見出し画像

意識低い欲求を満たすことが前進に繋がる。〜「ちょいバカ戦略」を読んで〜

「バカマーケティング、という言葉をご存知ですか?
私が通っていた大学の教授が「今はバカマーケティングばっかりだ」と言っていたことで知った言葉です。
世の中には、意識高い系と呼ばれる人達がいます。
きっとこんな演劇のことばっかりあーだこーだ書いている私も「意識高い系」です。(私の普段の生活には意識高いところは一切ないけど)

意識が高い、というのは揶揄する言葉でもあるし
「あの人は意識高いから成功したんだ」みたいに語られることもあります。
確かに開発した本人は意識高いかもしれないけど、本当に意識が高いからヒットしたの?という問いから、「ちょいバカ戦略」という本は書かれています。

(これはアフィリエイトリンクではありません。)

以前、私の更新したnoteを読んでくれたЯeality出演者の中田悠人くんと「日本ってわかりやすくて簡単なものしか売れないよね」という話をしました。
実際、バカマーケティングと呼ばれるものはインパクトを残したり大きく目立つ色で情報を伝えたりするものだと思います。
現在伸びているYoutubeとかも、文字が大きくサムネに書かれていたり「簡単!」みたいな謳い文句のものが多いなぁと思います。

この記事では、「ちょいバカ戦略」を読んで思ったこと、私が大学で学んだこと、演劇に置き換えるとどうなるの?というお話をしていきます。

意識が低い人の視点はマーケティングにおいて極めて重要

画像1

意識低い人、というとなんとなくバカにしているイメージがあります。
けれど、「ちょいバカ戦略」ではかなり肯定的な言葉で使われ、
「意識低い系のことを考えてモノやコトを作らないとヒット商品にはならない」と書いてありました。

ヒットをするためにはイノベーター理論で言うキャズムの溝を超えなきゃ行けません。
簡単に言うと流行り物好きな人が「めっちゃいい!」って口コミをして「そんなに人気なら安心して買えるわ」という人まで売れなきゃヒットにならないということ。

詳しく知りたい方は、私の以前のnoteを参考にしてみてください。

意識低い人って、どんな人を思い浮かべますか?
選択は周りに合わせてとか、安いものが好きとか、簡単に使えて便利なものを好むなどのイメージがあると思います。

けどそれって、人間の欲求として正しくない???

生きてる限り楽したいじゃないですか。
寝てるだけで生活できるなら絶対一日中寝てる。ベッドから動かない。

ちょいバカ戦略の成功例として、Appleが取り上げられました。
あのiPhoneのAppleです。
「え?Appleなんて意識高い系の総本山じゃん」と思われるかもしれないです。
実際私も「意識高い人達が好むし、スティーブ・ジョブスとかすごすぎんじゃん!?」と思ってました。

けれどよくよく考えてみると、Appleって「誰もがインターネットに繋がる」ってのを発明してるんですよね。
インターネットって一部の人が利用してただけなんですって。仕事用とか。
「インターネットは流行らない」とまで言った専門家もいたらしい。

スティーブ・ジョブス率いるAppleは美意識が高く正真正銘の意識高い人達だと思います。
けれど、意識低いと呼ばれる人達にもわかるように製品を作った
結果的に、誰でも使い方がわかり爆発的ヒットになったそうです。

このように、「わかりやすい、簡単」というのはマーケティングにおいて極めて重要です。
意識高すぎる人の感性に合わせてしまうと、大衆の気持ちが置いてきぼりになって受け入れられない。実際Appleもそんな時期があった。

意識が高いことはいいこととは限らない。
むしろ「意識低い系」の視点を取り入れないとヒットには繋がらないのです。

「みんなやってる」安心感

画像2

特に日本において「みんなやってるから」というのは大切な行動原理になっています。
赤信号 みんなで渡れば 怖くない 的な。よくないけど。
iPhoneが流行った理由も、JKが「みんなと一緒」というのが大きな要因みたい。みんな一緒のiPhoneで、ちょっとだけ個性を出すカバー。日本人好みだ。

商品がヒットするためには「みんなやってるならきっと良いものなのだろうし、そうじゃなくても自分だけ損をすることはない」という心理状態を作ると良い、と思う。
メジャーなものよりマイナーなものの方が意識高いって思うけれど、ヒットって観念からじゃなかなか難しいわよね。(例外ももちろんあるけれど)

それと、人間は理性的であるべきだと思う反面感情的な生き物です。
理性的に考えなければいけないものや抽象的なものよりも、感情で受け止められて具体的なものの方が広まる。(Youtubeとかそうだと思う。)

「みんなやってる安心感」が、ヒットをより確実にするんだと思う。

「意識低い系」の目線を手に入れないといけない

「ちょいバカ戦略」を読んで思ったことは
「演劇って意識高いな」ってこと。
意識高いのは悪いことじゃない。現に意識高すぎ族の頂点にいる(と思う)Appleはその美的センスと使いやすさで世界で一番時価が高い。
ただ、「意識低い系」の視点を手に入れないと市場は大きく広がらないんだなということがわかりました。

演劇、というより現代芸術とかって「わかる人が来ればいい・買えばいい」みたいなとこありません?
大学で現代アート勉強するまで何を目的に制作してるのとか全然わかんなかったし、それを知ったからって知識があるからわかるだけで、別に賢い訳ではない

演劇は好みだから「自分の作風の好みの人だけお客様として来ればいい」と思うけれど、
もし「もっと多くの人に知ってもらいたい」って思うのならばこの「ちょいバカ戦略」を取り入れなければならないのだと思います。

意識高いんだけど、楽な方法や感覚的に訴える方法、根源的な欲求(美味しいとか安心とか)を追求しないと、キャズムの溝は超えられないんだなと思います。

いただいたお金は!!!全て舞台裏のためのお金にします!!!!殺人鬼もびっくり☆真っ赤っかな帳簿からの脱却を目指して……!!!