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古代史構想学(実践編4)

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現代人には忌み嫌われる蛇が古代より神として崇められるようになったのはどうしてだろうか。少しだけ考えてみました。
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蛇神について(後編)

蛇神について(後編)

「前編」「中編」では谷川健一氏の著書「蛇 不死と再生の民俗」をもとに想像を膨らませてみました。この「後編」では、蛇や蛇神を考えるにあたって追加の材料として栃木県にある大平山神社のサイトにある情報を取り上げてみます。

大平山神社には境内摂社として蛇神様(水神様)を祀る蛇神社があります。また、内容は全く分かっていませんが、毎年旧暦の1月8日には神蛇祭(しんださい)と呼ばれる開山式が行われるようです。

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蛇神について(前編)

蛇神について(前編)

蛇神、龍蛇神、蛇神信仰、、、古代より蛇が神様として崇められるのはどうしてだろうか。以前から調べてみようと思いながらもここまで放置したままでした。最近、オンラインサロンの仲間から蛇にまつわる話を聞く機会があったので、この際、自分なりに調べてみようと思って谷川健一氏の「蛇 不死と再生の民俗」を読んでみました。

正直なところ、民俗学というのはよくわからない学問で、関連のありそうな事実や事象が並べられて

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蛇神について(中編)

蛇神について(中編)

「前編」では谷川健一氏の著書をもとに感想めいたことを書いてきましたが私なりに整理すると以下のようになります。
  
・大海の中の激しい潮流である渦はケガレを呑み込み、ケガレを取り除いてくれる。
・これは中国江南や南方から海を渡ってやって来た海洋族の発想である。
・渦はウズ(細長い生き物)に通じ、渦巻は蛇のとぐろに似ている。
・渦と同じ形をした蛇がケガレを取り除くと考えられて信仰の対象となった。

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