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【基本的生活習慣特集】清潔について

基本的生活習慣とは一般的に「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」「衣服の着脱」を指します。
生きていくために必要であり、また、社会の中で生活するために大事なこと。

生活に大事なことは自立に繋がることです。お勉強が出来ても、自分で生活をすることが上手くできずにいる子多く、大学に臨床心理士を非常勤で配置する動きも見られています。

今回は「清潔」について解説します。

保育士にとっては理解の深いものでありますが、教員・指導員にとっては「清潔」というカテゴリーがあまり使われないと思います。

清潔とは
・手洗い うがい
・口腔の衛生
・鼻水の処理
・汗の始末
等の健康に関わる衛生保持についてです。
身だしなみにも大きくかかわります。


手洗いは排泄毎、戸外活動後、食事前、制作後等頻繁に行うため比較的週刊づきやすいのですが、いつ行うのか自分で判断するまでにある程度の生活経験が必要です。


うがいは戸外活動後が多いと思います。
私が前に勤務していた保育園ではホールでの遊びの後にもほこりが舞っていることを仮定して、行う習慣がありました。
お茶でうがいするのが流行した時期もありましたよね。


歯磨きは朝・晩がメインですが習慣づけのために昼食後に取り組む園も多いと思います。
日本によっては歯科への興味関心が低く、美容面での歯科は意欲が高いのに衛生面としては低いという方も多いようです。
生活を指導する側もきちんと理解した取り組みが必要です。


鼻水の処理は気付いたらできているという方も多いのかもしれませんが、きちんと「はなをかむ」という行動を発達ととらえて児童票に記入している園もあります。


汗の処理はこれはのちのち就職活動や人との関わりに大きくかかわる問題です。
きちんと指導されず、わきがのようなにおいがあって飲食店・食品関係の会社に勤められなかった人もいます。
髪・顔・体をきちんと清潔に保つことや衣服の調節をして汗を防ぐ等、多くの人が当たり前に行っていることが出来ていないと目につき、印象が悪くなるばかりです。正しい習慣づけを促しましょう。

<清潔に関わる発達の目安>
※おおよそです。

1か月
快・不快を「泣く」という行動で伝える。

3か月
手をしゃぶったりします。口にものを入れる遊びを盛んにすることでハブラシを入れる感覚を受け入れられるようにしましょう。

5か月
離乳食開始と同時に流水で手を洗う習慣づけを始める。歯ぐきも状態から歯磨き習慣をつけましょう。


6か月
おむつを取り換えると気持ちよさそうにする。

9か月
手についたものを綺麗にすると喜ぶ様子が見られる。歯が生えはじめるので「歯と歯茎の間」を桃の皮を撫でるようにこすります。※大人の歯も同じようにこするんですよ!!!

1歳
水を口から出すことが出来る。

1歳半
模倣が盛んになるので見本になって行うとやる意欲が引き出せます。手を添えてもらうと鼻を出してかめる。

2歳
口をゆすぐことが数回出来るようになる。
手をこする動作も上手になり、手より小さい石鹸だと泡立てられます。
髪を結ぶことに興味を持つ。

2歳半
手首を回すことが出来るようになり蛇口をひねることが出来始めます。「やる?」「いま?」とすべきことを確認する様子が見られる。(知ってるよ!の表れ)
濡れタオルで自分で顔を拭く。

3歳
自分で鼻をかめるようになる。
ガラガラうがいが出来るようになる。
自分で磨く練習を始めます。(3指持ちが出来るようになるため)
※小学4年生までは大人が仕上げをしましょう
↓ハブラシもこのように持ちます

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3歳半
声を掛けなくても自分で考えて手洗い・うがいをする。全て全力で行おうとする時期なので失敗に対して激しく泣きます。声がけには要注意。
5本指手袋が自分ではけるようになる。(軍手が使える)

4歳
自ら”暑い””寒い”を感じられる。
全体の声掛けで指示が通るようになる。
怠ける心が出てくる。テキトーにやることも増えます。
見えないものへの概念もつき始めるため、ばい菌への理解が深まります。
自分で髪を洗うようになりますが後頭部への意識が低いため仕上げが必要です。


5歳
自分で朝に顔を洗う。タオルを絞れるようになる。
自分で物事を解決しようと考えるようになる。(自分で目的を持つ)
汗を自分で拭くことが出来るようになる。
背中への意識が高まり、1本タオルで身体を洗えるようになる。
「お腹痛い」「具合悪い」と身体症状を自分で訴えられるようになります。

6歳
ハンカチ・ティッシュを自分で管理できる。

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おおまかにこのような発達段階となっています。発達を捉えると、関わりをどうするべきか見えてきます。

中高生になると汗のにおいがきつくなって、汗の処理を細やかにしなくてはならなくなります。
便利な汗拭きシートや制汗剤が出ているのでそちらでケアをするのも適切です。養護学校の寄宿舎ではそのようなケアも教えているそうです。

また、髭剃りを促したり、月経の血液の処理等
性別によっても様々衛生配慮が必要となってきます。
これも発達によって大きく違ってくるので家庭で自立へ向けて指導できるように手紙による注意喚起を促したりしながら、教育していくと保護者も安心です。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。