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#エッセイ

鈍(にび)が来た

鈍(にび)が来た

にびが来た

フランスの革命記念日で
私が「鈍色の」を書いた日に
見つけてもらったそうだ

まだ6週間ぐらい
人間で言えば乳飲み子である
こんなちいちゃな子を捨てる神経が
皆目わからん

小さいけど元気で甘えた
最初にママ認定してくれたので
私がいなくなると1秒で
沸騰しっぱなしのピーピーケトルと化す
二階建ての家のどこででも聞こえるレベルだ

だけどママさえいればいいらしい
ママがダメならパパで

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絶望

絶望

絶望の底を見てる
昨日からずっと

日が変われば楽になるとか
思ったけど戯言だった

吐き出せもせず
浮き上がれもせず
昨日からずっと
同じ風景を見てる

いつか上見れるのかな

こんな時はとことん
底を見るのがいいと
教えてくれた人がいるけど
底を見続けるってそれなりに辛い

今度も耐えれるのかな

絶望って全部奪うよね
楽しいことも
楽しいと感じる心も
楽しもうとする気も
楽しかった過去も

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鈍色の

鈍色の

鈍色(にびいろ)の空という
言葉に出会ってから
ずっと探していた
鈍色の空

あれは重すぎ
それは軽すぎ
鈍くないし
鈍重では馬鹿みたい

そんな風に吟味して
毎回曇り空を眺めていた

失礼なことだ
曇り空にだってそれぞれ味があり
言い分だってあることだろうに

そもそも雲の上であれば
いつでも気持ちの晴れ渡るような晴天だ
そもそも曇り空を
吟味することもできない

50を過ぎてふと想う
鈍色とは

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