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山頭火関連の本の感想

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種田山頭火の句集、関連の本の感想をまとめています。
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#山頭火全句集を一章ずつ

「山頭火全句集」を一章ずつ⑦

「山頭火全句集」を一章ずつ⑦

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正六年」の章です。

暗い・・・。ですね。

寂しそうとかではなく、何というかぞっとするような暗さがあります。

暗い、というか殺風景というか。

もちろんそうじゃない句もあるんですが、やっぱり全体のトーンに飲み込まれてしまっているように感じます。

「大正六年」のページを開くと、夜の闇の中にいるような気分になったり、背中がぞわぞわするよ

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「山頭火全句集」を一章ずつ⑥

「山頭火全句集」を一章ずつ⑥

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正五年」の章です。

全体的にどことなく悲しげなトーンの章でした。

「兵隊おごそかに過ぎゆきて若葉影あり」

など、戦争が始まった頃なのかな、ということをうかがわせる句があっただけでなく、

「鉄柵の中コスモス咲きみちて揺る」

など、明るそうな句も何となく悲しげに見えてしまうんですよ。

コスモス咲きみちて、のところは華やかで、悲しく

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「山頭火全句集」を一章ずつ④

「山頭火全句集」を一章ずつ④

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正三年」の章です。

この章では、「時雨」や「海」など、水の表現が印象的でした。

山頭火さんは水が好きだったそうですが、降ってくる水や広がっている水も好きだったのでしょうか。

水を飲むのも、泳ぐのも、流水に手を入れるのも、眺めるのも、好きな私なのでとても気に入った章です。

特に

「蚊帳越しに海ゆらゝ月の汽船待つ」



「火酒恋

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「山頭火全句集」を一章ずつ③

「山頭火全句集」を一章ずつ③

山頭火全句集を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正二年」の章です。

前回ご紹介した「明治四十五年・大正元年」の章よりも、「草木塔」の山頭火に近くなったのかな。

という印象でした。

何というか、昼間が多い。

カタカナが少なくなったのもあり、自然?

自然・・・だけではないか。

ザ・都会、じゃなくて、田舎のほのぼのするような情景が描かれている句が多くなったような気がします。

とは言

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「山頭火全句集」を一章ずつ②

「山頭火全句集」を一章ずつ②

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「明治四十五年・大正元年」の章です。

全体的に「夜」の風景が多かった印象でした。

赤い提灯が灯る温泉街とか。

(私の温泉街のイメージは「千と千尋の神隠し」です。)

あと「ふぐなべ」がいくつか出てきました。

いくつか、ではあるのですが、この章自体が一ページしかないのでめっちゃ出てきたような気になっています。

う~ん、やっぱり、「暖か

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「山頭火全句集」を一章ずつ①

「山頭火全句集」を一章ずつ①

と、いうわけで!

タイトルにもありますが、「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいこうと思います。

(先日投稿した、「草木塔」の章以外)

今回読んだのは、「明治四十四年」の章です。

「カフェーにデカダンを論すなつの蝶飛べり」

草木塔に出てきた句との違いに驚きました。

カフェー・・・。

この時代にカフェ、あったんですね。

「草木塔」にカタカナ言葉が全然でてこないので忘れていました。

何と

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