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「HRtechは、人を幸せにできるのか。」 海外で注目のHRプロダクトから解説

HRtechは人を幸せにできるのか

何のために働くか、引いては何のために時間を使うか。

働き方改革やAIによる業務効率化など、これからの人類は今まで程仕事に追われずに済むのかもしれません。そうなった時に人々の時間の拠り所、心の拠り所はどこに向かうのだろうか。

結論から言うと、これは昨今のHRtechの潮流で言うところのプロダクトの階層化に掛かっていると言える。

サイロ化されたシステムではなく、個人と組織に最適化された統合されたプロダクトをシステム面でもデザイン面でも避けられなくなっていき、これを水平であれ垂直であれ、完成させたテクノロジーだけが人々を幸せにできると確信している。

HRtechは大きな転換点を迎えている

20年以上米国のHRtech領域でアナリストを勤めているベルシンジョッシュ曰く、これからのHRtechは2つの大きな転換点をむかえている。

・組織ではなく従業員に対して、評価や環境ではなく従業員自体の能力を底上げする
・分散したインプットを統合するアウトプットプラットフォーム化

日本のHRtech領域では未だに勤怠管理や、人財労務管理、採用管理あたりの工数削減のイメージが強いが本来の課題はそれだけで組織や個人のパフォーマンスを底上げできるようなものであるべきだ。
そしてそのために、会社や組織だけではなく、従業員個人のエンプロイーエクスペリエンスやその生活に即したプロダクトで有るべきということだ。

そしてこれらの問題解決のために多様な発展を遂げたSaaS製品のインプット情報は、API連携などによって水平統合されていくはずだ。

海外で話題のHR系プロダクト

①WORKHERE

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職場から近い人を採用しようというプロダクト。通勤を言う社会問題に対して、問題提起を強く打ち出している。

常勤の採用や、スポットのリソース派遣も行っていて、Uberなどとの提携も注目。

②Ally

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入力工数の殆どないOKRツール、Gitやスプレッドシートやタスク管理ツールと連携して各種OKRの進捗を追いながらマネージャーとメンバーのコミニケーションを図るプロダクト。

類似サービスはDockablなど

③PILOT

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Yコンから出資を受けている注目株。

上司と従業員の期待値をなくすために、一方的な研修ではなくコーチングを行い、そのプログラムをデータをもとにメンバーとマネージャーを改善してチームを成長させようというアプローチのLMS。

④GUSTO

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中小向けの経理、採用評価、福利厚生、マネジメントなど一括管理するプラットフォーム。

法務や財務などの専門性の高い職種に関しては外部の専門家にその都度相談できたり、建設現場の事故に対する補償のワークフローなど、401k(海外の確定拠出年金)の運用の自動化など、導入企業は10万社を超えている。

資金調達は累計で170億円で、類似サービスはZenefits、darwinbox

⑤Conerstones

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LMSを中心としたHRMSaaS、売上はすでに年次5億ドルに到達しており、欧州のHRM企業の買収なども進めている。

適切な目標設定と、マネージャーによる達成度の確認、学習コンテンツのモバイル化などLMSとして堅実な基盤を気づいている。

時価総額は3000億円超。

⑥GLINT

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サーベイによってメンバーへのピープルアナリティクスもマネージャーへのタレントマネジメントも可能なのが特徴。

累計調達額は80億円以上。

⑦Lattice

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パフォーマンスとエンゲージメント、その複合的な分析を可能にするプロダクト。パフォーマンスにおいて、目標設定や進捗管理を行いながら自動でフィードバックも可能。

マネージャーはアンケートをもとにしたエンゲージメントとパフォーマンスの比較分析を行える。

類似サービスはCulture amp、Betterworks、Reflektive、visierなど。

HRtechも結局、プロダクト。

これからのSaaSは前述の通り、2通りの進化をたどると考えている。

・SaaS+AI+toC→従業員個人を志向とした採用、保険サービスへの進化
・SaaS+SaaS→HRの包括的なトータルソリューションへの進化

SaaS+AIでは企業での利用ログから、データのネットワーク効果を活かしてマネタイズしやすい採用や、福利厚生などを中心に顧客単価を上げていくスタンスを取っていく、所謂バーティカルSaaSの形態だ。SaaS自体は機能が飽和しがちなので、ベースの単価を下げていき、垂直統合を進めていくはずだ。

SaaS+SaaSは、労務や評価などHR SaaSの包括的なパッケージをPaaSとして磨き込んでいくために、大型資金調達をして買収などを繰り返している。

いずれの進化をたどるにせよ、組織と個人の階層構造を意識した設計である必要がある。単純にtoC個人向けの観点だけでもなく、法人の複雑な意志決定フローに対する観点だけでもない、複合的で越境的な視点をもってプロダクトを磨き込んでいくことが欠かせない。

近頃はAPI連携で、スイッチングコストは逓減し、水平統合はかなり進めやすくなったがその反面、API連携を前提としたプロダクトの設計が少なくないようにも感じる。

本来は、API連携などなくともまずそのプロダクト単体でユーザーのペインを解決していることが前提だし、それがないとスイッチングコストがない現状ではすぐに乗り換えられる。

そういった磨き込みがあった上で、垂直統合を進めるHRtechと水平統合を進めるプロダクト同士が階層的に統合されていくことは大いに素晴らしいことであるし、そういったネットワーク効果はこれから重要になってくると思う。

comonoというチームでプロダクトを作りながら、他社のプロダクト設計とかまとめているのでもしよければフォローお願いします!



いつもありがとうございます、面白い話するのでお茶でもしましょう。