ラブソング
恋愛をしたことがない。
誰かと付き合ったこともないし、
付き合いたいとも思ったことはない。
恋愛という概念は、
夜空に輝く星のように、
遠くにあることは知ってるけど
手に触れることは出来ない、
概念に近いものだと思っていた。
でも、恋ってやつに、
ちょっと手が触れた。
ほんのちょっとだけ。
僕の勘違いかもしれないし、
たぶん勘違いなんだけど、
もしかしたら、この変な気持ちが恋なのかな
って思ってしまった。
気持ちがごちゃごちゃで、すごくエネルギーがあって、
体と心がバラバラになっちゃいそうな、不思議な感覚。
どうしようもなくなって、音楽を聴きたくなった。
何も考えずとも頭に浮かんだ。
恋の歌詞。
今まで聴いてきた音楽の中で
ラブソングというやつを、無性に聴きたくなる。
そこで初めて気が付く。
この世界には、ラブソングで溢れてる。
僕は、ラブソングをラブソングとして
聴いてこなかった。
素敵なメロディー、素敵な歌詞。
それを楽しんできた。
曲として、楽しんできた。
でも、自分が「恋」に近づいた時、
この世界のラブソングの多さに圧倒される。
僕が触れてきたたくさんの音楽のほとんどが恋の歌だった。
びっくりした。
ヒットソングなんて、
年代問わず、ずっとラブソングじゃないか。
でも、納得もした。
そりゃそうだ。
この気持ちは、一人では耐えられない。
誰かの声が必要なんだ。
僕の中にある音楽が、
まだまだたくさんある。
これから、それらが輝きを増すときが来ると思うと、
楽しみで仕方ない。
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