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「山頭火全句集」を一章ずつ③

山頭火全句集を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「大正二年」の章です。

前回ご紹介した「明治四十五年・大正元年」の章よりも、「草木塔」の山頭火に近くなったのかな。

という印象でした。

何というか、昼間が多い。

カタカナが少なくなったのもあり、自然?

自然・・・だけではないか。

ザ・都会、じゃなくて、田舎のほのぼのするような情景が描かれている句が多くなったような気がします。

とは言っても「草木塔」と違って街中の風景が多いです。

人間が感じられる。

そういうところが好きです。

例えばこの句。

「散歩がてらポストまで花菜匂う夜を」

普通に暮らしている中でもこういうこと、あるじゃないですか。

そういう情景がきれいに表されて、好きな時にその場面でしみじみ感じる「いいなぁ」って気持ちを、好きな時に味わえるような形になっている感じがしました。

日常生活の中でしみじみ感じる「いいなぁ」っていうの、好きなんですよ。

だからこういう句(もしくは文章でも短歌でも、詩でも)好きです。

それから、「花菜匂う」ってめっちゃオシャレですよね。

すごい、勉強になります。

どこかで使えるかな、この言葉。

使ってみたい・・・。

というか、ヨルシカ・・・ナブナさん・・・歌に組み込んでくれないかな・・・。


この章でもう一つ多いなぁ、と思った言葉があって、それが「子」です。

前の章にも一つくらいは入っていましたが、この章からドーンと増えている気がします。

「子」という言葉が入っているわけではなくても、

「あ、これは子供さんのことかな?」

とか、

「子供さんと一緒に歩いているのかな~」

と思う句もありました。

この章に自然に関しての句が多いのって、子供さんがそういうのを見つけるからでしょうか?

「子供がその場にいる」ということにはっきり言及しているわけではないのに「ここには子供がいるんだな」って感じさせるのって凄いですね。

大人が誰か(子供)を気遣っている様子だからかな?

子供目線で作られているからかな?

また考えてみます。


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