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「山頭火全句集」を一章ずつ①

と、いうわけで!

タイトルにもありますが、「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいこうと思います。

(先日投稿した、「草木塔」の章以外)

今回読んだのは、「明治四十四年」の章です。


「カフェーにデカダンを論すなつの蝶飛べり」

草木塔に出てきた句との違いに驚きました。

カフェー・・・。

この時代にカフェ、あったんですね。

「草木塔」にカタカナ言葉が全然でてこないので忘れていました。

何というか、モダン、ですね。

カフェーでデカダンを論す。

なつの蝶がカフェの窓ガラスの外を飛んでいくような。

南国っぽい配色ですよね~。

と、まず初めに、「草木塔」との違いをお伝えしようと思ってこの句を載せてみました。

この句も、比較的私には馴染みやすくて好きなのですが、この章で一番のお気に入りはこちら。

「サイダーの泡立ちて消ゆ夏の月」

です。

「サイダー」という洋風な、馴染みのある言葉と「消ゆ」という昔らしい言葉の対比が面白いなと思います。

話は変わりますが「神はサイコロを振らない」と「ヨルシカ」のナブナさんとアユニ・Dさんのコラボで、「初恋」という曲があるんですよ。

その中に似た歌詞があって。

サイダーの泡に透かして綺麗なものを見るのは今も昔も変わらないのかなぁ、と。

「サイダー」の泡、もしくはその言葉の響きには何か魅力があるのでしょうか。

「夏」「少年」な感じで好きな一句です。

サイダー・・・。昔はどうだったんだろう。

今でこそ子供の飲み物、とか夏休みってイメージがあるけど、昔は大人の高級飲み物だったりしたのかな?

また機会があったら調べてみたいです。


ここまでで紹介して来た二句は爽やかな夏のイメージですが、ちょっとぼんやりしたような、モヤモヤするっていうのかな。

薄暗い薄暮の頃が連想されるような句もあったり、花街かな?みたいな大人な句もあったり。

「草木塔」とは違う魅力に溢れた章でした。

ぜひぜひ、読んでいただきたいです。


山頭火句集「草木塔」の感想はこちら↓


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