「オーバーラーニング」しないと,勉強は無駄になってしまいますよ!!
「オーバーラーニング」しないと,勉強は無駄になってしまいますよ!!
上級者向け最後のテクニックが「オーバーラーニング」です。
スポーツや音楽の世界では,このテクニックはよく使われています。
簡単に言うと,すでにマスターしたスキルをさらに練習する手法です。
プロ野球選手でバッティングが一流の選手であっても,素振りは何度も繰り返し行いますし,プロのピアニストでもあえてバイエルをやり直したりします。
これがまさにオーバーラーニングの例です。
一流になればなるほど意識せずして基本練習を繰り返しますよね。
このテクニックは,「勉強」の世界でも大きな影響力をもっています。
1.「オーバーラーニング」は学習にも役立つ!?
2017年のブラウン大学の研究では,特定の画像を記憶するトレーニングを実践し,2つのパターンで学習を行いました。
1.「十分にうまくできるようになった」と思ったら学習を止め,30分の休憩を挟んでから別のスキルトレーニングを行う。
2.「十分にうまくできるようになった」と思っても,20〜30分だけ同じ訓練を継続。その後,30分の休憩を挟んでから別のトレーニングを行う。
このグループ2が「オーバーラーニング」を行ったグループです。
翌日に全ての被験者に記憶テストを行ったところ,オーバーラーニングを行ったグループは,1番目に学習した内容をとてもよく記憶し,2番目に学んだ内容も覚えていました。
逆に「オーバーラーニング」をしなかったグループは,2番目に学んだ内容だけは記憶していたが,1番目に学んだ内容をほとんど忘れていました。
つまり,「オーバーラーニング」を行わないと,学んだスキルを忘れていってしまうということなんです。
2.「オーバーラーニング」で脳に情報が定着する
1度出来たと思ったスキルを,もう一度勉強するという,この「オーバーラーニング」を行うことで,脳に情報が定着していきます。
これは,脳の独特のメカニズムによって起こる効果です。
新しいスキルを学んでいく時,私たちの脳は「学習モード」に切り替わり,積極的に情報を取り込もうとします。
しかし,この「学習モード」の容量は決まっており,ある程度の情報が入ってしまうと,以前の情報から消していってしまいます。
そのため,たくさんの情報を一気に入れすぎると,最初に覚えたものから忘れていってしまい,せっかくの勉強が無駄になってしまうんですね。
しかし,この「情報の消去」が始まる前に「オーバーラーニング」を行うと,脳は,以前の情報が再度取り込まれ始めたことを察知し「定着モード」に切り替わります。
こうすることで,学んだスキルを脳に定着させていくことができるんですね。
勉強にも使えますし,スポーツ等の新しいスキルを定着させたいときにも使えます。
ぜひ,お試しください。
【参考文献】
最短の時間で最大の成果を手に入れる
超効率勉強法
著者 メンタリストDaiGo
編集長 倉上 実
発行所 株式会社 学研プラス
2019年5月1日 第4刷発行
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