見出し画像

世界は人がうまいことやった話であふれている

フリーライター&イラストレーターの陽菜ひなひよ子です。

4年前に書いたこの記事は、わたしのnoteの代表作。

お陰さまで、たくさんの人にお読みいただいております。作家業に限らず、技術を売る「自営業者」のみなさまに刺さるものだったようで、何より。


今もそこにある、永遠にわかり合えない東西の壁


不思議ですが「自営業」は「大変」なのに「フリーランス」「お気楽」に見られます。

わたしは休日が決まっていないので、展覧会などのイベントはすいている平日に行くと決めています。会社員の人からは「いつでも好きなときに行けていいなぁ」とうらやましがられます。

でも、平日に休みやすいだけで、好きなときにいつでも行けるわけではありません。忙しいときは1カ月くらい休めないこともあります。楽しみにしていたイベントに行き損ねることも少なくないのです。

「そんなに平日に行きたいんなら有給使えば?」と、有給なんて概念のないこっちはこっちで思うわけです。

そんなことを口にすれば「有給はそんなに簡単に取れないのよ。限りある有給を展覧会なんかで使えるわけないでしょ」と血相変えて反撃にあいそうです。

すみません!日本国民の大半を占める勤め人のみなさんを敵に回す気は毛頭なく。「フリーランス」はそんなに気楽ではないといいたいだけなんですよ。

勤め人と自営業者の間には、今もベルリンの壁が立ちはだかっているのであります。


失敗話は伏せるのがフリーランスの鉄則


フリーランスはなぜ気楽に見えるのか。それなりの理由があります。「楽に成功している」ように「見せる必要」があるからです。

駆け出しの方にもぜひお伝えしておきたいところですが、フリーランスの鉄則が「売れてない話は書くな」です。

心理的に人は「売れている方」に惹きつけられます。

スーパーやECサイトで「売れてます」と書かれたポップやコピーをよく見かけます。売れてるんだったらわざわざ書く必要ないんじゃないの?って思うけど、理由はシンプルに「その方が売れる」から。

実際に売れているかどうかは関係なく、そのPOPをつければ、つけないよりは「売れる」のですよね。

だから絶対に、SNSなどに書いちゃダメなのが「お仕事ください」「助けてください」「全然仕事がないので困ってます」などといったマイナスな文言。

考えてみてください。スーパーでよく似た2つの商品があり、片方に「売れてます」片方に「売れなくて困ってます。買ってください」と書いてあったら、どちらを買いますか?

「売れてないです」と書かれた方の値段が半額なら、そちらを選ぶかもしれません。でも同額だったら?「売れてる」ほうを買いますよね?

お金を出して仕事を依頼するのに、わざわざ「売れてない人」を選びません。だから、フリーランスはSNSにプラスのことしか書かないほうがいいのです。


世界は人がうまいことやった話であふれている


みんながプラスのことしか書かないとどうなるか?SNSに成功譚があふれることになります。

世界中、自分以外すべての人が成功しているように見えてきて、フリーランス自身がしんどくなるのです。

そんなにみんながうまく行っているわけないんです。

売れている人はたくさん営業やチャレンジを重ねた人。数をこなしたから成功しているけれど、その分失敗だってしているのです。

でもそれを、みんな言わないだけ。

売れている人ほど、たくさんのつらい想いをしているといってもいいかもしれません。


「プチ起業」の記事同様、壁を越えて、向こう側(会社員)からこっち側(フリーランス)にやってくる人がいます。

みんな「こんなに大変だとは思わなかった」と口にします。できれば助け合いたいと「同士よ!」と両手を広げるけれど、なぜかそこでもわかりあえない人がいます。

「ひよこさんみたいに売れている人に、わたしの気持ちはわからない

わたしが売れているかどうかは置いておいて(実際そんなに売れてない💦)。

本人には言いませんが、わかりません。「努力なしで売れる人がいる」と考える人の気持ちをわかるのは、難しいです。


悩んだ時の解消法


かくいうわたしも一年前はとってもしんどい渦中にいました。ライターとして本格始動しガツガツと営業しても、思うように仕事に結びつかず。

イラストレーターとライターとでは、営業方法が全く異なります。イラストは主に作品を見せて依頼を待つ「蜘蛛の巣スタイル」。ライターは主に案件やメディアごとに応募する「ミツバチスタイル」です。

巣の中で、待てど暮らせど仕事が来ないのも辛いですが、行く先々の花に蜜がない=応募しても落ちまくる、のもしんどいものです。こんなに落ちるのは、わたしにライターとしての資質がないから?と悩みました。

でもそれはあっけなく解消

ライターの先輩から「応募は落ちるもの。気にせずどんどん応募するしかない」といわれたのです。

こんなに売れている先輩でも落ちるのか・・・と考えたら、すごく気が楽になりました。今も応募して落ちることもありますが「次行こ、次!」の精神で、めげずにいられます。

悩んだ時は学びの場に行ったり、気心知れた仲間を持ったりすることが大事だなと痛感。「SNSに人が書いていることがすべて」ではないのです。



もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。