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社員のエンゲージメント向上のために、会社の理念や方針を強化する社内コミュニケーションを考える(THE TEAM 5つの法則)

麻野耕司著「THE TEAM 5つの法則」を読みました。本を眺めていてふと目に入り、以前、知人に薦められていた「The Goal」と間違えて手に取りました。そうして、偶然、読み始めた本ですが、本書を読んで、仕事でモヤモヤしていたことに対して、少し光が差してきました。

本書を読んで、仕事でモヤモヤしていた2つのことを考えました。

モヤモヤ1.目標を設定したい vs 目標は既にある

先日、チーム内で2021年の計画を立てる際に、「チームの目標をきちんと設定しましょう」という提案をするAさんと、「目標は既にあるのに、何故改めて目標を設定する必要があるの?」というBさんの意見が対立しました。

その時、Aさんの意図もBさんの意図も、なんとなくわかる気がしたけれど、両者の激しい対立のなか、わたしは上手く発言できませんでした。

なぜ、意見が対立していたのでしょうか。

それは、AさんとBさんの考える「目標」のレベルが違っていたからです。

本書では、下記のように、目標設定の3分類が紹介されていました。(p15-p17)

〈目標設定の3分類〉
1.意義目標

最終的に実現したい抽象的な状態や影響のこと
例 / 日本全体のチーム力を高める

2.成果目標
チームとして手に入れるべき具体的な成果のこと
例 / 10万部売る

3.行動目標
チームメンバーが具体的に取り組むべき行動の方向性のこと
例 / 「チームの法則」を、事例を交えて分かりやすく伝える本をつくる

チームは、設立当初から「○○という商材のビジネスを軌道にのせる」という「成果目標」がありました。

つまり、Aさんは、よりチームのメンバーが主体的に、モチベーション高く働けるのではないかと考えて、「目標(=意義目標)」を立てることを提案していました。しかし、Bさんは、既に「目標(=成果目標)」があるのに、新たに「目標(=成果目標)」を立てる必要性はないと主張していました。

AさんとBさんは、同じ「目標」という言葉を使って、違うレベルの「目標」について話していたため、対立してしまっていたとわかりました。

この時、AさんとBさんの「目標」という言葉の認識のずれ、「成果目標」と「意義目標」の違いについて、指摘できれば、AさんとBさんの対立から、第3の案を導けたかもしれないと思いました。

モヤモヤ2.社内コミュニケーション活性の目的は?

わたしは、社内コミュニケーション活性化の取り組みとして、社内報作成や社内ラジオ、社内座談会企画などに携わっています。そもそも社内コミュニケーションの目的は何かを深く理解して、より良い施策を行いたいと思っています。

社内コミュニケーション活性化の目的の一つに、「社員のエンゲージメント向上」がありますが、どうしたら社員のエンゲージメントが向上するかについて、これまでよく考えたことがありませんでした。

本書では、エンゲージメントの4Pとして、エンゲージメントを高めるために大切な要素として、次の4つが紹介されていました。(p184-p185)

〈エンゲージメントの4P〉
1.Philosophy(理念・方針)
2.Profession(活動・成長)
3.People(人材・風土)
4.Privilege(待遇・特権)

これまで、エンゲージメントを高めるという目的に対して、「楽しい時間を過ごす」「評価される」「社長や役員とのコミュニケーションを増やす」といった取り組みをしていました。

エンゲージメントの4Pを参考にして考えてみると、社内コミュニケーション施策で社員のエンゲージメントを高めるために、これから新しく出来ることや強化できることが見えてきました。

例えば、Philosophy(理念・方針)に関して、社長や役員と社員の距離も近くて、会社の理念や方針ははっきりしていると思います。しかし、期の変わり目や社内外の環境が大きく変化する際には、会社の理念や方針を、より広く深く社内に浸透させるための手段として、社内コミュニケーション施策を活用できると良いかなと思いました。

また、People(人材・風土)に関して、テレワークで会社の雰囲気が分かりづらくなっている今、自社の人材らしさや自社の風土を強化・浸透させることで、社員エンゲージメントを高めることができると思います。そのために、自社らしさを強化浸透させるために、何をどのようにすると良いかという視点で、社内コミュニケーション施策を考えていきたいです。

まとめ

本書を読んで、「目標」には、意義目標・成果目標・行動目標という3つのレベルがあること、社員のエンゲージメントを高めるには4つのP(Philosophy、Profession、People、Privilege)が大切であることを学びました。

目標という言葉にレベルがあることをチームで認識して、主体性やモチベーションの高いチーム作りに貢献できるようになりたいと思いました。

また、会社の理念や方針、自社らしさを強化・浸透するために、何をどのように行うと良いかという視点で社内コミュニケーション施策を考えていきたいと思いました。

上記のように、自分に関係があることや取り組めそうなことから、行動を起こし、自分が属する組織をより良い組織にしたいなと思います。