17.石上神宮の祭祀
石上神宮について触れている資料に『紀氏家牒』という紀氏の伝承や系譜がまとめられたものがあります。平安時代の編纂とされていますが、現在は逸文が残るのみです。それによると、蘇我馬子の子の蝦夷は葛城県豊浦里にいたので豊浦大臣と呼ばれ、また、多くの兵器を所蔵していたので武蔵大臣とも呼ばれました。蝦夷の母は物部守屋大連の妹である太姫で、彼女は守屋家の滅亡後に石上神宮の斎神の頭となります。それで蝦夷は物部族の神主家等を下僕にして物部首または神主首と称するようになりました。蝦夷の母が守屋の