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【五感を解説2】聴覚の機能について

2つ目は「聴覚」についてわかりやすく解説していきます。

聴覚とは聞くことに関する様々な働きを言います。

聴覚は
①耳で音を受け取る力
②受け取った音を聞き分ける力
の2つがあります。
その2つの力をまずは解説します。

①耳で音を受け取る力
音には2種類あります。
1.耳の穴の奥にある鼓膜を振動させることで伝わる音
2.頭の骨を振動させることで伝わる音

自分の声を動画を聞くと「誰?」となることがあります。
これは上の2つの音を通して音声情報を聞いているので、鼓膜を振動させた音(動画の声)だけ聞くと違うように聞こえるのです。

その機能は胎児の時から発達を始めています。
脳の聴覚をつかさどる部位は妊娠約30週でほぼ完成していると言われています。
そのため、胎内にいるときから音は聞こえているようです。
母親の心臓などの内臓が動く音、
羊水を通しているものの母親の声、
血液の流れる音は絶えず聞こえているのでしょう。

妊娠36週頃には大きな音を立てると胎児の心拍数が上がったり、身体を動かしたりという反応があるようです。


②受け取った音を聞き分ける力
音を聞き分ける力は生まれたときから備わっています。
お母さんの声も胎内のときから聞いているので、生後すでに聞き分けていると言われます。

言葉には色んな言語がありますが、生まれてから約9か月くらいの間に母国語の細かい音を聞き分けられるようになる能力が発達します。

その頃のたくさんの話しかけが言語発達に影響を与えるのです。
これは機械音では発達させることが出来ません。

その子その子が好きな音 = お父さんやお母さんの声 から
発達していくものなので機械音では発達できないのです。

その子が好きな音とは・・・?と思いませんでしたか?

赤ちゃんの好きな音を探った実験をすると、一番好きだったのは人の声だったそうです。
※もちろん、生声です!

特に人の声の中でも音域の高い女性の声を好むとのことです。
さらに、その中でもゆっくり抑揚のある話し方の女性の声が赤ちゃんの反応が大きくありました。
これを知ると0歳児クラスの先生の話し方がどうなっているか気になって仕方なくなります。
赤ちゃん言葉はリズムが良く、ゆっくり話すように出来ています。
そのため聞き取りやすい = 覚えやすい という方程式が出来るのでしょう。

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さて、音には更にもう一つの情報がつかめます!
音を聞くことで”音がどこから聞こえてくるか”という距離間や場所が判断できます。
この音の方向を判断する力を聴覚定位と言います。音の方向は左右の耳から聞こえた音の大きさや高さの違いによって判断されます。

また、パーティーカクテル現象と言って様々な雑音の中から人の声・聞きたい音だけを聴きとる力が人間には備わっています。

発達障害がある子の中にはこの機能(現象)がうまく使えないために日頃からうるさいと感じ、保育室から出るという行動に出る子がいます。
音の大きさや音の種類が苦手、同じ音でも環境が変わると苦手
(※お部屋の中である音を聞く分にはいいけど)
外で聞くのは苦手等という事例もあります。

まずは乳児期に音のする方を見ない、話しかけても振り向かない耳をふさぐ姿が見られる人で混雑すると緊張する機械音ばかり好む等の様子がある場合は受診が必要になる場合があるので心配な方は市や区、町の保健センターに
相談を促してください。



お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。