そもそもDXはなぜ必要か。DXを推進するとしたら、具体的には何が必要か。(未来IT図解 これからのDX デジタルトランスフォーメーション)
内⼭悟志著「未来IT図解 これからのDX デジタルトランスフォーメーション」を読みました。
社内外のDX推進が仕事で求められて、DXとは何かを自分なりに調べた。今のところ、わたしはDXとは、ありたい姿を目指すために、IT環境の整備とオペレーションの実践の2軸を同時に進めることだと認識している。
先日、ディープラーニングに関する一般知識を問う一般社団法人日本ディープラーニング協会主催(JDLA)のG検定を受験して以来、人工知能やDXに関する情報に触れることが増えた。G検定学習やJDLA主催の勉強会を通じて、DXを推進するには技術とビジネスオペレーション双方の理解した上で、現場の課題を発見し、適切な道筋を描くことが必要だとわかった。
では、そもそも一体なぜDXが必要なのかやDX推進のために企業はどう変化していけば良いかを学びたくて、本書を手に取った。
本書から学んだ以下の3点について簡単にまとめようと思う。
目次
1.DXが必要な理由
2.DXの環境整備に必要な企業内変革
3.DX推進人材
1.DXが必要な理由(参考:pp.22-25)
DXが必要な理由は大きく分けて2つある。まず、ビジネス環境の変化によってこれまでの常識が通用しなくなってきている事。そして、テクノロジーの進展によってDXを手軽に始められる用になった事だ。
ビジネス環境の変化として、以下のような変化が考えられる。
ビジネス環境の変化
・市場のグローバル化とボーダレス化
・顧客の価格観の変化と多様化
・ディスラプター(破壊者)の台頭
・国内市場の飽和感
・労働力の不足
本書で、ディスラプター(破壊者)という言葉をわたしは初めて耳にした。ディスラプターとは、既存企業や業界の優位性を脅かすような存在のことだ。例えば、デパートやショッピングモールのような小売業界にとって、AmazonのようなECサイト。タクシー会社にとって、Uberのような配車サービス。ホテルや旅館にとって、Airbnbのような民泊仲介サービスのことだ。
次に、テクノロジーの進展として、以下の事柄が考えられる。
テクノロジーの進展
・クラウドの浸透
・AIなどデジタル技術の飛躍的な発展
・技術の低廉化、コモディティ化
・施策、実装手法の迅速化
・外部連携活用の簡便化
わたしにも普段から、GoogleやMicrosoftのクラウドサービスや精度がかなり向上している自動翻訳を頻繁に利用しており、ここ数年だけでも技術の進歩を肌で感じている。
2.DXの環境整備に必要な企業内変革(参考:pp.88-89)
DXの環境整備に必要な企業内変革を以下の5つである。
DXの環境整備に必要な企業内変革
・制度 変革を促進させる制度の採用と阻害する制度の緩和
・組織 専門組織の設置や既存組織の役割の再定義
・権限 予算、人事、組織連携などに関する権限移譲
・人材 DX推進人材の確保と育成
・意識 経営層や現場の危機感と変革に対する意識づけ
また、経済産業省がDX推進のガイドラインを「DX推進指標」として、丁寧にわかりやすく、まとめている。具体的に何が必要で何が不足しているかを明確にする際には「DX推進指標」を使用すると便利だろう。
3.DX推進人材(参考:pp.108-109,112)
DXを推進するには以下の3つのタイプの人材が欠かせない。
DX推進人材の3タイプ
・デザイナー(企画) 着想して、企画を推進する人
・デベロッパー(技術) 技術的に実現可能かを検討しながら試作を作る人
・プロデューサー(総括)ビジネスとして人や組織を動かす人
また、DX推進人材は研修やセミナーを受動的に受けているだけでは育ちづらいという。むしろ、主体的に社会で開催されているハッカソン/アイデアソンやハンズオンセミナー、コミュニティによる勉強会や研究会を探す出すような人こそDXを推進させる素質のある人材である。このように社外で様々な業種や職種の人と意見やアイデアをぶつける体験が大切だ。
まとめ
ビジネス環境の変化と技術の進展という外的な要因から、企業が生き残っていくためにはデジタルトランスフォーメーションが欠かせない。そのためには、「制度・組織・権限・人材・意識」といった視点で社内の環境整備が必要である。そして、DX推進には「企画・技術・総括」の役割を担う人材がそれぞれ重要だ。DX推進人材になるためには、主体性を持って、業界業種の異なる人と意見やアイデアをぶつける体験を積むことが大切である。
Next Action!
本書を読んでいて、DX推進の企画に興味が湧いたので、DX関連のアイデアソンに参加してみたい。JDLA主催のアイデアソンやG検定合格者コミュニティの情報にアンテナを張っていようと思う。
また、DXの中でもマーケティング業務のDXや中小企業や伝統産業のDXに興味がある。マーケティングや中小企業、伝統産業のDXに関する勉強会や意見交換会、セミナーに参加して最新の動向を掴んだり、深く思考し、仕事でも活かせるようになりたい。
Next Action!
・DXのアイデアソン参加
・マーケティング、中小企業、伝統産業のDXに関する勉強、情報収集