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人が知りたいのは、成功するための真理ではなく、楽して儲ける方法・2

昨日の続き。

noteに数日投稿を続けながら、いろんな人の書いたものを読んで、強く感じたこと。多くの人が知りたいのは、本気で成功するための方法なんかじゃなくて、楽して儲けたり、大した労力もなく有名になれたりする方法なんだってこと。

でもあえて、ここでは、本当の意味で「楽に」「儲けることのできる方法」について考えてみたいと思う。

時間がかかるものはブームにはならない

私がたった10数年ではあるけれど、自分自身がイラストレーターとして仕事をし続けてきた実体験から感じた真理は、短い時間で楽して稼げる方法なんて無い、ということ。でも、多くの人は、やっぱり最短の時間で楽して稼げたり成功したりってことに惹かれてしまうんだよね。

それは別に最近始まった話ではない。儲け話をエサにした詐欺犯罪が後を絶たないのは、引っかかる人がいるから。

話は一足飛びに飛ぶけど(笑)、15年くらい前には、私は洋食器の絵付けをやっていた。ドイツのマイセンなどの絵の写しを習得するには、最低でも5年から10年は必要だとされている。いわゆる「手仕事」と呼ばれるものはそういうものだ。

その当時は空前のビーズブームで、ネコも杓子もビーズビーズ。ビーズの穴にテグスを通せさえすれば、誰にでもできる手軽さに、不器用な私自身もはまって、浅草橋に通い詰めた。ちょっと器用な人なら、簡単に販売もできて、主婦のプチ起業の走りだったのではなかろうか。

当時の絵付けの先生がおっしゃっていたことが印象的だった。
「みんな手軽なものを求めるのよね。10年もかけてやっと習得できるようなものなんてやりたくないのよ」

誤解のないように言うと、ビーズ作家の中にも本当に誰にも真似できないところまで到達されている「達人」はいらっしゃると思う。そういう方はきっと、そこに辿り着くまでに、他の人とは一線を画したような努力を重ねてこられたものだと推測する。それはきっと10年単位で。

10年という単位の重み

この10年と言うのはポイントで、ある程度のことを成し遂げた人の話には、時間の単位として10年が登場することが多いように思う。

私の友人で、端唄の家元がいるのだけど、彼女は10代の頃、本当に邦楽を続けるべきかどうか、真剣に悩んでいた。その彼女が、ある出来事が転機で、邦楽を本気でやっていこうと決意したという。その時に彼女はこう言った。「10年続けるって大事だって思った。迷いながらでも10年続けると、何か形になるものなんだよ」

まだ若かった頃に聞いたこの言葉は、私の胸の奥に響いて、30年近く経った今も折に触れて思い出す。

私は10年ほど前に、帽子の学校に通い、本気で帽子作家を目指したことがあった。その学校はアットホームだけど、本気でプロを目指せる学校で、カリキュラムは本格的。初等科は本当に誰にでもできるものだけど、中等科に入ると急に難しくなり、高等科に進める人はごくわずか。

その高等科を卒業するまでにかかる時間が、大体平均10年だということだ。それを聞いて、私はとても腑に落ちた。

最短で成功する人たち

物事には例外というものがある。

絵付けをやっていた頃の友人にKさんという人がいた。彼女は通常10年かかるというマイセン風の絵付けを3年でマスターし、4年目には講師として華々しく活躍するようになった。

通っていた帽子の学校で、なんと入学して2~3年ほどで高等科を卒業し、お店をOPENさせたという人が登場した。

それを聞くと、何だ10年もかからないんじゃん、と思う人もいるだろう。
そうではないのだ。
10年かけずに成功するには、たった一つしか方法はないのだ。

10年を3年にする方法

絵付けにしても帽子の学校にしても、10年というのはあくまでも通常の日程でカリキュラムをこなした場合。つまり、週一回通って10年と言うこと。それを3年で成し遂げるには、単純に考えても人の3倍以上頑張る必要がある。

Kさんもお店をOPENさせた人も、毎日学校に通ったのだという。つまり週1のところ週5通ったのだ。つまり5倍努力したのである。週1の人が普通にのんびりしたり遊んだりして過ごすその間も、絵付けや帽子漬けになっての3年間だ。

飲みにも旅行にも行けず、ひたすらそれだけに打ち込めるかどうか。年数が短いだけで、決して楽ではないのがわかるだろう。そう、楽して短期間で成功する方法なんて無いのだ。急がば回れは、本当に真理なのだ。

楽に成功するためのたったひとつの方法

結局、成功するためにいちばん楽な方法は、ひたすらそれを続けること。
長く続けるには好きなことじゃないと続かない。好きなことなら意外と、長く続けられるものなのだ。だから10年なんてあっと言う間。

好きなことを続けていれば、成功する可能性は高いのに、なぜ好きでもないことで最短に結果を出そうとするのか。不思議だけれど、人はなぜかそちらに流れがちなのだよね。

好きなことが見つからないあなたへ

好きなことをひたすら続けて行くこと。それが成功への最短の道。
でもそれができる人は少ない。だから成功できる可能性は結構高いのだ。
また、何かを本気で10年やり遂げると、たとえそのことで成功できなくても、何かしら見えてくるものだ。

好きなことって別に、クリエイティブやスポーツなどの華々しいことじゃなくていいのだと思う。お金の計算が得意だから経理を極めたり、車や飛行機が大好きだから整備士になったりと、好きなことが生かせる仕事って、実はたくさんあるのだ。

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