明けない夜は無いっていうけれど。
今まで、夜は長いものと思っていた。
不安で眠れず、さびしくて涙を流していた夜。
なかなか眠れず、眠りについても恐ろしい夢で目が醒める。
明けない夜は無い。
誰が言ったかは知らないけれど、そんななぐさめは耳に入らなかった。
期待しては、裏切られる。
一生夜が明けないと思っていた。
それなのに、今はそんな夜があっけなく終わって朝がくるのだ。
けれど、
それは、不安がなくなったというわけじゃない。
流す涙がなくなったのか。
面倒になったのか。
それはわからない。
夜が明けたわけではないのかもしれない。
私はそれを見ていない。いや見ないようにしている。
いろいろと、あきらめたからかもしれない。
あきらめたほうが楽なこともあるんだ。
あきらめるなんて、本当にそれでいいの?
そんなこと言わないでほしい。
本当にそれでいいのかはわからない。
朝がくるという日常が、いま一番大切だから。