きな単位で労働時間を計上しよう」という考えになります。働き手の意識の低さが、結果的に計上される賃金の低下につながるのです。

1分単位で労働時間を計上し、現場の生産性を向上させるためには、働き手の「価値を提供しよう」という高い意識と会社側の「働きぶりに見合った賃金を支払おう」という意識の2つがバランスよく必要です。
「1分単位で計算しろ!」「着替え時間も労働時間だ!」と訴える人たちに、働き手としての意識はあるのでしょうか。
1分単位で賃金が発生していない、この時間も労働時間としてカウントされるべきなのに計上されないと悩んだ際には、まず「私はこの会社にそれだけの価値を提供できているか?」というアタマを持っていたいものです。

ということで、私がかつて働いていたスシローの賃金計算に関するニュースについて、考察してみました。
ニュースでは偏った視点が切り取られていることもありますので、見方に気をつけたいなと思うきっかけになりました。

では、また🌷


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